火星探査機とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 自然科学 > 宇宙 > 探査機 > 火星探査機の意味・解説 

火星探査機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/20 00:44 UTC 版)

火星探査機(かせいたんさき)は、火星探査のために打ち上げられた宇宙探査機である。火星近傍を通過したり、火星周回軌道に投入されたり、火星に着陸したりして探査を行う。火星表面で自走して探査する車両はマーズ・ローバーと呼ばれ、2021年2月19日に火星に着陸した。

火星探査のためのローンチウィンドウ

地球と火星の軌道位置の関係から、火星探査のために打上げエネルギーが少なくてすむローンチウィンドウは、約2.135年(780日)間隔となる。このウィンドウは約1ヶ月の期間となる。火星探査ミッションが2年おきに実施されているのはこの理由から来ている。2011年11月の次のウィンドウは、2014年1月になる。

火星に着陸した探査機

初めて火星に着陸した探査機は、1973年に当時のソビエト連邦が打ち上げたマルス3号。しかし着陸後、20秒で信号が途絶えた。これに続くマルス6号も着陸1秒後に信号が途絶えた。

本格的な探査に成功したのは、1976年アメリカ合衆国が打ち上げたバイキング1号。その後、バイキング計画バイキング2号も着陸に成功し、火星表面の映像を地球に電送しました。

1997年にはマーズ・パスファインダーが着陸し、「ソジャーナ」と名づけられたローバー(自走ロボット)が岩石などを採取した。

2004年1月に、火星探査車スピリットオポチュニティが着陸に成功した。

2008年5月にフェニックスが着陸した。

2012年8月6日にマーズ・サイエンス・ラボラトリー搭載のキュリオシティが着陸した。

2018年11月26日にインサイトが着陸した。

2021年2月18日にマーズ2020パーサヴィアランス」が着陸した。

2021年5月15日に天問一号祝融号」が着陸した。

火星探査機の一覧

ソビエト連邦 / ロシア

  • 打ち上げ失敗など
    • 命名無し - 1960年10月10日
    • 命名無し - 1960年10月14日
    • 命名無し - 1962年10月24日打ち上げ、地球軌道上で爆発。
    • 命名無し - 1962年11月4日
    • 命名無し - 1969年3月27日
    • 命名無し - 1969年4月2日
    • コスモス419号 - 1971年5月10日
  • ゾンド計画
    • ゾンド2号 - 1964年11月30日打ち上げ、火星に向かうが通信途絶。
  • マルス計画
    • マルス1号 - 1962年11月1日打ち上げ、火星へ向かうが通信途絶。1963年6月19日に火星から 19万3000 kmを通過と推定。
    • マルス2号 - 1971年5月19日打ち上げ、11月27日にマリナー9号に次いで火星周回軌道に入る。着陸機を投下するが墜落。しかし火星に到達した最初の人工物となった。
    • マルス3号 - 1971年5月28日打ち上げ、12月2日に火星周回軌道に入る。着陸機を投下して初めて着陸に成功。しかし砂嵐が起こっており、着陸後20秒で通信途絶した。
    • マルス4号 - 1973年7月21日打ち上げ、火星周回軌道投入に失敗し、1974年2月1日に火星から 2200 kmを通過。
    • マルス5号 - 1973年7月25日打ち上げ、1974年2月12日に火星周回軌道に入るが、直後に通信途絶した。
    • マルス6号 - 1973年8月5日打ち上げ、1974年3月12日に火星周回軌道に入る。着陸機の軟着陸に成功したが1秒で通信途絶。
    • マルス7号 - 1973年8月9日打ち上げ、6号より早く1974年3月9日に火星に到達したが周回軌道投入に失敗。接近時に着陸機を投下したが、到達できなかった。
  • フォボス計画
    • フォボス1号 - 1988年7月7日打ち上げ、火星に向かうが9月2日に通信途絶。
    • フォボス2号 - 1988年7月12日打ち上げ、1989年1月29日に火星周回軌道に入る。火星の太陽面の反対から酸素が流出していることを発見したが、衛星フォボスの調査はならず、3月27日に通信途絶。
  • マルス96 - 1996年11月16日- プロトンロケットの4段のトラブルで打ち上げに失敗。
  • フォボス・グルント - 2011年11月9日、中華人民共和国蛍火1号と共に打ち上げられたが、地球軌道離脱に失敗。

アメリカ合衆国

計画中

計画中止

中華人民共和国

  • 蛍火1号 - 2011年11月9日、ロシアのフォボス・グルントに相乗りする形で打ち上げられたが、地球周回軌道離脱に失敗。
  • 天問1号 - 2020年7月23日、海南省の文昌航天ロケット発射場から長征5号により打ち上げられ、2021年2月10日20時頃 (CST) - 火星周回軌道投入、5月15日午前-火星への軟着陸に成功し、探査車「祝融」で、火星表面の気候や土壌などを調査する予定である[2]

計画中

  • 上記の「天問1号」に続き、2028年にも火星探査機を送り込む計画が2018年に明らかにされている[3]

日本

  • のぞみ (PLANET-B) - 1998年7月4日打ち上げ、2003年7月9日を最後に通信途絶、12月9日に火星軌道投入を断念。12月14日に火星から 1000 km地点を通過したとみられる。

計画中

欧州宇宙機関

計画中

  • エクソマーズ - 2016年にオービタとランダーを打上げ予定。2018年にローバーを打上げ予定。当初はNASAとの共同ミッションであったがNASAが撤退したため、ロシア宇宙庁と協定を結んだ。プロトンでの打ち上げを予定している[4]

フィンランド

計画中

  • MetNet - 2014年以降に複数の探査機を打ち上げ予定。

インド

アラブ首長国連邦

脚注

  1. ^ 火星の生命調査 探査車打ち上げ NASA」『読売新聞』朝刊2020年7月31日(社会面)同日閲覧
  2. ^ “中国の火星探査機「天問1号」、打ち上げ成功”. Astro Arts. (2020年7月27日). https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11403_tianwen1 2020年8月2日閲覧。 
  3. ^ 中国、火星探査2回計画 20年と28年” (2018年9月18日). 2018年9月25日閲覧。[リンク切れ]
  4. ^ 欧州宇宙機関、火星無人探査計画でロシアと協定 2回のミッション実施へ、AFP 2013年3月15日
  5. ^ “Mars Orbiter Mission”. ISRO. http://www.isro.org/mars/home.aspx 2013年11月24日閲覧。 
  6. ^ “インド初の火星探査機、マーズ・オービター・ミッション打ち上げ”. Sorae.jp. (2013年11月7日). https://sorae.info/030201/5037.html 2013年11月24日閲覧。 
  7. ^ “インド探査機、火星到達に成功 アジア初、周回軌道入り”. 『産経新聞』. (2014年9月24日). http://sankei.jp.msn.com/science/news/140924/scn14092417380003-n1.htm 2014年9月24日閲覧。 
  8. ^ インドの探査機、火星周回軌道に到達 アジア初の成功”. 『日本経済新聞』 (2014年9月24日). 2014年9月24日閲覧。
  9. ^ “UAEが火星探査計画、アラブ諸国で初 世界で9か国目”. AFPBB News. (2014年10月21日). https://www.afpbb.com/articles/-/3029453 2015年6月27日閲覧。 
  10. ^ “UAE、中東初の火星探査機打ち上げ成功 三菱重工が発表”. 『日本経済新聞』. (2020年7月20日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61709630Q0A720C2000000/ 2020年7月21日閲覧。 

関連項目

外部リンク


「火星探査機」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



火星探査機と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「火星探査機」の関連用語

火星探査機のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



火星探査機のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの火星探査機 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS