エリシウム平原とは? わかりやすく解説

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エリシウム‐へいげん【エリシウム平原】

読み方:えりしうむへいげん

火星赤道付近のやや北側広がる平原北方エリシウム山をはじめ、いくつかの火山帯がある。2018年火星探査機インサイト着陸した


エリシウム平原

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 04:30 UTC 版)

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エリシウム平原
Elysium Planitia
エリシウム平原の地形図。
種類 平原
天体 火星
場所 赤道付近
座標 北緯3度00分 東経154度42分 / 北緯3.0度 東経154.7度 / 3.0; 154.7座標: 北緯3度00分 東経154度42分 / 北緯3.0度 東経154.7度 / 3.0; 154.7
名の由来 ギリシア神話エーリュシオン

エリシウム平原(エリシウムへいげん、英語: Elysium Planitia)は、火星赤道付近にある広大な平原

地形

中心座標は北緯3度00分 東経154度42分 / 北緯3.0度 東経154.7度 / 3.0; 154.7付近で、エリシウム地域英語版からアイオリス地域英語版にかけて広がっている。[1] 平原の北方にはエリシウム山等からなる火山地帯が存在しており、この火山地域はタルシスに次いで火星で2番目に大きい。

エリシウム平原にはいくつかのクレーターが存在している。大きなものでは、エディー英語版ロッキャー英語版トンボー英語版がある。平原にはまたエリシウム山アルボル・トロスといった大きな火山に、アサバスカ峡谷英語版と呼ばれる火星で最も若いかもしれない峡谷が存在する。平原の東側にはオルクス・パテラ英語版と呼ばれる細長い窪地がある。

地下の氷

2005年火星探査機マーズ・エクスプレスがエリシウム平原の北緯5° 東経150° / 北緯5度 東経150度 / 5; 150付近を撮影した写真により、この地域に灰に覆われたが存在する可能性が示されている。氷は推計で800×900kmの領域に45mの深さで存在しているとみられており、これは地球の北海に匹敵する領域と深さである。[2] この氷は、200万年から1,000万年前にケルベルス地溝帯英語版から溢れ出た水が残ったものだと考えられている。エリシウム平原の地表は、湖に浮かんだ割れた氷のような「プレート」に分割されている。クレーターによる、玄武岩質の溶岩がゆっくり固まった形跡との比較から、これらのプレートが100万年より古いものであることが分かる。[3]

探査

エリシウム平原南端に位置するゲール・クレーターには、2012年火星探査機キュリオシティが着陸している。

また、2018年11月には探査機インサイトが、エリシウム平原内に着陸[4]。搭載している地震計により、火星の地震(火震)などを観測している[5]

火星地図

アキダリア平原アルバ・パテラアマゾニス平原アルカディア平原火星の人面岩エリシウム山エリシウム平原ゲールクレーターヘラス平原ジェゼロクレーターオリンポス山アウストラレ高原タルシス三山ユリシーズ・トーラスユートピア平原マリネリス峡谷
火星(記念碑の場所)の世界的な地形のインタラクティブな画像地図。画像の上にマウスを置くと、60を超える著名な地理的特徴の名前が表示され、クリックするとリンクする。ベースマップの色は、NASAのマーズグローバルサーベイヤーのマーズオービターレーザー高度計からのデータに基づいて、相対的な標高を示す。白色と茶色は最も標高が高い。(+12 to +8 km); ピンクと赤が続く。(+8 to +3 km)。黄色は0 km。緑と青は標高が低い(down to 8 km)。軸は緯度と経度。極域が注目される
(   名称  堆積物  ロスト )

画像

脚注

  1. ^ USGS Gazetteer of Planetary Nomenclature entry for Elysium Planitia
  2. ^ Young, Kelly (2005年2月25日). “'Pack ice' suggests frozen sea on Mars”. New Scientist. http://www.newscientist.com/article.ns?id=dn7039 2007年1月30日閲覧。 
  3. ^ John B. Murray et al., JB; Muller, JP; Neukum, G; Werner, SC; Van Gasselt, S; Hauber, E; Markiewicz, WJ; Head Jw, 3rd et al. (17 March 2007). “Evidence ... for a frozen sea close to Mars' equator”. Nature 434 (7031): 352–355. Bibcode2005Natur.434..352M. doi:10.1038/nature03379. PMID 15772653. 
  4. ^ NASAの探査機インサイト、火星への着陸に成功”. AstroArts (2018年11月28日). 2018年11月29日閲覧。
  5. ^ 火星の「地震」を観測、謎解明に前進 NASA探査機”. AFP (2020年2月26日). 2020年2月26日閲覧。

関連項目



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