条例とは? わかりやすく解説

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じょう‐れい〔デウ‐〕【条例】

読み方:じょうれい

地方公共団体がその自治権に基づき法令範囲内議会議決によって制定する法。「騒音防止―」

条令」に同じ。


条例(じょうれい)

条例は、地方公共団体定め決まりだ。その地域内でのみ適用される

条例の効力はかなり強力だ必要に応じて、きびしい罰則設けることもできる。条例としては、たとえば、めいわく行為防止条例などがおなじみだ。

特に、条例は都道府県ニーズに応じて機敏に制定できること特徴だ。条例と比べると、法律制定時間がかかり、迅速な動きが取れない

(2000.10.24掲載


条例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/07 01:12 UTC 版)

法令 > 条例

条例(じょうれい)とは、以下の3つの意味を持つ言葉である。


  • 日本の旧法制において、地方公共団体の議会が国の法律とは別に定めていた自主法。現行の条例に比べてかなり限定的であり、府県議会においては、府県制中改正法律(昭和4年4月15日法律第55号)による改正後の府県制(明治32年3月16日法律第64号)第4条ノ2が成立するまで、条例制定の権限がなかった。市町村の議会においては、市制(明治21年4月25日法律第1号)第31条及び町村制(明治21年4月25日法律第1号)第33条により、市町村レベルで制定が認められた。実例としては、市吏員退隱料條例(明治28年8月9日東京市條例第2号)[1]などがある。


  • 箇条書き形式の法令(本来の語義)。
    • 大正ごろまでは、国の法令にも条例と名づけることがあった[注釈 1]。最後に国の法令に条例と名づけたものは、将校演習旅行条例(大正12年11月5日軍令陸第8号)である。
    • 航海条例などのように、海外の歴史的過去における国家法をしばしば条例の名を冠して呼ぶことがある。
    • 中華人民共和国における法令の一種で、国務院が定める行政法規並びに地方人民代表大会が定める地方性法規、自治条例及び単行条例がある[2][3]

国内法体系上の位置付け

日本国憲法第94条《地方公共団体は、(中略)法律の範囲内で条例を制定することができる。》を根拠とし、地方自治法の規定に基づき制定される。

すなわち、条例は日本国憲法を頂点とする国内法体系の一部をなすものであり、かつ、法の形式的効力の意味において(単純な上下関係ではないが)、国法(法令)に違反できないものと位置付けられるものである。

条例を定める事については地方自治法第14条により、より具体的に定めがなされているが、この法律の範囲内でしか条例が制定できない事が定められており、これにより法的効力の順位付けについての矛盾・混乱が発生しないようになっている。ただし、国法令に違反するかどうかは、条例の目的や国法令との関係などによって総合的に判断され、法令の規定を上回る条例を違法でないとする判例も多く出されている(徳島市公安条例事件など)。裁判所以外が判断できるものではない。

地方自治法の規定

制定

条例の制定又は改廃の議決は、議会の出席議員過半数で決定される。ただし地方自治法で特別多数決を規定している場合は、これによる。例えば、事務所の位置を定め又はこれを変更する条例を制定し又は改廃しようするときは、出席議員の3分の2以上の者の同意が必要である(地方自治法第4条第1項、以下、同法の条数のみ記載。)

普通地方公共団体の議会の議長は、条例の制定又は改廃の議決があつたときは、その日から3日以内にこれを当該普通地方公共団体の長に送付しなければならない(第16条第1項)。

普通地方公共団体の長は、議長より条例の送付を受けた場合において、再議その他の措置を講ずる必要がないと認めるときは、その日から20日以内にこれを公布しなければならない(第16条第2項)。

条例は、条例に特別の定があるものを除く外、公布の日から起算して10日を経過した日から、これを施行する(第16条第3項)。

直接請求

選挙権[注釈 2]を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の50分の1以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く)の制定又は改廃の直接請求をすることができる(第74条)。

請求があつたときは、当該普通地方公共団体の長は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない(第74条第2項)。

普通地方公共団体の長は、直接請求を受理した日から20日以内に議会を招集し、意見を附けてこれを議会に付議し、その結果を同項の代表者に通知するとともに、これを公表しなければならない(第74条第3項)。

条例の制定又は改廃の請求者の代表者は、条例の制定又は改廃の請求者の署名簿を市町村の選挙管理委員会に提出してこれに署名し印をおした者が選挙人名簿に登録された者であることの証明を求めなければならない(第74条の2)。

長の拒否権

制定又は改廃の議決があつたときでも、長が公布せず10日以内に理由を示してこれを再議に付す場合は、議会で改めて3分の2以上の賛成を以って議決しなければ廃案になる(第176条第1項)。

は議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、市町村長にあっては都道府県知事に、都道府県知事にあっては総務大臣に審査を申し立てることができる。総務大臣又は都道府県知事は、審査の結果、議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該議決又は選挙を取り消す旨の裁定をすることができる。長又は議会は、裁定に不服があるときは裁定のあった日から60日以内に裁判所に出訴することができる(第176条第5項、第6項及び第7項)。

専決処分

普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第113条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる(第179条)。

法律と条例の関係

先に述べたとおり条例は法律の範囲内において制定することが日本国憲法に定められており、これに加え第14条第1項により、条例は法令に反してはならない。
また、地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。また、市町村及び特別区は、当該都道府県の条例に違反してその事務を処理してはならない(第2条第16項)。

  • 国の法令が全く規制していない領域 :条例で任意の規制ができる
  • 既に国の法令が規制をしている領域
    • 法令の執行を妨げるとき :条例による規制はできない
    • 法令の規制とは別目的の規制 :条例による規制ができる
    • 法令の規制と同一目的の規制
      • 法令が全国一律の均一的な規制をしているとき :条例による規制はできない
        工作物除却命令無効確認(最高裁判例 昭和53年12月21日)
        条例において、河川法が適用河川又は準用河川について定めるところ以上に強力な河川管理の定めをすることは、同法に違反し、許されない。
      • 法令が必ずしもその規定によつて全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じて、別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるとき :条例による規制ができる
        徳島市公安条例事件(最高裁判例 昭和50年9月10日)

条例で定めることができる罰則

条例により課せられる罰則は、地方自治法第14条第3項の規定により、2年以下の拘禁刑、100万円以下の罰金拘留科料もしくは没収(以上刑罰)又は5万円以下の過料に制限されている[注釈 3]

刑罰を定めるには、法律の授権が相当程度に具体的であり、限定されていることが必要である(最高裁判例[5])。

刑罰を盛り込む条例を制定する場合は、事前に検察官地方検察庁)との協議を行うことが慣例となっている。これは、検察官のみが刑罰の起訴ができる権限がある(刑事訴訟法第247条)ため、協議せずに条例制定をし、条文の不備等で起訴できないことになれば、刑罰を盛り込む意味がなくなってしまうためである。

なお、刑罰とは刑法第9条の罪(上記のうち、過料以外)を意味し、条例で定めることができる罰則のうち、過料のみが刑罰以外(=検察協議不要)で、地方公共団体の長が不利益処分の形で適用できる(地方自治法第149条ほか)。

条例で定めるもの

  • 都道府県以外の地方公共団体の名称を変更すること。(第3条第3項)
  • 地方公共団体の事務所の位置を定め又はこれを変更すること。(第4条第1項)
  • 地方公共団体の休日。(第4条の2第1項)
  • 普通地方公共団体の長の署名(総務省令で定める署名に代わる措置を含む。)、施行期日の特例その他条例の公布に関し必要な事項。(第16条第4項)
  • 都道府県の議会の議員の定数。(第90条第1項)
  • 市町村の議会の議員の定数。(第91条第1項)
  • 議会を置かず、町村総会をの設置。(第94条第1項
  • 普通地方公共団体に関する事件(法定受託事務に係るものにあつては、国の安全に関することその他の事由により議会の議決すべきものとすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)につき議会の議決すべきもの。(第96条第2項)
  • 議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務活動費を交付することができるもの。(第100条第14項前段)
  • 政務活動費の交付の対象、額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲。(第100条第14項後段)
  • 議会の定例会の回数。(第102条第2項
  • 定例会及び臨時会とせず、毎年、開会の日から翌年の当該日の前日までを会期とすることができること。(第102条の2第1項)
  • 定期的に会議を開く日。(第102条の2第6項)
  • 議会の常任委員会議会運営委員会及び特別委員会の設置。(第109条第1項)
  • 常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会の委員の選任その他委員会に関し必要な事項。(第109条第9項)
  • 市町村の議会の事務局の設置。(第138条第2項)
  • 議会の事務局長、書記長、書記その他の常勤の職員の定数。(第138条第6項)
  • 必要な地に、都道府県にあっては支庁(道にあつては支庁出張所を含む。以下これに同じ。)及び地方事務所、市町村にあっては支所又は出張所の設置。(第155条第1項)
  • 支庁若しくは地方事務所又は支所若しくは出張所の位置、名称及び所管区域。(第155条第2項)
  • 保健所警察署その他の行政機関の設置。(第156条第1項)
  • 行政機関の位置、名称及び所管区域。(第156条第2項)
  • 普通地方公共団体の長の直近下位の内部組織の設置及びその分掌する事務。(第158条第1項後段)
  • 副知事又は副市町村長を置かないこと。(第161条第1項ただし書)
  • 副知事及び副市町村長の定数。(第161条第2項
  • 普通地方公共団体の職員の定数。(第172条第3項
  • 選挙管理委員会の書記長、書記その他の常勤の職員の定数。(第191条第1項)
  • 市町村の監査委員の事務局の設置。(第200条第2項)
  • 監査委員に関し必要な事項。(第202条)
  • 普通地方公共団体の執行機関の附属機関。(第202条の3第1項)
  • 地域自治区の設置。(第202条の4第1項
  • 地域自治区の事務所の位置、名称及び所管区域。(第204条の4第2項)
  • 地域協議会の構成員の任期。(第202条の5第4項)
  • 地域協議会の構成員の定数その他の地域協議会の組織及び運営に関し必要な事項。(第202条の8)
  • 議会の議員に対し、期末手当を支給すること。(第203条第1項)
  • 議員報酬、費用弁償及び期末手当の額並びにその支給方法。(第203条第4項)
  • 委員会の非常勤の委員、非常勤の監査委員、自治紛争処理委員、審査会、審議会及び調査会等の委員その他の構成員、専門委員、監査専門委員、投票管理者、開票管理者、選挙長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人その他普通地方公共団体の非常勤の職員(短時間勤務職員及び地方公務員法第22条の2第1項第2号に掲げる職員を除く。)に対する報酬を支給に特別の定めをした場合。(第203条の2第2項ただし書)
  • 地方公務員法第22条の2第1項第1号に掲げる職員に対し、期末手当又は勤勉手当を支給すること。(第203条の2第4項)
  • 地方公務員法第22条の2第1項第1号に掲げる職員の報酬、費用弁償、期末手当及び勤勉手当の額並びにその支給方法。(第203条第5項)
  • 普通地方公共団体の長及びその補助機関たる常勤の職員、委員会の常勤の委員(教育委員会にあっては、教育長)、常勤の監査委員、議会の事務局長又は書記長、書記その他の常勤の職員、委員会の事務局長若しくは書記長、委員の事務局長又は委員会若しくは委員の事務を補助する書記その他の常勤の職員その他普通地方公共団体の常勤の職員並びに短時間勤務職員及び地方公務員法第22条の2第1項第2号に掲げる職員に対し、扶養手当、地域手当、住居手当、初任給調整手当(第一種初任給調整手当及び第二種初任給調整手当をいう。)、通勤手当、単身赴任手当、在宅勤務等手当、特殊勤務手当、特地勤務手当(これに準ずる手当を含む。)、へき地手当(これに準ずる手当を含む。)、時間外勤務手当、宿日直手当、管理職員特別勤務手当、夜間勤務手当、休日勤務手当、管理職手当、期末手当、勤勉手当、寒冷地手当、任期付研究員業績手当、義務教育等教員特別手当、定時制通信教育手当、産業教育手当、農林漁業普及指導手当、災害派遣手当(武力攻撃災害等派遣手当及び特定新型インフルエンザ等対策派遣手当を含む。)又は退職手当を支給することできるもの。(第204条第2項)
  • 給料、手当及び旅費の額並びにその支給方法。(第204条第3項)
  • 第74条の3第3項及び第100条第1項後段(第287条の2第7項において準用する場合を含む。)の規定により出頭した選挙人その他の関係人、第115条の2第2項(第109条第5項において準用する場合を含む。)の規定により出頭した参考人、第199条第8項の規定により出頭した関係人、第251条の2第9項の規定により出頭した当事者及び関係人並びに第115条の2第1項(第109条第5項において準用する場合を含む。)の規定による公聴会に参加した者の要した実費を弁償するもの。(第207条)
  • 普通地方公共団体の特別会計の設置。(第209条第2項)
  • 分担金、使用料、加入金及び手数料に関する事項。(第228条第1項前段
  • 手数料について全国的に統一して定めることが特に必要と認められるものとして標準事務について手数料を徴収する場合においては、当該標準事務に係る事務のうち政令で定めるものにつき、政令で定める金額の手数料を徴収することを標準とするもの。(第228条第1項後段)
  • 証紙による収入の方法。(第231条の2第1項)
  • 特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、又は定額の資金を運用するための基金。(第241条第1項)
  • 基金の管理及び処分に関し必要な事項(第241条第8項)
  • 普通地方公共団体の長等の損害賠償責任の一部免責(第243条の2の7第1項)
  • 毎年2回以上歳入歳出予算の執行状況並びに財産、地方債及び一時借入金の現在高その他財政に関する事項。(第243条の3第1項)
  • 公の施設の設置、管理及び廃止。(第244条の2第1項
  • 指定管理者並びに指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲その他必要な事項。(第244条の2第3項及び第4項)
  • 都道府県知事の権限に属する事務の一部を市町村が処理すること(第252条の17の2第1項
  • 指定都市の区の設置(第252条の20第1項)
  • 指定都市の区の事務所又はその出張所の位置、名称及び所管区域並びに区の事務所が分掌する事務。(第252条の20第2項)
  • 指定都市の区ごとに区地域協議会の設置。(第252条の20第7項前段)
  • 指定都市の総合区の設置。(第252条の20の2第1項)
  • 指定都市の総合区の事務所又はその出張所の位置、名称及び所管区域並びに総合区の事務所が分掌する事務。(第252条の20の2第2項)
  • 指定都市の総合区長が執行することとされた事務。(第252条の20の2第8項柱書)
  • 主として指定都市の総合区の区域内に関する事務。(第252条の20の2第8項第4号)
  • 第252条の20第7項から第10項までの規定のうち、条例の定めがあって、それを指定都市の総合区について準用するもの。(第252条の20の2第13項)
  • 第2編及び第4編中市に関する規定のうち、条例の定めがあるものについて、それを特別区に適用するもの。(第283条第1項)
  • 条例の定める規定があって、それを特例一部事務組合について読み替えて準用するもの。(第287条の2第7項、第8項、第9項及び第10項)
  • 地方公共団体の組合について、普通地方公共団体に関する規定を準用するもののうち、条例の定めがあるもの。(第292条)
  • 財産区の議会又は総会を設けて財産区に関し市町村又は特別区の議会の議決すべき事項。(第295条)
  • 財産区の議会の議員の定数、任期、選挙権、被選挙権及び選挙人名簿に関する事項又は財産区の総会の組織に関する事項。(第296条第1項)
  • 財産区の議会又は総会に関しては、第2編中町村の議会に関する規定を準用するもののうち、条例の定めがあるもの。(第296条第3項)
  • 財産区管理会の設置。(第296条の2第1項)
  • 財産区管理委員の選任、財産区管理会の運営その他財産区管理会に関し必要な事項。(第296条の4第1項)
  • 地方自治法以外の法律であって、その規定中に条例の定めがあるもの。

条例の限界

国の法令との抵触と要綱への依存

前述のとおり、既に国の法令で規制されている領域においては条例の制定がかなりの程度で制限され、かつ国の法令の規制が及ぶ範囲は相当に広範かつ詳細にわたることから、地方公共団体が独自の観点で条例により規制を行うことができる分野は限られたものとなっており、地方行政のいずれの分野においても、その根幹は国政での立法によって規定及び規制されている[注釈 4]

また、条例の制定により国の法令との抵触が生じることを回避するため、条例とは異なり法的な位置付けがない要綱を定め、任意の協力を前提とした行政指導を行うことによって行政上の所定の目的を達しようとする手法が、多くの地方公共団体で用いられている。 しかしながら、要綱は何ら法的根拠を伴うものではないことから、それに違反する者に対して強制力を有しておらず、また行政指導に従わない者に対して水道の供給を停止することにより行政指導に事実上の強制力を持たせようとして裁判になった事例において、地方公共団体が敗訴する(最高裁平成元年11月8日第二小法廷決定)など、今日では要綱による行政には一定の限界があることが認識されるに至っている。

条例(例)(旧準則)への依拠

現在地方公共団体で制定されている条例の多くは、国の法令により委任されている事項を定めたものもあり、またその条例の内容も国や都道府県が参考のために提示した条例(例)(昔で言う準則)あるいはモデル条例と呼ばれる雛形に沿って制定されることが多い。これらは、人員・能力の点から条例制定への対応に困難が伴う地方公共団体にとっては有用である半面、雛形であるがゆえにその内容はニュートラルなものであり、これに依拠する限り個別的な地域のニーズに対応した条例の制定は困難となる側面がある。なお、国等が示す条例(例)(旧準則)には、地方公共団体への法的拘束力はない。

複数の条例間の対立

上述のとおり、国の法令からのモデル条例が複数制定されると、その自治体の現状を反映しないため、条例間に齟齬が生ずることがある。

地方公共団体における意識・体制

実際に生じている課題に対応することがまず求められるという地方自治行政の特性や、そもそも条例自体なくとも行政活動は可能であるとの意識などから、独自の条例制定が活発に行われず、その結果各地方公共団体において条例制定の技術や体制が発達していないとの指摘もある。

実効性の確保

前述のとおり条例で規定できる行政罰は2年以下の懲役若しくは禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収に限られており(14条)、また直接強制や課徴金などの強制手段を規定することは現行の地方自治法上認められていないことなどから、条例による規制は法律によるそれと比べて事実上その実効性が弱く、検察当局との連携強化など実務上の運用改善を含め、実効性の確保をいかに図るかが課題である。条例に違反した等の場合に、その事実や氏名等を公表することによって社会的制裁を科することで条例の実効性確保を図る例がある。

地方分権改革推進会議での提言

地方分権改革推進会議が平成16年5月に出した「地方公共団体の行財政改革の推進等行政体制の整備についての意見」においては、法令面での地方の権限強化として、以下のとおり提言がなされている。

「地域の実情に応じた行財政運営を実現する観点からは、法令による全国一律の規制の弾力化と条例の機能強化等、法令面での地方の権限を強化するための制度の在り方を検討することが必要である。」

自治事務については、地方公共団体の自主性を阻害しないよう国の法令は基本的な制度設計にとどめることとし、それ以外の自治事務の処理に必要な事項については個々の法令において条例への授権範囲を大幅に拡大していくべきであり、地方の実情に応じて設定すべき基準等は、地方公共団体が条例で定められるようにすべきである。 さらに、自治事務については、福祉、教育やまちづくり等の主要分野を中心として、個々の法令における条例への授権範囲の拡大に加え、条例に委ねるべき範囲の一般原則・基準を設定して包括的に条例への授権範囲を拡大することや、条例が一定の範囲内で政省令に規定された内容の弾力化を図りうる仕組みづくりといった地方公共団体の立法機能の強化に向けた方策も検討すべきである。その際には、市町村が処理する自治事務に関する都道府県の条例と市町村の条例の関係についても、必要に応じて同様の見地から検討すべきである。なお、これらの検討を行う際は、憲法上の問題を含めた議論が行われるべきである。」

地方自治行政における政策法務

地方分権一括法による改正をはじめとする地方分権改革の進展により、地方公共団体の条例制定権が一定程度強化されたことに伴い、地方公共団体の政策形成及びその実現のための手段として条例制定権(自主立法権)を積極的に活用しようという、いわゆる政策法務が近年注目されている。 従来の地方公共団体における法務は、既存の法令の解釈や争訟事務などが中心であり、政策的観点からの自主立法権の活用という視点が乏しかったことから、政策法務の進展は地方公共団体における法務行政の質的な変化をもたらすものといえる。

今後この政策法務に対する取り組みが進展するためには、制度面として地方分権の推進・強化が必要とされるほか、地方公共団体においては企画力及び法的素養について一層の涵養が求められよう。

例規集の公開

地方公共団体における条例や規則等の総称を例規と言い、それらをまとめたものを例規集と言う。近年は、データベース化して、ウェブページ上で公開している地方公共団体も多い。

主な条例

主な条例(一例)


特色ある条例

脚注

注釈

  1. 現在でもなお国の法令としての効力(具体的には政令としての効力)を有するものに、明治十四年太政官布告第六十三号(褒章条例)がある。
  2. 地方自治法第11条により「日本国民」であることを要件としている(国籍条項)。
  3. なお、この罰則に対する制限については、地方自治法第228条第2項地方税法等において特例の定めがある[4]
  4. 例えば神奈川県が2001年(平成13年)に独自に制定した法定外普通税である神奈川県臨時特例企業税条例について、法人事業税における欠損金の繰越控除を定める地方税法の規定の趣旨・目的に反し、違法・無効であると判示した判例として、2013年(平成25年)3月21日最高裁判所第一小法廷判決。金築誠志裁判官はこの判決の補足意見で「憲法が地方公共団体の条例制定権を法律の範囲内とし、これを受けて地方自治法も条例は法令に違反しない限りにおいて制定できると定めている以上、地方公共団体の課税自主権の拡充を推進しようとする場合には、国政レベルで、そうした方向の立法の推進に努めるほかない場面が生じるのは、やむを得ないことというべきである。」と述べている。

出典

  1. 1895年8月9日官報第3634号
  2. 岡村志嘉子「中国における立法法の改正」、『外国の立法』265号、国立国会図書館調査及び立法考査局
  3. 中華人民共和国の法令の調べ方”. 国立国会図書館 (2024年3月27日). 2024年10月22日閲覧。
  4. 石毛正純 『自治立法実務のための法制執務詳解<四訂版>』 ぎょうせい、2004年、201-203頁
  5. 最高裁判例大阪市条例第六八号違反被告事件(昭和37年5月30日)

関連項目

外部リンク


条例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 19:07 UTC 版)

カステッランマーレ・ディ・スタービア」の記事における「条例」の解説

2010年3月から2012年12月まで市長務めた自由国民(中道右派所属で元判事のルイジ・ボッビオ市長 (it:Luigi Bobbio (politico)) は、ユニークな条例を作る人物として知られた。 2010年10月には「(街の)品位取り戻すため」として、女性が街で露出的な服装ミニスカートや、胸元大きく開いた衣装)を着ることを禁止する条例案を示しイタリア国内外で「ミニスカート禁止令」などとして大きく報じられた。条例ではほかに「ジーンズを尻の一部見えてしまうほど低い位置ではくこと」や「公共公園でのサッカー」「教会対す侮辱」なども禁止される。これに対して地元カトリック教会歓迎姿勢を示す一方野党女性議員らは「女性の自由を束縛する」と猛反発示した。条例案は市議会可決され違反者には最大500ユーロ罰金科せられることとなった

※この「条例」の解説は、「カステッランマーレ・ディ・スタービア」の解説の一部です。
「条例」を含む「カステッランマーレ・ディ・スタービア」の記事については、「カステッランマーレ・ディ・スタービア」の概要を参照ください。

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条例

出典:『Wiktionary』 (2021/08/12 01:12 UTC 版)

発音(?)

じょ↗ーれー

名詞

じょうれい

  1. 箇条書き法令条令
  2. 地方自治体が、自治立法権基づき議会議決定める

類義語

翻訳


「条例」の例文・使い方・用例・文例

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