シャントとは? わかりやすく解説

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shunt

別表記:シャント

「shunt」の意味・「shunt」とは

「shunt」は英語の単語で、主に電気工学医学分野使用される電気工学においては、「分岐する」や「切り替える」などの意味持ち電流流れ別の経路に向けるための装置やその動作を指す。医学分野では、体内液体別の所へ導くための管やその手術を指す。

「shunt」の発音・読み方

「shunt」の発音は、IPA表記では /ʃʌnt/ となる。これをカタカナ置き換えると「シャント」となる。日本人発音する際のカタカナ英語では「シャント」と読む。

「shunt」の定義を英語で解説

「shunt」は、"to divert (a part of a current) by connecting a circuit element in parallel with another" or "a passage or duct that diverts or channels flow"と定義される。これは、「(電流一部を)並列接続した回路要素によって分岐させる」または「流れ分岐または導く通路ダクト」を意味する

「shunt」の類語

「shunt」の類語としては、「divert」や「reroute」、「bypass」がある。これらの単語も「shunt」と同様に、何かを別の経路に向けるという意味を持つ。

「shunt」に関連する用語・表現

「shunt」に関連する用語としては、「shunt resistor」や「shunt circuit」、「shunt surgery」などがある。「shunt resistor」は電流分岐させるための抵抗器を、「shunt circuit」は電流分岐させる回路を、「shunt surgery」は体内液体別の所へ導く手術を指す。

「shunt」の例文

1. The doctor decided to perform a shunt surgery to relieve the patient's hydrocephalus.(医師患者水頭症緩和するためにシャント手術を行うことを決定した。)
2. The shunt resistor is used to divert the current.(シャント抵抗器電流分岐させるために使用される。)
3. The shunt circuit is designed to protect the main circuit.(シャント回路主回路保護するために設計されている。)
4. The shunt operation was successful.(シャント手術成功した。)
5. The shunt helped to reroute the blood flow.(シャントは血流を再ルーティングするのに役立った。)
6. The shunt was used to divert the excess fluid.(シャントは余分な液体分岐させるために使用された。)
7. The shunt was placed in the patient's brain to relieve pressure.(シャントは患者脳内圧力緩和するために設置された。)
8. The shunt resistor is an important part of the electrical circuit.(シャント抵抗器電気回路重要な部分である。)
9. The shunt surgery helped to improve the patient's condition.(シャント手術患者の状態を改善するのに役立った。)
10. The shunt was used to bypass the damaged part of the circuit.(シャントは回路損傷部分バイパスするために使用された。)

しゃん‐と

[副](スル)

物事がきちんと整っているさま。ちゃんと。

「箸函に—納めて」〈紅葉二人女房

姿勢または態度などがだらけていないで、きちんとしているさま。「背筋伸ばして—立ちなさい」「めそめそしていないで—しなさい」

衰え見せず、元気で活発にしているさま。「高齢なのに—している」

確かにきっぱりと。しかと。

「—短う通ひやむが、此の道の睟(すい)」〈浮・禁短気・四〉


シャント【shunt】

読み方:しゃんと

回路の中の二点を導線つないで作った回路。もとの回路(主路)から分岐して並列設けられ回路分路

動脈と静脈毛細血管介さず直接つながっていること。また、その部位。あるいは、病気治療するために、血液脳脊髄液などの体液が本来の流路とは異な経路流れるようにすること。また、その経路をいう。短絡。→内シャントシャント術


シャント

【仮名】しゃんと
原文shunt

医学では、血液や他の体液が体のある部分から他の部分流れるようにするために作られる通路意味する例えば、外科医脳脊髄液を脳から腹部へと流す為の管を移植するまた、ある血管から他の血管へと血液を流す通路作り通常の血流変化させることもある。

シャント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/07 22:34 UTC 版)

シャント (英語: shunt) とは、血液が本来通るべき血管と別のルートを流れる状態のことである。ふつう、動脈静脈循環系内臓を含む毛細血管を介さず直接吻合している箇所を指す。

病的シャントは先天性心奇形において見られ、ファロー四徴症心室中隔欠損症心房中隔欠損症単心室症(無脾症)、動脈管開存症等がこれをきたす代表的疾患として挙げられる。特に、静脈系から動脈系への流出を右→左シャント、動脈系から静脈系への流出を左→右シャントと言い[注釈 1]、どちらのシャントになるかは吻合部位の圧較差によって規定される。血流は、圧力の高い側から低い側へと流れて行く。

いっぽう、シャントは健常人にも存在する。シャントとは狭義には上述の定義であるが、広義には肺におけるガス交換に与れない肺血流、すなわち換気血流比(1分間あたりの肺換気量を肺血流量で除したもの)が正常値に満たない部分のことも含む(この場合静脈血がそのまま動脈系に流入していると考えることができるので、右→左シャントである)。この肺胞におけるシャントと、健常人にも存在する解剖学的シャント(心テベシウス血管、気管支静脈など)をあわせて、生理学的シャントという。

  • 生理学的シャント
    • 解剖学的シャント
    • 肺換気血流不均等
  • 病的シャント
    • 先天性心奇形

シャント術

場合によっては、意図的にシャントを起こして循環機能の改善を図る場合もある。

BTシャント術

(便宜上同目的のこれに準じた手術法についても解説する)

先天性心奇形などで肺動脈(あるいはその前の右心室などにも)に全身から戻った血液が流れ込みにくい場合、肺血流の不足により酸素交換が十分行われず、動脈血中の酸素濃度の低下による低酸素血症(低酸素症)および、流れ込みにくい肺動脈に行けない静脈血が右→左シャントで直接動脈側に流れてチアノーゼをきたすことになる。

これを軽減するため左心室から出た動脈のいずれかを肺動脈に接続して肺への血流を増やすシャント術(体動脈-肺動脈短絡術)があり、最初に行われたものが肺動脈鎖骨下動脈を吻合するBTシャント(Blalock-Taussig短絡)と呼ばれるシャント術(1944年)で、これ以外に下行大動脈と肺動脈を人工血管で結ぶ「ポッツ-スミス(Potts-Smith)変法」、上行大動脈と右肺動脈の吻合をする「ウォーターストーン(Waterstone)手術」(1962年[1])、上行大動脈と種肺動脈を人工血管で結ぶ「セントラルシャント(central shunt)」などもある。[2]

手術方法の違いによって下記のように一長一短があり、70年代にいろいろ検討されたが、現在ではBTシャントを改良して鎖骨下動脈を切り離さずに人工血管で接続するmodified BTシャント術が一般的に用いられている[3]

70年代に検討された体動脈-肺動脈短絡術の一長一短比較[4]
Blalock手術[注釈 2] Potts手術 Waterstone手術
乳幼児に対する適応 鎖骨下動脈が細く吻合困難 吻合可能 吻合可能
気管支動脈系、副血行路の発達 支障あり 支障なし 支障なし
吻合口の大きさ 鎖骨下動脈の大きさに左右される
(吻合口過大になることは稀)
適宜調節可能
(吻合口過大となりえる)
適宜調節可能
(吻合口過大となりえる)
吻合口の自然閉鎖 稀でない
(特に乳幼児の場合)
短絡血流の分布 片肺に偏りやすい 片肺に偏りやすい 両肺に均等化し得る
上肢の血行障害
鎖骨下動脈起始異常 適応困難 適応あり 適応あり
根治術時の短絡閉鎖 やや困難 困難 容易[注釈 3]

(Waterstone手術の「吻合口過大となりえる」は初期設定を誤った場合だけではなく、術後一ヶ月から一年半ぐらいのうちに吻合口の大きさが変わって不適当になるということもある[5][1]。)

ただしこれらは心臓内部を手術できるようになった現在ではあくまで姑息手術であり、後の機能的根治術(フォンタン型吻合術)を目標とした一時的なものに過ぎない。

バスキュラーアクセス

A radiocephalic fistula.

血液の人工透析を行う際に、短時間で大量の血液を浄化するための血流量の豊富な血管を確保し、16G程度の留置針を毎回穿刺しなくてはならない。そのために主に腕(利き腕ではない方)の血管に短絡路を増設することがある。人工透析患者については単にこれを「シャント英語: shunt)」という場合が多い。

前腕の動脈静脈バイパス(側副路)するように吻合する。これにより動脈血が静脈血管へ直接流入する(左→右シャント)ため静脈血管は次第に怒張し、穿刺しやすい静脈へのアクセスが容易になり、200 mL/min程度の体外循環血流量を十分確保する事ができる。もともと存在する血管を作為的に吻合するため、血管炎症や閉塞など副作用を併発することもある。また心疾患を合併する患者には心臓への負担がかかることもあり、そのような場合はシャント(短絡)しない非シャントタイプのものも使われる。そのためシャントという言葉は適切ではないので、血液の取り出し口という意味で「ブラッドアクセス」という言葉が用いられていたが、バスキュラーアクセス英語: Vascular access; VA)と言うほうが正式である。


脚注

注釈

  1. ^ 動脈系が左、静脈系が右と表記されるのは、動脈系が心臓左心房左心室から、静脈系が心臓の右心房右心室から血液が出てくるからである。
  2. ^ この「Blalock手術」は鎖骨下動脈を直接つなぐ原法の方。
  3. ^ ただし、吻合口が拡大している場合は困難なこともある。(安東(2018)p.16

出典

  1. ^ a b 安東(2018)p.16
  2. ^ 梅村敏(監) 木村一雄(監) 高橋茂樹『STEP内科5 循環器』海馬書房、2015年、ISBN 978-4-907921-02-6、p.249。
  3. ^ 松尾(2014)p.121[出典無効]
  4. ^ 古賀(1973)p.1158、表2
  5. ^ 松村(1977)p.277

参考文献

関連項目

外部リンク


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