電気工学において
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:03 UTC 版)
先で電位の基準は無限遠点にとるとしたが、電気工学では普通このようにせず、回路上の一点を0 Vと定めるのが一般的である。特に、送電・配電など比較的高電圧の分野では、地面(アース)の電位を基準に定めている。また、電気工学における電圧はスカラー量として扱え、計算の中ではほとんどの場合そのようにする(ただし、交流回路においては電圧を複素数として扱うことが多く、複素数を図示するときにベクトルのように描くことはある。また、この複素数を実数値の2次元ベクトルとみて、交流の電力の式を複素電圧と複素電流の内積として表すことも極稀にある)。 電気工学で回路を解析するときは、オームの法則による近似が力を発揮する。抵抗値が R の回路の両側の端子の電位がそれぞれ V a {\displaystyle V_{\mathrm {a} }} 、 V b {\displaystyle V_{\mathrm {b} }} であり、 R {\displaystyle R} にかかる電圧が V = V a − V b {\displaystyle V=V_{\mathrm {a} }-V_{\mathrm {b} }} であるとき、回路を流れる電流 I {\displaystyle I} は、 I = V a − V b R = V R {\displaystyle I={\frac {V_{\mathrm {a} }-V_{\mathrm {b} }}{R}}={\frac {V}{R}}} で与えられる。 電子回路では、ある端子のインピーダンスというと、その端子の電位を端子に流れ込む電流で割った値のことを表す。電圧ではなく電位を用いて、このような言い方ができるのは、電子回路では回路中の入力・出力などを全て電位(アースとの電位差)で与えているためである。
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