f2aとは? わかりやすく解説

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【F2A】(えふにえー)

F2A Buffalo(バッファロー)
第二次世界大戦初期使用されアメリカ海軍艦上戦闘機開発ブリュースター社が担当した
1,000馬力空冷エンジン積んだずんぐり太い単葉胴体に、引き込み脚やアレスティングフック密閉式コックピットなど、当時としては革新的な要素多数盛り込まれ設計され1939年アメリカ海軍への実戦配備始まった後はフィンランド英国などにも供与された。

開戦後太平洋地域使用されたが、鈍重だったため、同時期に日本軍主力だった零戦に対して速度上昇力運動性航続距離全てにおいて明らかに劣りミッドウェー海戦では零戦相手海兵隊航空団VMF-221に所属していたF2A-3 19機のうち13損失一方的な損害出したため、1942年夏までに多く第一線退いた

しかし、フィンランド軍供与され機体「ブルーステル」(F2Aのフィンランドでの呼称)は、航空母艦上で運用のための様々な装備省かれていたほか、エンジン計器などが変更されたため、良好な性能発揮し継続戦争序盤から奮戦喪失21機(事故含む)に対しソ連軍相手に456機撃墜かなりの活躍見せた
また、数々エースパイロット生み出したことから「タイバーン・ヘルミ(taivaan helmi:空の真珠)」と賞賛され、ラップランド戦争終結1945年まで使用され続けた

関連F4F エイノ・イルマリ・ユーティライネン ハンス・ヘンリック・ウィンド

スペックデータ

派生型(カッコ内は生産機数)


F2A (航空機)

(f2a から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/21 01:07 UTC 版)

ブルースター F2A


注釈

  1. ^ 総生産数に関しては諸説ある
  2. ^ なお、この時グラマンはF3Fを全金属製・密閉コクピット化した複葉のG-16(XF4F-1)を「現在の時点ではまだ複葉機のほうが総合性能に優れる」として提出し、これは一旦は却下されたが、XF4F-1は単葉型に改設計されG-18(XF4F-2)として再提出された。
  3. ^ このXF2Aの実験結果により、航空機の開発において実物大模型もしくは実機を用いた風洞実験の有用性が証明され、以後一般的となる。
  4. ^ 武装(搭載機銃)は事実上アメリカ軍向け型と同一だが、アメリカ軍制式採用機に搭載されたアメリカ軍制式のものではなく、コルト社が国外輸出用として生産していたモデルのため“コルト社から輸出されたものをアメリカ以外の国から購入した”という形で「アメリカ軍制式装備ではない」として法律上の問題を回避した。
  5. ^ 1930-404年代当時は主に製紙事業を展開していた。
  6. ^ 機首に白地に黒の山猫のマークがペイントされている。
  7. ^ ケグ(Keg)”とはビールの貯蔵・輸送容器のことで、東南アジア戦線で当機に対し日本軍が付けた“空飛ぶビヤ樽”とほぼ同意味のネーミングである。
  8. ^ 名称について、今日ではメッサーシュミットを"Bf"と表すがフィンランド空軍就役当時の名称は「メルス(MT)」であり「バイエル」ではないためあえて"Me"と記載した
  9. ^ ペクリ中尉は脱出に成功し、敵勢力圏を20キロ踏破して友軍前線に到達、無事帰還した。[13]
  10. ^ オランダで展示されているレプリカには、実機に搭載されていたエンジンが組み込まれている。
  11. ^ その後ソマーズ中尉はミッドウェイ海戦の数週間前にハワイへ移動となり、大戦を通じて従軍した後、海兵隊中佐として退役し、1992年に死去した。[16]
  12. ^ このように機首に2種類の異なる口径の機関銃を装備しているのは、1940年代までに開発されたアメリカ軍戦闘機の特徴の一つで、その理由としては、当時、制式航空機搭載.50口径機関銃とされたブローニングM1921重機関銃は装弾方向が銃左側に固定されていたため、機首に並列連装に装備することが不可能であったためである(同様の理由で翼内装備とすることも不可能であった)。
    1933年にはM1921の改良型であるM2 .50口径機関銃の生産が開始されており、M2およびその航空機搭載型であるAN/M2では部品の交換のみで装弾方向を左右任意に選択することができるようになったため、.50口径機関銃の機首並列連装、および翼内搭載が可能となったが、戦間期の予算の削減からM2の本格的な生産開始が遅延していたため、1930年代に開発された機体であっても異種口径の並列配置を基本として設計されていた。
  13. ^ ブローニングM1919重機関銃の航空機搭載型であるcal.30 AN/M2をコルト社が国外市場向けに生産したモデル。
  14. ^ MG40と同じくブローニングM2重機関銃の航空機搭載型であるcal.50 AN/M2をコルト社が国外市場向けに生産したモデル。
  15. ^ この機体は、1943年2月6日にフロリダ州マイアミで空中衝突により墜落し失われた。

出典

  1. ^ SP-3300 Flight Research at Ames, 1940-1997 "Flying Qualities, Stability and Control, and Performance Evaluations" ※2018年5月23日閲覧
  2. ^ ゴードン・ウィリアム・プランゲ:著、千早正隆:訳 『ミッドウェーの奇跡』上巻 p.255-256
  3. ^ バレット ティルマン:著、岩重多四郎:訳 オスプレイ・ミリタリー・シリーズ 世界の戦闘機エース 8『第二次大戦のワイルドキャットエース』(ISBN 978-4499227421)大日本絵画:刊 2001年 p.13
  4. ^ THE WARBIRD'S FORUM>ANNALS OF THE BREWSTER BUFFALO>MIDWAY>MIDWAY COMBAT REPORTS 'Not a combat airplane'
  5. ^ THE WARBIRD'S FORUM>MIDWAY COMBAT REPORTS 'Not a combat airplane', Statement of second lieutenant Charles Murphy Kunz, USMCR:
  6. ^ Brewster 339B (Buffalo) ※2018年5月23日閲覧
  7. ^ Belgian Wings>Brewster 339B※2018年5月23日閲覧
  8. ^ カリ・ステンマン、カレヴィ・ケスキネン:共著 梅本弘:訳『フィンランド空軍第24戦隊』参照
  9. ^ カリ・ステンマン、カレヴィ・ケスキネン:共著 梅本弘:訳『第二次大戦のフィンランド空軍エース』 参照
  10. ^ 中山雅洋『北欧空戦史』参照
  11. ^ 齋木伸生『フィンランド軍入門』 参照
  12. ^ 押尾一彦、野原茂・共著『日本軍鹵獲機秘録』p.95
  13. ^ heninen.net>The Last Flight of BW-372) ※2018年5月23日閲覧
  14. ^ NATIONAAL MILITAIR MUSEUM>Jachtvliegtuig (Replica) Brewster 'Buffalo' type B-339C 2e Vliegtuig Groep ML-KNIL met embleem van de neushoorn in geel vlak, in witte letters op de romp het registratienummer "B-3107" en de naam van de vlieger "Bruggink". Oranje driehoek als nationaal kenteken. ※2018年5月23日閲覧
  15. ^ Bill Maloney Thoughts & Images>AVIATION & MILITARY>Cradle Of Aviation Museum - Brewster F2-A2 Buffalo ※2018年5月23日閲覧
  16. ^ The New York Times|JAN.1,2013|10 Feet Below Waters Off Midway Atoll, a Famous Flying Dud|By ERIK ECKHOLMJAN. 1, 2013) ※2018年5月4日閲覧
  17. ^ The New York Times|JAN.1,2013|10 Feet Below Waters Off Midway Atoll, a Famous Flying Dud|By ERIK ECKHOLMJAN. 1, 2013 ※2018年5月4日閲覧


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