RS250
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/14 01:04 UTC 版)
RS250はスズキ・RGV-ΓをベースとするV型2気筒の250ccエンジンを搭載し、最高馬力は85psの発生も可能とされていた。ガンマのエンジンタイプは、VJ22A型式のヨーロッパ仕様が元になっており、RS250発売開始当初はベースの62psのガンマより8psアップした70psの出力があることになっていた。チャンバーの位置はVJ22A型ガンマとほぼ同じ位置。(写真右)最高出力などの性能表示については、元々日本とイタリアでの計測方法や表示の違いで、表示上では70Ps、圧縮比12~13となっているが、実際はガンマの輸出仕様とおおむね変わらない出力性能である。 RS250には前期型モデルである「LD型」、後期型モデルである「LDA型」と2種類の車両が存在しており、前期型モデルにはアプリリアチャレンジカップ用のパーツを組み込んだRS250SPというモデルが存在している。登場した一時期はスガヤ製のチャンバーを備えたSP車両も存在した。(RS250SP2、RS250GPというモデルもあるが、構成は同じなので基本的にはRS250SPで統一しても差し支えない) 1994年 最初期型であるLD型がデビュー。当初の扱いはGP250チャンピオン獲得に伴う記念モデル的な車両であったため、1995年までの車両にはフレームのネック部分にライセンスプレートが取り付けられている。カラーは1994年から1995年が青/赤(いわゆるレジアーニカラー)、銀、黒が存在した。1997年モデルとされているモデルは1996年モデルの売れ残りであり、燃料タンクに94,95年の勝利を記念するステッカーが貼ってある。 1998年 RS250はマイナーチェンジを実施し、LDA型に変更される。カウルは当時のGP250のトレンドである流線型の大柄なものになりテールカウルは涙滴型となる。エンジンも改良され、ヘッド形状が変更されて低回転域のトルクの増強と出力の安定化を図っている。また排気バルブユニットの動作を変更し、回転数に合わせて無段変速するというアプリリアならではの制御が行われている。これにより、LD型に見られた8000rpmを超えてから唐突な出力を発揮する特性が適正化されている。 また、フロントサスペンションがツインダンパーになり、ジオメトリも変更されたため操縦特性が前期型と後期型でかなり違っている。 日本メーカーが2ストロークレプリカバイクの生産を終了してからも、アプリリアはRS250を生産しつづけていたが、環境規制とスズキからのエンジンのデリバリーが終了したことにより2003年に生産終了となり、このオートバイが世界で最後に生産された250cc2ストロークレプリカバイクとなってしまった。元々エンジンは1万台の生産契約ということで、生涯生産台数が初めから決まっていたRS250であるが、思いのほか長期にわたって販売されることになった。
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