RDBMSの機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 05:15 UTC 版)
「関係データベース管理システム」の記事における「RDBMSの機能」の解説
以下にRDBMSの主な機能を示す。 データベース言語 データベース言語は、DBMSに対してさまざまな指示を伝えるための言語である。概念的には、データ定義言語 (DDL)、データ操作言語 (DML)、データ制御言語 (DCL) の構成要素からなる。データ定義言語 (DDL) はデータベースの構造を定義する。データ操作言語 (DML) はデータベースに対する検索や更新などの操作を行う。データ制御言語 (DCL) はデータに対するアクセス制御を行う。RDBMSでは、関係モデルに基づいたデータベース言語を備えている。RDBMSのデータ操作言語は、関係モデルの関係代数と関係論理に基づいている。RDBMSとされるシステムの多くは、データベース言語SQLを備えている。 物理的データ独立性 データベースを格納する記憶装置を変更する際、それに伴ってRDBMSにアクセスする方法を変更する必要はない。RDBMSにアクセスする利用者やアプリケーションソフトウェアに対して、RDBMSは記憶装置の変更を隠蔽することができる。 論理的データ独立性 RDBMSでは導出関係 (ビュー) により論理的データ独立性を支援する。導出関係とは、関係代数もしくは関係論理の式に名前を付けたものである。導出関係は関係の一種であり、ビューとも呼ばれる。なおこれに対しSQL CREATE TABLE文で定義するような基本的な関係(テーブル)を基底関係という。また導出関係を使うことで、複雑な検索や更新などのデータ操作を簡略化して記述することができる。 データ完全性 データ完全性は、不正なデータが登録されることや、不正なデータに更新されることを防ぐことをいう。RDBMSでは、定義域・データ型・一意性制約 (ユニーク制約)・参照整合性制約・一般制約(CHECK制約)・トリガなどの機能を備えている。 トランザクション処理 ACID特性に基づいたトランザクション処理を行う。複数のユーザが同時に同一のデータを参照・更新した場合でも、矛盾なく正常に処理をこなす。 セキュリティ ほとんどのRDBMSではセキュリティ(機密保護)に関して任意アクセス制御もしくは強制アクセス制御を提供し、さらに一部のRDBMSではデータの暗号化機能も提供する。多くのRDBMSでは任意アクセス制御を採用している(SQLでは任意アクセス制御のみを規定している)。SQLの任意アクセス制御においては、GRANT文により、利用者 (認証識別子) を指定して、その利用者がアクセスできるオブジェクト(関係など)、およびアクセスの種類(検索、更新など)を定義する。データ暗号化機能では、RDBMSを迂回した不正なデータアクセスに対する対策として、RDBMSで管理・送受信するデータを暗号化する。 復旧 トランザクション障害、システム障害、記憶媒体の障害からの復旧を行う。 最適化 データ操作言語 (DML) による、高水準な関係代数や関係論理で記述されたデータ処理要求を、低水準な手続きに最適化(クエリ最適化)して実行する。 分散データベース 分散データベースは、ネットワークで接続された複数のコンピュータを使い、それぞれのコンピュータ上でDBMSのプロセスを協調させて動かし、全体として仮想的に一つのDBMSを実現する技術である。複数のコンピュータを使うため、可用性や処理性能を向上させることができる。クライアント・サーバのデータベースは、分散データベースの簡単で特殊な形態と位置づけることができる。 いくつかのRDBMSでは、オブジェクト指向の機能拡張を行っている。このようなRDBMSは、オブジェクト関係データベース管理システム (ORDBMS) と呼ばれる。
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