RDBMSの用語の現在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 05:15 UTC 版)
「関係データベース管理システム」の記事における「RDBMSの用語の現在」の解説
どのような データベース管理システム (DBMS) が、「リレーショナル」DBMSといえるのか(もしくはいえないのか)については、議論の対象となっている。データベースに携わる人の多くに受け入れられたRDBMSの定義は、まだできていない。 一部では、複数の行と複数の列からなる表の構造としてデータを扱うことができさえすれば、関係モデルに厳密に準拠していなくとも、RDBMSとしての基準を満たすとしている。この見解においてRDBMSの基準を満たすとされるDBMSの多くは、コッドの12の規則のうちいくつかを満たす。しかし広く知られているDBMSのほとんどは、厳密に関係モデルに準拠しているわけではなく、コッドの12の規則の全てを満たすには至っていない。 別の見解では、コッドの12の規則の全てを満たすには至っていないDBMS(もしくはクリス・デイト、ヒュー・ダーウェンにより提唱された関係モデルの見解を満たすには至っていないDBMS)は、RDBMSとはいえないとしている。この見解は、データベースの理論家やコッドの考え方を支持する人に共有されている。主な論者は、エドガー・F・コッド、クリス・デイト、ヒュー・ダーウェンである。この見解によれば、DBMSの多くが「真にリレーショナル」とはいえないことになる。この見解をとるなら、SQLを使ってデータを参照・更新するDBMSの全てが、RDBMSとはいえない。こうした見解をもつ人は、コッドの12の規則の全てを満たしていないDBMSを、「疑似リレーショナルデータベースマネジメントシステム」(PRDBMS) と呼んでいる。この人々は、コッドの12の規則を全て満たすRDBMSを「真のリレーショナルデータベースマネジメントシステム」(TRDBMS) と呼ぶ。 現在は、RDBMSの選定を行う際は、コッドの12の規則の全てを満たすという要件は考慮されない。情報技術 (IT) を担う組織におけるデータ管理を担う人々にとってのTCO(総保有コスト)が、とても重視される。一部の人々は、このような現状は不幸であり皮肉であると考えている。なぜなら、コッドの12の規則の有用性を確信している人の見解では、この RDBMS としての基準を正確に満たすことにより、DBMSの信頼性と一貫性と生産性と処理性能を高めることができ、それゆえTCOの抑制に大きく役立つはずであった。RDBMSの基準を正確に満たすことによるこのような利点は、実際に、DBMSを真のRDBMSとしようと努めている人々にとって、とても大きな動機づけとなっている。 現在、RDBMSの実装のほとんどが、データベース言語としてSQLを採用している。しかしSQLに代替するデータベース言語(データベース言語仕様Dに基づいたTutorial Dなどのデータベース言語)が提唱され、実装が行われている。ただしSQLに代替するデータベース言語を採用し実装している商用のRDBMSは非常に少ない。
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