Prolineとは? わかりやすく解説

プロリン【proline】

読み方:ぷろりん

アミノ酸一つたんぱく質中に含まれ、特にゼラチン多く生体内ではグルタミン酸から生合成される。甘みのある無色柱状結晶アルドール反応有機触媒として利用される


D‐プロリン

分子式C5H9NO2
その他の名称(+)-プロリン、D-Proline、(+)-Proline、(+)-D-Proline、Pyrrolidine-2β-carboxylic acid(R)-2-Pyrrolidinecarboxylic acid(R)-2β-Pyrrolidinecarboxylic acid
体系名:(R)-2-ピロリジンカルボン酸、(R)-2β-ピロリジンカルボン酸、(+)-D-プロリン、D-プロリン、ピロリジン-2β-カルボン酸


プロリン

分子式C5H9NO2
その他の名称L-Proline、(-)-L-Proline、(-)-Proline、(S)-2α-Pyrrolidinecarboxylic acid、(2S)-2-Pyrrolidinecarboxylic acid、Pyrrolidine-2α-carboxylic acid、(S)-Proline、(2S)-Pyrrolidine-2α-carboxylic acid、Proline、(S)-2-Pyrrolidinecarboxylic acid、(S)-Pyrrolidine-2α-carboxylic acid、(2S)-Pyrrolidine-2-carboxylic acid、[S,(-)]-Proline
体系名:(2S)-ピロリジン-2-カルボン酸、(S)-ピロリジン-2α-カルボン酸、[S,(-)]-プロリン、L-Pro-OH、(S)-2-ピロリジンカルボン酸、プロリン、(S)-2α-ピロリジンカルボン酸、(-)-L-プロリン、(-)-プロリン、L-プロリン、(2S)-2-ピロリジンカルボン酸、ピロリジン-2α-カルボン酸、(S)-プロリン、(2S)-ピロリジン-2α-カルボン酸


プロリン

英訳・(英)同義/類義語:proline, Pro, P , Pro, proline

タンパク質を構成するアミノ酸一つで、側鎖部分に5員環のピロリジン環を持つ。略号Pro, P

プロリン

(Proline から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/14 10:04 UTC 版)

プロリン

プロリンの双性イオン
識別情報
CAS登録番号 609-36-9 , 344-25-2 (2R)-カルボン酸 , 147-85-3 (2S)-カルボン酸 
PubChem 6148988 (2R)-カルボン酸145742 (2S)-カルボン酸
ChemSpider 594 
8640 (2R)-カルボン酸 
128566 (2S)-カルボン酸 
UNII DCS9E77JPQ 
EC番号 210-189-3
DrugBank DB02853
KEGG C16435 
MeSH Proline
ChEBI
ChEMBL CHEMBL72275 
RTECS番号 TW3584000
バイルシュタイン 80812
Gmelin参照 26927
特性
化学式 C5H9NO2
モル質量 115.13 g mol−1
精密質量 115.063328537 g mol-1
外観 透明な結晶
融点

205-228 °C, 478-501 K, 401-442 °F (分解)

log POW -0.06
酸解離定数 pKa 2.351
危険性
Sフレーズ S22, S24/25
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

プロリン: proline)はα-アミノ酸の一つ、ピロリジン-2-カルボン酸のこと。略号はProまたはP。タンパク質を構成するアミノ酸は一級アミンであるが、プロリンは唯一例外で二級アミノ酸(かつてはイミノ酸とも呼ばれた)である。この化学的な特性から、ペプチド鎖の二次構造に重要な意義を有する。糖原性を持ち、表皮細胞増殖促進活性、コラーゲン合成促進活性、角質層保湿作用などの生理活性を示す。コラーゲン中にヒドロキシプロリンとして豊富に含まれる。一度破壊されたコラーゲンを修復する力をもつアミノ酸。体の結合組織、心筋の合成時の主な材料でもある。最近では、アルドール反応の安全かつ効果的な触媒として注目されつつある。コドンはCCU,CCC,CCA及びCCG。

生合成

生体内では、主に肝臓と小腸で行われるが、それぞれ合成経路が少し異なる。肝臓では、尿素回路の中間体であるオルニチンより、オルニチン-オキソ酸アミノトランスフェラーゼ (EC 2.6.1.13) とピロリン-5-カルボン酸レダクターゼ (EC 1.5.1.2) の作用により合成される。ただし、両酵素の間に、非酵素的に進む側鎖の閉環反応が含まれている。

EC 2.6.1.13 L-ornithine + a 2-oxo acid = L-glutamate 5-semialdehyde + an L-amino acid
非酵素的 L-glutamate 5-semialdehyde = 1-pyrroline-5-carboxylate + H2O
EC 1.5.1.2 1-pyrroline-5-carboxylate + NAD(P)H + H+ = L-proline + NAD(P)+
  • a 2-oxo acid 一分子の2-オキソ酸。ここでは2-オキソグルタル酸になる。
  • an L-amino acid 一分子のL-アミノ酸。ここではグルタミン酸になる。

小腸では、グルタミンまたはグルタミン酸からオルニチンが合成され、以降は肝臓と同じ経路による。

有機分子触媒として

2000年、アルドール反応触媒する酵素アルドラーゼの研究を進めていたリスト、バルバス、ラーナーらは、大きなタンパク質ではなくプロリン自身が高収率・高エナンチオ選択的なアルドール反応を触媒することを見出した[2]。プロリンの二級アミン部分がカルボニル化合物とエナミンを形成し、これがもう一分子のカルボニル化合物と反応することでアルドール反応を進行させると考えられている。

その後アルドール反応以外にもマイケル反応マンニッヒ反応などにもプロリン触媒が適用できることが分かり、大いに研究が進展した。金属を持たない触媒(有機分子触媒)として近年大いに注目されている分野である。

出典

  1. ^ https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/614
  2. ^ List, Benjamin, Richard A. Lerner, and Carlos F. Barbas. (2000). “Proline-catalyzed direct asymmetric aldol reactions”. Journal of the American Chemical Society 122 (10): 2395-2396. doi:10.1021/ja994280y. 

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