P-HT/HU23、HT/HU27系
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「日野・ブルーリボン」の記事における「P-HT/HU23、HT/HU27系」の解説
ブルーリボン ツーステップP-HT235BA新常磐交通 1985年、ブルーリボン観光型の後期型(P-RU60/63B系)へのモデルチェンジと同時に、RT/RU22系とHT/HU22系を統合する形で発売。日野車体製の純正ボディはリアスタイルの変更が行われ、角張った形状から丸みを帯びた形状となった。 このシリーズではエンジンが2種類設定された。P-HT/HU23系は、RT/RU系のEM100型をボアアップし水平式に改良したM10U型エンジン9.9L (230ps) を搭載。P-HT/HU27系はRC7系のEK200型エンジン13.3L (270ps) の高出力エンジンを搭載した。 ホイールベースは、短尺(4.8m、型式末尾が3)・標準尺(5.2m、末尾が5)・長尺(5.67m、末尾が6)の3種類が用意された(当初は高出力の短尺車と低出力のHU長尺車の設定はなかった)。サスペンションはHT(リーフサス)・HU(エアサス)の2種類、路線用は床の高さがツーステップ標準床と低床車(一般低床・都市型低床)の3種類が設定されていた。 またこのシリーズでは、同年に発売された2階建てバスのグランビュー (RY) で初採用されたフィンガーシフト「FFシフト」が設定され、電気と空気圧を使用した軽いシフトチェンジ操作で運転者の負担軽減を図った。特にシフトチェンジ時のエアー音がその後の日野製バスの特徴ともなった。 さらなるイージードライブ化を目指し、世界初となる電子機械式オートマチック「EEドライブ」を1986年に追加。これはトルクコンバーター式のオートマチックとは異なり、マニュアルシフトをベースにシフトチェンジを自動化したセミオートマチックトランスミッションで、高トルク仕様のみの設定であった。 「EEドライブ」搭載車は、日野車の大口ユーザーであった近畿日本鉄道を皮切りに、機械式AT車を積極採用した京王帝都電鉄や関東バス、公営事業者の東京都交通局、横浜市交通局、大阪市交通局などに投入された。実際には発進時・変速時のショックや運転者の意図するシフトチェンジが行われないなどの欠点も多く、上記の事業者を除けば京都バス、奈良交通、西日本鉄道、京都市交通局、神戸市交通局、仙台市交通局などで少数の採用にとどまる程度で普及はしなかった。また採用事業者でも通常はHOLD段に入れておいて手動でシフトチェンジを行うことが一般化し、経年変化による乗り心地の悪化を招いたほか、手動シフトチェンジを行うために燃費のばらつきもあった。整備面でもギアチェンジを行うアクチュエーター関連の故障が多かったとされる。 なお、KC-HT/HU2M系にもEEドライブ搭載車が存在するが、こちらは横浜市営および大阪市営に数台が在籍しているのみだと思われる。1998年のKC-HT/HU2M系のマイナーチェンジ時に、EEドライブの設定は抹消された。 「セミオートマチックトランスミッション#バス」も参照 広島電鉄P-HU273BAトップドア仕様、RU6B系に準じたボディを架装したもの 都営バスP-HU233BA前扉グライドスライドドア、逆T字窓 関東鉄道P-HT235BA 東武バスP-HT235BA3扉仕様、中扉引戸・後扉折戸 阿寒バスP-HU276BA 阿寒バスP-HU276BAの運転席 宗谷バスP-HT276BA3扉仕様、中扉4枚折戸・後扉折戸 札幌市交通局P-HU236BA 琉球バス交通P-HT235BAトップドア仕様、富士重工架装車 (5E) 熊本バスP-HT233BA西工架装車 (58MC) 西日本鉄道P-HU235BA西工架装車 (58MC)
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