disposition
「disposition」とは、気質や傾向のことを意味する表現である。
「disposition」とは・「disposition」の意味
「disposition」という単語は、英語で「性格」や「傾向」を意味する。例えば、a girl with a pleasant disposition は「気持ちの良い性格の女の子」という意味になる。また、「処分」や「配置」などの意味もある。例としては、the disposition of chairs は「いすの配置」を意味する。さらに、「disposition」という単語は、医療やビジネスの分野でも使われる。医療の分野では、「disposition」は患者の処置を意味する。例えば、救急外来で患者が帰宅するか入院するかを決めることを「disposition」と言う。ビジネスの分野では、「disposition」は財産や資産の処分や譲渡を意味し、契約書で会社が株式や特許などを売却することに用いられる。加えて、「disposition」はドイツ語の単語でもあり、「計画」や「素質」を意味する。
「disposition」の語源・由来
「disposition」は、ラテン語の「disponere」に由来している。これは、「dis-」(離れて)と「ponere」(置く)という二つの単語から成り立っており、元々は、「順序をつける、配置する、分配する」という意味だった。この語は、古代ローマ時代には、軍隊の配置や組織、あるいは物資の配給や整理に関連する意味で用いられた。その後、論理的な思考や文章構成の手順を指す学術用語としても用いられるようになる。ラテン語が発展した中世フランス語においては、「配置、秩序、管理、気分、心の状態」という意味になった。英語にこの単語が入ったのは14世紀後半のことで、「順序づけ、管理、傾向、適性」という意味に変化した。「disposition」の覚え方
「disposition」という単語を覚えるには、音や意味に着目することが重要である。「dis-」は「ディス-」、「position」は「ポジション」と読むことができる。そして、意味を理解するためには、まず「配置、配列」というラテン語の語源を覚えるのがよいだろう。次に、その意味が転じて「性格傾向、傾向、態度」という意味になっていることを把握すると良い。「disposition」の類語
「disposition」という単語には、いくつかの意味がある。一般的な意味は、「気質」や「傾向」である。他の意味としては、「処分」や「配置」などがある。したがって、「disposition」の類語としては、以下のような単語が挙げられる。気質: temperament, nature, character, constitution, make-up
傾向: inclination, tendency, proneness, propensity, proclivity
処分: disposal, transfer, conveyance
配置: arrangement, ordering, positioning
これらの類語にも、それぞれ微妙なニュアンスの違いがある。例えば、「temperament」と「nature」はどちらも気質を表すが、「temperament」は感情的な反応や態度に重点を置き、「nature」は本質的な性格や個性に重点を置いている。
「disposition」を含む英熟語・英語表現
「no disposition」とは
「no disposition」という英語表現は、主に「気分ではない」や「傾向がない」という意味で使われる。例えば、「I have no disposition to argue with you.」は、「あなたと議論する気分ではありません。」という意味である。また、「He has no disposition for violence.」は、「彼には暴力的な傾向がありません。」という意味となっている。「no disposition」という表現は、否定的なニュアンスを持つ。
また、相手の感情や態度を尊重する場合は、「not in a disposition」という表現を使うこともできる。例えば、「She is not in a disposition to talk right now.」は、「彼女は今話す気分ではありません。」という意味である。
「disposition」の使い方・例文
「disposition」は、主に名詞として使われ、意味や用法によって、前置詞や目的語が異なる。気質や性格を表す場合は、「a disposition」や「the disposition」の形で使われる。前置詞としては、「of」や「toward」がよく用いられる。例えば、「He has a kind disposition.」(彼は優しい気質を持っている)や、「She has a friendly disposition toward animals.」(彼女は動物に対して友好的な性格を持っている)というように使われる。
傾向や感情を表す場合は、「a disposition to do something」や「a disposition for something」の形が見られる。例えば、「He has a strong disposition to help others.」(彼は他人を助ける強い傾向がある)や、「She has no disposition for sports.」(彼女はスポーツに対する感情がない)といった例が挙げられる。
処分や配置を表す場合は、「the disposition of something」の形で使われる。例えば、「The court will decide the disposition of his property.」(裁判所が彼の財産の処分を決める)や、「The general planned the disposition of his troops.」(将軍は自分の部隊の配置を計画した)というように用いられる。
以上が「disposition」という単語の基本的な使い方である。また、「disposition」を用いた例文には、以下のようなものが挙げられる。
・He has a cheerful disposition and always makes people laugh. (彼は陽気な気質を持っていて、いつも人を笑わせる。)
・She showed a strong disposition to learn new things. (彼女は新しいことを学ぶ強い傾向を示した。)
・The police are in charge of the disposition of the stolen goods. (警察が盗品の処分を担当している。)
・The disposition of the troops was carefully planned. (兵士たちの配置は慎重に計画された。)
傾向性
傾向性(英:disposition、傾性と訳される場合もある)は、物や人間がある条件下におかれたときに示す性質、あるいは振る舞いのパターンのことである[1]。例えば、金属の展性は打撃が与えられることであらわれるという意味で、一種の傾向性である。
機械のスイッチをオンにすると一定の動きをするという意味で機械の働きも傾向性といえるが、機械のように物理的なメカニズムが複雑である場合には、その働きはむしろ機能と呼ばれる。
G.ライルが『心の概念』において、人間の心的性質を行動主義的に説明する際に用いた概念である[2]。
脚注
参考文献
- 金杉武司(2007)『心の哲学入門』勁草書房
- 信原幸弘編(2017)『ワードマップ心の哲学 新時代の心の科学をめぐる哲学の問い』新曜社
- 服部裕幸「傾向性」、廣松渉・子安宣邦・三島憲一・宮本久雄・佐々木力・野家啓一・末木文美士編(1998)『岩波哲学・思想事典』岩波書店、pp. 404-405
- Ryle, G.(1949)The concept of mind. Hutchison.(邦訳:G.ライル/坂本百大・宮下治子・服部裕幸訳(1987)『心の概念』みすず書房)
外部リンク
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