DSMにおける立場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/20 16:51 UTC 版)
「ロバート・スピッツァー (精神科医)」の記事における「DSMにおける立場」の解説
スピッツァーは、1980年に発刊されたアメリカ精神医学会による『精神障害の診断と統計のマニュアル』第3版(DSM-III)の特別委員会の委員長であった。スピッツァーは、明確な診断基準と共に各々の精神障害を分類するという、精神障害の近代的な分類の重要な設計者であったが、マニュアルの後の改定版において、彼は誤りと過剰とみなして批判した;しかし、スピッツァーは他の代替物よりもまだ良いという見解を維持している。[要出典] スピッツァーは、2007年の英国放送協会(BBC)の番組シリーズ「罠」(The Trap)にて手短に取り上げられ彼の主張は、DSMを、症状が生じている文脈に少し注意を払うと同時に、精神障害の定義を操作可能化したことによって、数多くの人々の、人間としての正常な体験を医療化した可能性がある。 スピッツァーは、2003年にDSM-IVの編集者のマイケル・ファースト(英語版)と共に方針説明を共同執筆し、「DSMは一般的に臨床上、役に立つとみなされている」と述べた。方針説明は、専門家による実践と、医学生と研修医からの意見による調査のようなデータの観察に基づいていた。プライマリ・ケアの精神科医が、DSMは使うためには複雑すぎると見ていることを付け加えている。DSMが完璧には程遠いと認めたが、中止するという要求は却下した。著者らは強調し、その当時の精神医学的障害の理解としての限界から、DSMコード/診断の多数が一部の患者に適用される可能性が確かにあるが、患者に単一の診断をあてがうための「総計的な憶測」であるだろうと、述べた。著者らはまた、特定の疾患の基準の品質が悪いことが分かっていることを認めたが、このことは、なぜマニュアルが手動で定期的な改訂を受けなければならないかの理由のひとつであると論じた。さらに、著者らは、ICD-9を採用せよという要求を却下する理由として、診断基準がないため精神医学が30年前に戻るだろうとし、さらにICD-10はDSM-III-Rの分類によく似ていると述べた。 2013年、スピッツァーの決定的な自伝、『DSM-III®の製作:診断マニュアルによるアメリカの精神医学の征服』(日本語未訳:The Making of DSM-III®: A Diagnostic Manual's Conquest of American Psychiatry)は、歴史家のハンナ・S.デッカー(Hannah S. Decker)によって出版された。 スピッツァーは、透明性を欠いたDSM-5の改定作業を批判していた。彼はまた、精神病性障害(psychotic disorders)における軽度の症状を有する人々に対する精神病リスク症候群(psychosis risk syndrome)の導入の案のような、特定の提案を批判した。
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