ALBドクトリンの創案とは? わかりやすく解説

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ALBドクトリンの創案

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 15:13 UTC 版)

エアランド・バトル」の記事における「ALBドクトリンの創案」の解説

陸軍機甲学校長であったスターリー将軍英語版)は、デピュイ大将腹心として1976年版FM100-5の起草大きく関与した後、西ドイツ駐留する第5軍団軍団長として赴任したが、同地で更に戦史研鑽洞察深めるとともに想定戦場視察しドイツ陸軍将校とも議論重ねた1977年7月スターリー大将はデピュイ大将後任としてTRADOC司令官着任したが、これらの洞察踏まえて第一会戦防御一帯注目した1976年版FM100-5の視点視野狭窄であった見做す至っていた。そして創案されたのが、防御線の向こう側敵側)に広がる空間と時間着目し、敵の後方地域から防御一帯までの地域と、敵が防御線に到着するまでの時間とを活用して機動戦展開するという構想であり、当初は「セントラル・バトル」と称されていた。 このような縦深攻撃実現するには、地上火力のみでなく空軍力にも託さざるを得ない考えられ1979年10月スターリー大将のほか陸・空軍の両参謀長戦術航空軍団TAC司令官参画して、陸・空軍連携による敵後続部隊阻止に関する検討着手された。またこれと並行して砲兵学校Artillery School)では陸軍部隊火力による敵後続部隊阻止についての研究進めており、12月にはその成果を「結合戦場」(Integrated Battlefieldコンセプトとして発表した。この構想には防御線の向こう側地域での戦い防御一帯での戦い関連づけること、そして防御線の向こう側地域で敵の後続部隊阻止する戦い重要性を一層強調したこととい2つ特徴があり、特に後者ADに対して提起された「第一隊を撃破しても第二隊の突進許せば敗退につながる」という懸念への解答であった。 これと並行して将来軍団レベルでの戦い方検討する軍団86」(Corps 86研究進められていたが、スターリー大将これから着想得て1980年10月、さらに積極的に敵の後続部隊阻止する拡大戦場」(Extended Battlefield)の概念をまとめ上げた。まもなくこのコンセプトエアランド・バトルALB)と称されるようになり、1981年3月スターリー大将ALB概念と「軍団86研究綴じ合わせたTRADOCパンフレット(TRADOC Pamphlet 525-5: U.S. Army Operational Concepts The AirLand Battle and Corps 86)を刊行した。 これらの新し戦い方では、戦場が、空間的に時間的に拡大したものとして認識することが重視された。明確な防御線は形成されず、防御線の向こう側地域における戦い防御一帯における戦いは、同一戦いの中の二つ構成要素分類されそれぞれ防衛線の敵側奥深くでの会戦」(Deep Battle)及び「至近距離会戦」(Close-in Battle)と名付けられた。これらそれぞれの戦い効果総合することによって、戦い全体としてまとまり持たせるというものであり、積極的な攻撃によって敵を混乱させ、戦い早い段階から主導権獲得する戦い方であった。そして1982年には、これらの成果盛り込んで改訂されたFM100-5が出版され米陸軍ドクトリン新たな基礎となったこのように拡大した戦場においては陸軍自身縦深攻撃能力だけでは不十分であり、これを補うため、空軍が行対地攻撃中に戦場航空阻止」(BAI)の区分新たに追加された。1983年には陸・空の参謀長ALBドクトリンに関する統合指揮強化に関する公式覚書調印し両軍種は協力関係拡大した。 またこのように拡大した戦場において、戦い全体としてまとまり持たせるため、持続的な複数作戦によって発生する戦役」と、これらを指導するための「作戦術」という概念導入されており、1986年のFM100-5の改訂でこれらは再定義・体化された。

※この「ALBドクトリンの創案」の解説は、「エアランド・バトル」の解説の一部です。
「ALBドクトリンの創案」を含む「エアランド・バトル」の記事については、「エアランド・バトル」の概要を参照ください。

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