9050系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 05:38 UTC 版)
1994年12月7日の有楽町線新線(現副都心線)の開業に伴う輸送力増強のため、9000系をマイナーチェンジした車両として10両編成2本 (9151F・9152F) が製造された。本系列は「明るい」・「都会感覚」をコンセプトにした。 9108Fや10030系と同様に外板はビードプレス加工でロイヤルマルーンの帯を巻いており正面形状にも変化はないが、前面窓枠内を黒色基調としたほか行先表示器は字幕式からLED式となった。また、屋上では通風器を廃止した。側窓についてはユニット式1段下降窓構造だが、9000系のシュリーレン方式からスパイラルバランサ方式として、保守性の向上が図られている。 本系列では制御装置が日比谷線直通用の20050系と同型の東洋電機製造製のGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御とされた。なお、VVVFインバータ装置と主電動機は20050系と同一品を使用しており、機器の共通化による予備品低減が図られている。 補助電源装置は機器の小形化と低騒音化(GTO素子に比較してスイッチング周波数が高いため)を図れるIGBT素子を使用したSIVに変更した。空気圧縮機は電動機を直流電動機から三相誘導電動機を使用したSIM-HS-20-1形を使用し、小形化やメンテナンス性の向上を図れるものとした。台車はボルスタレス台車(SS-141・SS-041形、東武形式TRS-94M形・TRS-94T形)に変更された。 内装カラーは白色の化粧板を基本とし、床敷物は中央通路部にマーブル調の茶色を、座席前は茶色単色としてフットラインを明確にした。座席モケットは茶色系の区分柄入りで、1人分の座席掛け幅は450 mmを踏襲している。この白色内板に床敷物と座席モケットに茶色を配色することで、明るくソフトな室内空間とした。なお、優先席部の座席モケットはシルバー色として一般席と差別化を図っている。 編成中の2か所には車椅子スペースを設置しており、この場所には非常時に乗務員と相互通話が可能な通話式非常通報装置を配置している(同スペース以外は警報式非常通報装置のまま)。床面高さは9000系の1,175 mmから1,150 mmに下げられたため、天井高さを25 mm高くしている。また、側出入口部は30 mm高くした1,830 mmとしている。荷棚は金網式からパイプ式に変更、連結面の貫通扉は下方まで拡大された大形窓のものとした。 サービス機器では自動放送装置(新製時は東上線男声、営団線女声)と乗降促進ブザーが採用され、側面には車外案内放送用スピーカーを設置した。製造時には各ドア上部に9インチ液晶モニター式の車内案内表示器とドアチャイムを装備した。ただし、1999年に2編成とも輝度低下やバックライトが劣化し、維持費がかかるため撤去され広告枠となった。その後、2008年の副都心線対応改造工事の際、3色LED横スクロール式車内案内表示器が千鳥状に再度設置されている。
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