8cmCDシングルの発売
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 22:47 UTC 版)
「シングル」の記事における「8cmCDシングルの発売」の解説
「8センチCD」も参照 この結果、シングルとして適当なサイズのCDが希求され、1988年2月21日に収録時間が20分程度と手頃な8cmサイズのCDシングルが初めて発売され、その年の6月には早くもCDシングルがアナログ・シングルの販売を上回り、1990年代の最初期にはCDシングルだけでの発売となる程急速に普及された。 CDシングルへの完全移行直前になると、アナログ・シングルがプロモーション用の非売品しか制作されなかった例もあった。 8cmというサイズは、CDV規格で音楽トラックを収録する部分の直径を踏襲している。8cmのCDシングルのジャケットが縦長になっているのは、当時、レコード店のシングル盤陳列棚に2列ずつ入り、なおかつ手に取り易い大きさにするためであった(レコードのシングル盤の直径は17cm)。また、正方形サイズでは手の平に収まるサイズとなり小さすぎて、万引きされやすいという懸念もあった。 この縦長のシングルジャケットは日本独特のものである。基本的にはデジパックの様に紙ジャケットにプラスチック製のトレイを貼り付ける構造だった。登場初期には「さらにコンパクトに」と題して、持ち運びに便利なように、また、半分に折り畳んで収納しやすいよう、折り目がジャケットの真ん中に入れられていた。レコード会社によっては切り取りやすいようにミシン線入りのジャケットもあった。さらにCBS・ソニーグループが発売したCDミニアルバム用のトレイの切り離し部分に折り畳んだ歌詞カードを収納できる構造を取っていた。 1991年頃までのものは大方折り目が入っていたが、実際に半分に折り畳むと中古CD店では買い取り価格が大きく下がってしまい、歌詞カードを紛失したり印刷部を切り取ると買い取り不可能となること、折り畳む人がほとんどいなかったこと、そしてEP盤の完全なる生産終了によりジャケットのデザインを縦長・横長にするという問題もあり、後年は折り目がなくなった。この頃から表裏ともジャケット、中面に歌詞が記載されるようになった。演歌ではシングル・カセットと共通の楽譜付き歌詞カードが封入されることも多かった。その他にも、キューン・ソニーの1990年代前半に発売された一部のシングルCDには8cmCDを2枚収納できるトレイが採用されたものもあり、もう1枚のスペースには「Ki/oon SONY MUSIC CATALOG」と称した8cmCDが同梱されていた。 「8cmのCDシングルは日本にしかない」と言われることがあるが、世界初の8cmCDシングルはフランク・ザッパの「Peaches en Regalia」のアメリカ盤とされており、少なくとも1989年頃には、アメリカでも8cmのCDシングルが一般に売られていた。また、ビートルズのシングルも最初のCD化は8cmサイズだった。ただ、欧米では日本ほど8cmのCDシングルが普及しなかったのは事実であり、1990年代以降はほとんどのシングルが12cmとなった。 シングル・レコードでいうA面/B面だけの収録ではまだ余裕があるため、カラオケブームを反映、1991年頃からボーカル(声)なしのオリジナル・カラオケも収録されることが多くなった。 1980年代後半においては、過去のシングル・レコードを8cmCDシングルとしたものをまとめて同時に再発売することがみられた。 1988年 - サザンオールスターズ、中島みゆき 1989年 - 浜田省吾、松任谷由実、竹内まりや、TM NETWORK
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