2004年 - 快速急行・区間準急が登場
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「小田急電鉄のダイヤ改正」の記事における「2004年 - 快速急行・区間準急が登場」の解説
2004年12月11日に実施されたダイヤ改正で最大のトピックスは、小田原線梅ヶ丘駅 – 喜多見駅間の複々線化完成である。複々線化以前、各駅停車が優等列車を待避できる駅は経堂駅・成城学園前駅のみで、この区間で優等列車が追い越し可能な各駅停車の本数も2本が限界であった。1997年に一部区間が複々線化されてからもさほど変化はなかったが、本改正ではまとまった区間の複々線化が行なわれたことにより緩急分離運転を実現し、優等列車が各駅停車の運転に縛られることなくダイヤ設定を行うことが可能になった。これにより、特にラッシュ時の優等列車については大幅なスピードアップが図られた。 この複々線化を機に、小田原線下北沢駅 - 新百合ヶ丘駅間をノンストップで走行する快速急行の運転を開始した。新宿駅 - 小田原駅・藤沢駅(一往復のみ片瀬江ノ島駅)間での運転で、湘南急行は快速急行に発展的解消することになった。また、同時に増発も実施された結果、江ノ島線方面の速達列車が多くなったことから、「えのしま号」は減便されることになった。 特急ロマンスカーでは列車名の変更が行なわれ、従来の「はこね号」および「サポート号」を整理し、箱根登山鉄道直通特急を「はこね号」、小田原線内発着特急を「さがみ号」に統一した。「さがみ号」の愛称が復活したことにより、1999年から使用されてきた「サポート号」の愛称は消滅することになった。また、本改正では平日ラッシュ時上りに通勤利用者向けの「さがみ号」の運行が開始されたが、平日朝7時台に新宿に到着する特急は本改正で初めて設定されたものである。 この他、平日の日中(10時 - 17時30分)と土休日ダイヤにおいて、急行が経堂駅にも停車するようになった。また、新種別として区間準急の運行が開始された。停車駅は新宿駅・代々木上原駅・下北沢駅と梅ヶ丘駅以西の各駅で、東北沢駅での工事により同駅での優等列車待避が出来なくなったため、この区間に限って優等列車と同様の速達性を持たせる目的である。 その他の改正内容は以下の通り。 新宿駅 - 新松田駅・藤沢駅・片瀬江ノ島駅間における、10両編成で運転される急行の増強。 複々線化工事に伴う各駅停車の東北沢駅での通過待ちの廃止。 唐木田駅発着、千代田線直通多摩急行の夜間における増発(平日10本、土休日6本)と朝ラッシュ時における唐木田駅発千代田線急行の増便(1本)。これに伴って千代田線車両(6000系・06系)の外泊運用が4運用に増え、小田急車両(1000形)が東京メトロの綾瀬車両基地で夜間留置となる運用も登場。 多摩線内発着急行の平日朝ラッシュ時における新設(上り2本・下り1本)。 準急の箱根湯本乗り入れの再開。 はるひ野駅の開業(多摩線 黒川駅 - 小田急永山駅間)。 また、本改正の前日12月10日をもって、初代4000形は運用終了となった。 2006年3月18日改正では、主に箱根登山線小田原駅 - 箱根湯本駅間におけるダイヤ改正が実施された。それ以外のダイヤについては軽微な変更にとどまっている。それまで日中の列車については全列車が小田急の車両での運行となっていたが、本改正後、同区間において朝夕に残っていた箱根登山鉄道の車両による旅客列車をすべて小田急の車両に置き換えた。本改正後、小田原駅 - 入生田駅間の三線軌条は順次撤去されている。その一方、箱根登山鉄道の車両出入庫のため、入生田駅 - 箱根湯本駅間の三線軌条はこれ以後も維持されている。なお、本改正前の同区間は小田急の車両は小田急の乗務員が、箱根登山鉄道の車両は箱根登山鉄道の乗務員がそれぞれ担当していたが、本改正後は箱根登山鉄道の乗務員も小田急の車両を担当するようになった(早朝・夜間の一部列車のみ)。
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