1950年モナコグランプリとは? わかりやすく解説

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1950年モナコグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/27 08:13 UTC 版)

座標: 北緯43度44分4.74秒 東経7度25分16.8秒 / 北緯43.7346500度 東経7.421333度 / 43.7346500; 7.421333

 1950年モナコグランプリ
レース詳細
日程 1950年シーズン第2戦
決勝開催日 5月21日
開催地 モンテカルロ市街地コース
モナコ
コース長 3.181km
レース距離 100周(318.1km)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:50.2
ファステストラップ
ドライバー ファン・マヌエル・ファンジオ
タイム 1:51.0
決勝順位
優勝
2位
3位

1950年モナコグランプリ (XI Grand Prix Automobile de Monaco) は、1950年のF1世界選手権第2戦として、1950年5月21日モンテカルロ市街地コースで開催された。レースはポールポジションからスタートしたアルファロメオファン・マヌエル・ファンジオが優勝し、フェラーリアルベルト・アスカリが2位、マセラティルイ・シロンが3位となった。

レース概要

木曜日と土曜日の予選セッションの後に、シャルル・ポジー、イブ・ジロー・カバントゥ、ピエール・ルヴェー、クレメント・ビオンデッティはスタートしなかった。スターティング・グリッドは3台と2台の交互の列から形成され、最前列3台から始まり8列目は2台となった。前2列、1番手から5番手まで木曜予選セッションの速いドライバーが並び、残る16のグリッドは土曜のセッションの順となった。このため、ルイジ・ヴィッロレージは2番手タイムを出したにもかかわらず、6位スタートすることとなった。

プラクティスのアクシデントのため、実際にはアルフレッド・ピアンはスタートしなかった。もう1人のノンスターターはピーター・ホワイトヘッドであった。

1周目、タバココーナーは港からの波で水浸しになっており、2位走行中のジュゼッペ・ファリーナがスピン、クラッシュ。ファリーナに続くドライバーは混乱を避けなければならず、19台中8台以上が巻き込まれる多重クラッシュが発生した。ただし、負傷者は出なかった。この事故によってマシンを傷めていたフロイラン・ゴンザレスはファンジオに続いて2位を走行していたが、2周目にクラッシュ、炎上。ゴンザレスはやけどを負った。事故によって後退したフェラーリのルイジ・ヴィッロレージは、追撃するもリタイアに終わる。結局レースは始めから終わりまでアルファロメオを駆るファン・マヌエル・ファンジオが支配し、世界選手権における初勝利を挙げた。

因みにハリー・シェルの駆ったクーパーは、F1選手権において最初のリアエンジン車である。

エントリーリスト

No ドライバー チーム コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
2 フロイラン・ゴンザレス スクーデリア・アキッレ・バルツィ マセラティ マセラティ・4CLT-48 マセラティ 4 CL 1.5 L4s P
4 アルフレッド・ピアン マセラティ マセラティ・4CLT-50 マセラティ 4 CL 1.5 L4s P
6 ジョニー・クレエ エキュリー・ベルゲ タルボ・ラーゴ タルボ・ラーゴ・T26C タルボ 23CV 4.5 L6 D
8 ハリー・シェル ホーシェル・レーシング・コーポレーション クーパー クーパー・T12 JAP 1.1 V2 D
10 ロベール・マンヅォン エキップ・ゴルディーニ シムカ・ゴルディーニ シムカ・ゴルディーニ・T15 シムカ・ゴルディーニ 15C 1.5 L4s E
12 モーリス・トランティニアン シムカ・ゴルディーニ シムカ・ゴルディーニ・T15 シムカ・ゴルディーニ 15C 1.5 L4s E
14 フィリップ・エタンセラン フィリップ・エタンセラン タルボ・ラーゴ タルボ・ラーゴ・T26C タルボ 23CV 4.5 L6 D
16 ルイ・ロジェ エキュリー・ロジェ タルボ・ラーゴ タルボ・ラーゴ・T26C タルボ 23CV 4.5 L6 D
18 シャルル・ポジー タルボ・ラーゴ タルボ・ラーゴ・T26C タルボ 23CV 4.5 L6 D
20 イブ・ジロー・カバントゥ オートモビルズ・タルボ=ダラック タルボ・ラーゴ タルボ・ラーゴ・T26C タルボ 23CV 4.5 L6 D
22 ピエール・ルヴェー ピエール・ルヴェー タルボ・ラーゴ タルボ・ラーゴ・T26C タルボ 23CV 4.5 L6 D
24 カス・ハリソン カス・ハリソン ERA ERA B ERA 1.5 L6s D
26 ボブ・ジェラード ボブ・ジェラード ERA ERA A ERA 1.5 L6s D
28 ピーター・ホワイトヘッド ピーター・ホワイトヘッド フェラーリ フェラーリ・125 フェラーリ 125 F1 1.5 V12s D
32 ジュゼッペ・ファリーナ アルファロメオ SpA アルファロメオ アルファロメオ・158 アルファロメオ 159 LBC 1.5 L8s P
34 ファン・マヌエル・ファンジオ アルファロメオ アルファロメオ・158 アルファロメオ 159 LBC 1.5 L8s P
36 ルイジ・ファジオーリ アルファロメオ アルファロメオ・158 アルファロメオ 159 LBC 1.5 L8s P
38 ルイジ・ヴィッロレージ スクーデリア・フェラーリ フェラーリ フェラーリ・125 フェラーリ 125 F1 1.5 V12s P
40 アルベルト・アスカリ フェラーリ フェラーリ・125 フェラーリ 125 F1 1.5 V12s P
42 レイモンド・ソマー フェラーリ フェラーリ・125 フェラーリ 125 F1 1.5 V12s P
44 フランコ・ロル オフィシーネ・アルフィエリ・マセラティ マセラティ マセラティ・4CLT-48 マセラティ 4 CL 1.5 L4s P
46 クレメント・ビオンデッティ スクーデリア・ミラノ マセラティ マセラティ・4CLT-50 マセラティ 4 CL 1.5 L4s P
48 ルイ・シロン オフィシーネ・アルフィエリ・マセラティ マセラティ マセラティ・4CLT-48 マセラティ 4 CL 1.5 L4s P
50 プリンス・ビラ エンリコ・プラーテ マセラティ マセラティ・4CLT-48 マセラティ 4 CL 1.5 L4s P
52 トゥーロ・デ・グラッフェンリート マセラティ マセラティ・4CLT-48 マセラティ 4 CL 1.5 L4s P
54 アンドレ・シモン1 エキップ・ゴルディーニ シムカ・ゴルディーニ シムカ・ゴルディーニ・T15 シムカ・ゴルディーニ 15C 1.5 L4s E
Sources: [1][2]
^1 - イベント前にエントリーをキャンセルした[3]

予選

順位 No ドライバー チーム ラップタイム
1 34 ファン・マヌエル・ファンジオ アルファロメオ 1:50.2 -
2 32 ジュゼッペ・ファリーナ アルファロメオ 1:52.8 + 2.6
3 2 フロイラン・ゴンザレス マセラティ 1:53.7 + 3.5
4 14 フィリップ・エタンセラン タルボ・ラーゴ 1:54.1 + 3.9
5 36 ルイジ・ファジオーリ アルファロメオ 1:54.2 + 4.0
6 38 ルイジ・ヴィッロレージ フェラーリ 1:52.3 + 2.1
7 40 アルベルト・アスカリ フェラーリ 1:53.8 + 3.6
8 48 ルイ・シロン マセラティ 1:56.3 + 6.1
9 42 レイモンド・ソマー フェラーリ 1:56.6 + 6.4
10 16 ルイ・ロジェ タルボ・ラーゴ 1:57.7 + 7.5
11 10 ロベール・マンヅォン ゴルディーニ 2:00.4 + 10.2
12 52 トゥーロ・デ・グラッフェンリード マセラティ 2:00.7 + 10.5
13 12 モーリス・トランティニアン ゴルディーニ 2:01.4 + 11.2
14 24 カス・ハリソン ERA 2:01.6 + 11.4
15 50 プリンス・ビラ マセラティ 2:02.2 + 12.0
16 26 ボブ・ジェラード ERA 2:03.4 + 13.2
17 44 フランコ・ロル マセラティ 2:04.5 + 14.3
18 4 アルフレッド・ピアン マセラティ No time -
19 6 ジョニー・クレエ タルボ・ラーゴ 2:12.0 + 21.8
20 8 ハリー・シェル クーパー No time -
21 28 ピーター・ホワイトヘッド フェラーリ No time -

決勝

順位 No ドライバー チーム 周回 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 34 ファン・マヌエル・ファンジオ アルファロメオ 100 3:13:18.7 1 9
2 40 アルベルト・アスカリ フェラーリ 99 + 1 Lap 7 6
3 48 ルイ・シロン マセラティ 98 + 2 Laps 8 4
4 42 レイモンド・ソマー フェラーリ 97 + 3 Laps 9 3
5 50 プリンス・ビラ マセラティ 95 + 5 Laps 15 2
6 26 ボブ・ジェラード ERA 94 + 6 Laps 16  
7 6 ジョニー・クレエ タルボ・ラーゴ 94 + 6 Laps 19  
Ret 38 ルイジ・ヴィッロレージ フェラーリ 63 後輪車軸 6  
Ret 14 フィリップ・エタンセラン タルボ・ラーゴ 38 オイル漏れ 4  
Ret 2 フロイラン・ゴンザレス マセラティ 1 アクシデント 3  
Ret 32 ジュゼッペ・ファリーナ アルファロメオ 0 アクシデント 2  
Ret 36 ルイジ・ファジオーリ アルファロメオ 0 アクシデント 5  
Ret 16 ルイ・ロジェ タルボ・ラーゴ 0 アクシデント 10  
Ret 10 ロベール・マンヅォン ゴルディーニ 0 アクシデント 11  
Ret 52 トゥーロ・デ・グラッフェンリード マセラティ 0 アクシデント 12  
Ret 12 モーリス・トランティニアン ゴルディーニ 0 アクシデント 13  
Ret 24 カス・ハリソン ERA 0 アクシデント 14  
Ret 44 フランコ・ロル マセラティ 0 アクシデント 17  
Ret 8 ハリー・シェル クーパー 0 衝突 20  
DNS 28 ピーター・ホワイトヘッド フェラーリ エンジン 21  
DNS 4 アルフレッド・ピアン マセラティ プラクティスでのアクシデント 18  

*Ret:リタイア、DNS:出走せず

記録

第2戦終了時点でのランキング

順位 ドライバー ポイント
1 ジュゼッペ・ファリーナ 9
11 2 ファン・マヌエル・ファンジオ 9
1 3 ルイジ・ファジオーリ 6
18 4 アルベルト・アスカリ 6
8 5 ルイ・シロン 4
  • :トップ5のみ表示。ベスト4戦のみがカウントされる。

参照

  1. ^ 1950 Monaco Grand Prix - Race Entries”. manipef1.com. 2012年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月14日閲覧。
  2. ^ 1950 Monaco GP - Entry List”. chicanef1.com. 2013年11月14日閲覧。
  3. ^ Monaco 1950 - Result”. statsf1.com. 2013年11月14日閲覧。

Unless otherwise indicated, all race results are taken from The Official Formula 1 website”. 2007年6月5日閲覧。 Further information taken from silhouet.com”. 2013年4月16日閲覧。

前戦
1950年イギリスグランプリ
FIA F1世界選手権
1950年シーズン
次戦
1950年インディ500
モナコグランプリ 次回開催
1951年モナコグランプリ


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