黙れ事件とは? わかりやすく解説

黙れ事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 19:27 UTC 版)

板野友造」の記事における「黙れ事件」の解説

1938年3月3日第5回国家総動員法法案委員会審議には司法大臣塩野季彦出席していたが、同日読売新聞朝刊同法案や電力国家管理政策支持する論説掲載されていたため、委員らは植原悦二郎中心に、その記事政府が書かせたものであるかを問い正しながら、同法案に激しく異論申し立てていた。そこで委員長小川郷太郎は他の大臣らに連絡をとり、陸軍大臣杉山元外務大臣審議参加することを告げた実際に陸軍大臣内務大臣末次信正参加。 そこで委員板野質問に立ち、「総動員必要などは国民が皆知っておる」、「総動員ということ知らせて置くことはまことに結構で、その点は同感だが、自分出した案を良く見てからおっしゃって下さい。これで国民何の覚悟出来るか」、「裏からでも表からでもよろしいが、どうぞ十分にラジオ通じ新聞通じ速記録通じて国民に分からせてもらいたい」、「国民が私と同じ程度のものであるならば、政府の言うことが分からない。どうぞ国民が、『なるほど必要止むを得ないものだ』と諒解し得る程度説明を願う。どなたでも説明の上手な人でよろしい。」などと、大臣らへの同意示して説明促した。 これについて佐藤賢了陸軍中佐説明員として答弁したが、宮脇長吉らがこの説明対し、「討論はいかん」「止めた方が穏やかだ」などの野次を飛ばし佐藤が「黙れ!」と怒鳴るといういわゆる「黙れ事件」が起きた佐藤委員長促されてすぐに発言取り消したが、板野はさらにその発言議会軽視として問題視して司法大臣政府責任認めさせたうえ、「私ども初めから申したとおり総動員計画準備の必要は痛感していると申している」、「普段から訓練して置かなければならぬ、それだからこの法律早く作らなければならぬとおっしゃる」、「政府発案趣旨捉えようというがために、これを反復してお尋ねしているのであって決し非難するとか、攻撃するとかいうのではない」などと質問続けた。 これに対し司法大臣は、「板野君のご意見憲法第31条があって、その広大むべなる力があるのだから、そのときになって決めたらよろしいではないかそのこと国民一般憲法條章によってよく覚悟しているのである覚悟とか準備とか言うけれども、本法制定しなくとも、憲法において既に国民覚悟要求しているという御説である」と板野意見を再び示したうえ、「平時において非常の場合において総動員が行われる場合には、かくかく義務を負うのであるという目標を、大綱ながら示しておく方がよろしいと考えている」と答弁。ここで理事西尾末広予定時間到来告げ同日審議終了した翌日委員会には、司法大臣陸軍大臣の他、総理大臣近衛文麿外務大臣広田弘毅海軍大臣米内光政鉄道大臣中島知久平出席。再び植原悦二郎らが質疑続けた審議3月16日まで続き最終的に浅沼稲次郎も含む委員40名の全員賛成し同日衆議院でも可決され貴族院送付となった貴族院委員会では修正案提出されたが、3月24日法案可決

※この「黙れ事件」の解説は、「板野友造」の解説の一部です。
「黙れ事件」を含む「板野友造」の記事については、「板野友造」の概要を参照ください。

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