高踏派の韻文詩「酔いどれ船」とは? わかりやすく解説

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高踏派の韻文詩「酔いどれ船」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 21:11 UTC 版)

アルチュール・ランボー」の記事における「高踏派の韻文詩「酔いどれ船」」の解説

同じ頃、ランボーは、シャルルヴィル知り合いポールオーギュスト(またはシャルル)・ブルターニュに、彼がパ=ド=カレー県アラスに近いファンプー(フランス語版)で出会ったポール・ヴェルレーヌに詩を送るよう勧められた。当時27歳ヴェルレーヌはすでに詩集『サテュルニアン詩集』『艶なる宴』を出版し現代高踏詩集第2集にも詩を発表していた。早速、ヴェルレーヌに「びっくり仰天している子ら」「うずくまって」「税関吏」「盗まれた心」「坐っているやつら」の5編の詩を送り返事待ちながら「酔いどれ船」の執筆取りかかった9月中頃ヴェルレーヌから返事届いたランボー才能見抜いた彼は「やって来たまえ。偉大な魂よ、われらはきみを呼び、きみを待つ」とパリに来るよう勧めた手紙には高踏派詩人たちから集めた旅費同封されていた。こうして1871年9月ランボーは「酔いどれ船」を携えて上京しヴェルレーヌ義父母のもとに身を寄せることになった。このときランボー17歳であったヴェルレーヌ当時ランボー印象を「人としては丈が高く岩畳で、ほとんど力士如くであった」「流竄天使のように完全に卵型の顔に入れない明る栗色ブロンド、目は淡い藍色穏やかならぬ光があった」と『呪われた詩人たち(フランス語版)』で語っている。この時のランボー身長は173cmで(後のオランダ軍入隊時には177cm)骨格の大き少年であった12音節4行詩節100行の長編韻文詩酔いどれ船」をヴェルレーヌ絶賛した。この自筆原稿現存せず、このときヴェルレーヌ筆写した原稿だけが残り今日伝えられることになった。この詩では、乗組員失ってあらゆるものから解き放たれ、海に漂う船そのもの「私」であり、その精神世界であり、未知の世界壮大華麗怪異イメージ酩酊する「見者としての詩人である。まさに高踏派象徴派イメージであり、同時にまた、高踏派詩人らが否定する政治的思想的メッセージ込められている。大島博光は、同年3月から5月にかけて起こったパリ・コミューン対すランボー熱狂、旧秩序との決別、そして最終的に勝利したブルジョワジー対す批判読み取っている。 ヴェルレーヌバンヴィル知己得たランボーは、さらに二人参加する「ヴィラン・ボンゾム(フランス語版)(お人好し破廉恥漢ども)」の前衛芸術家文学者らと知り合った1869年結成されたこのグループには、詩人劇作家のレオン・ヴァラード(フランス語版)、エルネスト・デルヴィリー(フランス語版)、カミーユ・ペルタン(フランス語版)、エルゼアール・ボニエ=オルトランフランス語版)、エミール・ブレモン(フランス語版)、ジャン・エカール(フランス語版)、フランソワ・コペフランス語版)、アルベール・メラらのほか、写真家のエティエンヌ・カルジャ(フランス語版)、画家アンリ・ファンタン=ラトゥール風刺画家アンドレ・ジルらが参加していた。だが、翌1872年3月2日開催されたヴィラン・ボンゾムの晩餐会口論になり、ランボーがアルベール・メラの仕込み杖でカルジャの手を傷つけた。腹を立てたカルジャはそれまで撮ったランボー写真ネガ廃棄した残ったのは今日ランボー写真として目にする1枚だけである。また、このとき、ファンタンラトゥールはヴィラン・ボンゾムの晩餐会絵を描くことになっていたが、ランボー粗暴な振る舞い嫌気がさしたアルベール・メラが同席拒んだこのため、彼が座るはずであった右端作品名のとおり「テーブル片隅」)には花瓶置かれている。

※この「高踏派の韻文詩「酔いどれ船」」の解説は、「アルチュール・ランボー」の解説の一部です。
「高踏派の韻文詩「酔いどれ船」」を含む「アルチュール・ランボー」の記事については、「アルチュール・ランボー」の概要を参照ください。

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