騎士団の壊滅とは? わかりやすく解説

騎士団の壊滅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 01:01 UTC 版)

テンプル騎士団」の記事における「騎士団の壊滅」の解説

テンプル騎士団破滅突如として訪れた13世紀終わり中央集権化すすめていたフランス王フィリップ4世美男王)は財政面幾度も騎士団援助受けていたにもかかわらず、自らの新しアイデア夢中になっていた。それは当時もっとも勢力のあった2つ騎士団テンプル騎士団聖ヨハネ騎士団合併し、自らがその指導者の座について聖地再征服その後自分の子孫にその座を継承していくことで自らの一族が何世代わたってヨーロッパにおよぶ強大な影響力を及ぼす、という夢であった。 しかし、現実にはフランス慢性的な財政難あえいでいた。フィリップ4世腹心ギヨーム・ド・ノガレ献策にしたがって1296年教皇庁への献金禁止し通貨改鋳おこなった。さらに1306年にはフランス国内のユダヤ人いっせいに逮捕資産没収した後に追放するという暴挙出た。こうしてまとまった資産を手にしたフィリップ4世次に目をつけたのが裕福なテンプル騎士団であった上記の説とは別に当時フランスイギリスとの戦争によって多額債務抱えテンプル騎士団最大債権者であった。そのため、フィリップ4世債務帳消しはかってテンプル騎士団壊滅資産没収略奪)を計画したともいわれるいずれの動機であれ、まず手始めフィリップ聖ヨハネ騎士団との合併テンプル騎士団総長ジャック・ド・モレー提案したが、これは即座に拒絶された。そこで王はどのようにテンプル騎士団資産没収するかを検討したが、そもそも何の罪もない人々一般的な裁判形式裁いて有罪立証持ち込むことは難しい。そこで、匿名証言採用できる異端審問方式」を用いることで有罪持ち込もう考えた異端審問を行うには教皇庁認可が必要であるが、当時教皇フランス王意のままに動くフランス人クレメンス5世であり、何の問題もなかった。こうしてテンプル騎士団入会儀式における男色ソドミー行為反キリスト誓い悪魔崇拝といった容疑起訴することになった1307年10月13日フィリップ4世フランス全土においてテンプル騎士団会員何の前触れもなく一斉に逮捕異端的行為など100上の不当な罪名かぶせたうえ、罪を「自白」するまで拷問行った異端審問において立ち会った審問官はすべてフランス王の息のかかった高位聖職者たちで、特権持ったテンプル騎士団敵意を持つ人ばかりであった騎士団異端汚名着せられ資産聖ヨハネ騎士団へ移すこと、以後の活動全面的に禁止することが決定された。裁判では、拷問によって自白した内容覆した場合求刑された終身刑やより苦痛少な処刑を、異端として火あぶりの刑変更する脅され多く被告自白を覆さず刑に甘んじた。 さらに1312年教皇クレメンス5世フィリップ4世の意をうけて開いたヴィエンヌ公会議正式にテンプル騎士団禁止決定フランス以外の国においてもテンプル騎士団禁止通知したが、効果はなかった。たとえばポルトガルでは国王逮捕拒否し、「キリスト騎士団」という名前での存続認められた。カスティーリャアラゴンでもテンプル騎士団対す弾圧一切行われなかった。ドイツキプロス島では、裁判まで行われた証拠不十分で無罪判決下されたまた、教皇庁対立していたロバート1世治めスコットランドそもそも教皇決定など意に介していなかったので、同地でも騎士団弾圧免れた資産没収終えると、フィリップ4世口封じのために1314年投獄されていた4人の指導者たちの処刑指示ジャック・ド・モレー最高指導者たちはシテ島刑場生きたまま火あぶりにされた。

※この「騎士団の壊滅」の解説は、「テンプル騎士団」の解説の一部です。
「騎士団の壊滅」を含む「テンプル騎士団」の記事については、「テンプル騎士団」の概要を参照ください。

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