韓国での展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 06:22 UTC 版)
「ヒカルの碁 (アニメ)」の記事における「韓国での展開」の解説
韓国では、2000年より『ゴースト囲碁王(고스트 바둑왕)』のタイトルで韓国語版の漫画単行本全23巻(2000年3月9日 - 2003年10月22日)がソウル文化社により翻訳・発売された。 その後アニメーション版は韓国放送公社により、『ゴースト囲碁王』としてKBS第2チャンネルにて地上波放送された。厳しい局内審議規定をくぐり抜けるため、舞台は日本から韓国に、平安時代は新羅に、原作の韓国は中国に、洪秀英は研修生に変更されるなど、設定が置き換えられた。それに伴い和服の描写も修正され、佐為が着ている狩衣は幽霊という設定の下、真っ白なぼかしに差し替えられていた。漫画版での評価が高かったことから、アニメ版での改変は混乱を呼び、1話目を放送した時点で視聴者から多数のクレームが寄せられた。 藤原佐為(チャラン)については、1話から6話までの間は白い光でぼかしを入れるといった編集であったが、7話以降になって、襟の部分を他と同じ色で塗りつぶすなど、なるべく違和感をなくすような編集が行われた。このようにしたのは、前者の編集が視聴者から酷評されたためだと考えられる。佐為の衣装だけではなく、ヒカルなどが着ている学生服にも、金ボタンを黒く塗りつぶすなどの編集が加えられた。 当初の予定としては、1話から26話まではKBS、27話から最終回まではアニメ専門放送局のトゥーニバースが制作・放送するはずだったが、最終的にKBS制作で最終回まで放送した。内容の改変と放送期間の都合により、75話から52話に短縮されている。元々ほったゆみが韓国棋院関係者と親交が深く、その関連でソウル文化社と韓国棋院が合同して韓国での放送権を購入したが、韓国での囲碁ブームを起こす狙いもあったため、棋院の「視聴者数の多い地上波で放送した方が影響力が大きい」 という意向によりKBSで放送された経緯がある。 実際に放送された映像は総集編のようなものになっている。例を上げると、第3話の後半部分と第4話の前半部分を組み合わせて1話分としている。そのためか、場面が切り替わる際、不自然にBGMが途切れるなど、視聴者側からすれば違和感のある映像となっている。このようになった理由としては、日本色があるシーンを複数個削除したことにより、実際の1話分の分量と釣り合わなくなってしまったことが挙げられる。 また、日本語版と同じく実写パートが用意され、イ・セドル9段(当時)が基本的な囲碁ルールを解説するというものだった。 最終的に、日本版第52話の放送分で打ち切りになるなど、視聴率が良かっただけに惜しむ声と批判が数多く寄せられた。 KBS版のソフト化は行われないと見られていたが、韓国国内の囲碁塾向けに該当のものを収録したDVDが配布された。 2005年4月4日には、KBSの全話終了を待たないまま、トゥーニバースにて放送が開始された。こちらは登場人物の名前や設定、オープニング曲などは原作のままとされ、放送話数も75話となった。通常は地上波版の映像を衛星局が買い取って放送する形が多いが、本作品については過度な映像編集が行われていため、KBS版の映像は使用せず、トゥーニバースが新たに1話から韓国語版の制作を行った。 その後漫画版に関しても、完全版(集英社の2009年版)を翻訳したものが、2011年に「ヒカルの碁(히카루의 바둑)」のタイトルで発売された。こちらは韓国のプロ棋士、チン・ドンギュとイ・ダヘによる翻訳監修も入った他、表紙から本編に至るまで原作に忠実な翻訳が行われた。
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