震度階級の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 20:37 UTC 版)
震度の階級表は国際的に統一された標準的な規格はなく、それぞれの国や地域が採用したいくつかの指標がある。主な海外で使用されている震度階級としては以下のようなものがある。なお、それぞれの震度階級の間で、数式などを用いて対応関係を示すことは難しい。また同じ震度階級でも機関によって運用や基準が異なり、単純に同じとはみなせない場合がある。各国の気象機関で公式に使用する震度を定めていないところも多いが、メルカリ震度階級を使用するところが多い。 気象庁震度階級 日本の気象庁震度階級は、現在では機械による計測値、いわゆる「計測震度」を使用しており、デジタル震度計が観測した計測値を10段階に換算して気象庁が発表している。また、気象庁は地震や津波の早期周知のため、地震発生数分以内に報道機関などに震度を含めた地震情報を発表している。震度3以上の場合は都道府県を数個に区切った地域ごとの震度、そののちに地点ごとの震度という形で段階的に詳細な情報が発表される。大規模な地震では、その後にデータを詳細に分析するなどして、推計震度分布図も作成される。なお、日本以外の多くの地域では、加速度計や地震計といった機械のデータも参考にされるが、主に人体感覚や被害の程度などを総合的に勘案して、人が判定している。日本でも1996年9月までは、気象台の職員が、体感や被害などから判定していた。 ロッシ・フォレル震度階級 ロッシ・フォレル震度階級は、1873年ごろに出てきた地震の強さをIからXの10階級に分類した震度階級である。Xの適用範囲が広すぎること、ヨーロッパの生活を基にした基準であり、メルカリ震度階級が出てきたこともあり、次第に使用されなくなった。 メルカリ震度階級 メルカリ震度階級はロッシ・フォレル震度階級から発展したもので、1902年ごろに出てきた13階級からなる震度階級表である。後に何度か修正が重ねられ、メルカリ・カンニーニ・シーベルグ震度階級(Mercalli-Cancani-Sieberg intensity scale、MCS scale)が提案され、1931年にはメルカリ・ウッド・ニューマン震度階級(Mercalli-Wood-Neuman intensity scale、MWN scale)となり、現在ではIからXIIの12階級からなる修正メルカリ震度階級(Modified Mercalli intensity scale、MMI scale)という。アメリカ、韓国などの国で使われている。 メドヴェーデフ・シュポンホイアー・カルニク震度階級 メドヴェーデフ・シュポンホイアー・カルニク震度階級は、ヨーロッパでは日本の気象庁震度階級とも修正メルカリ震度階級とも異なる別のものを使用している国があり、国際間の情報交換に都合が悪かったことから、国際的に統一した震度階級として提案されたIからXIIの12階級からなる階級表である。1964年の会議の議題となったが結局見送りとなり国際的な統一とはならなかった。CIS諸国、東欧諸国、イスラエル、インドなどで使われている。 中国震度階級 中国震度階級は、1980年ごろに出てきた(1999年改正)中華人民共和国で使われるIからXIIの12階級からなる震度階級表である。 ヨーロッパ震度階級 ヨーロッパ震度階級は、ヨーロッパ地震学委員会によって1988年ごろに提案され、ヨーロッパ各国で1から12までの12階級からなる震度階級表である。 中央気象局震度階級 中央気象局震度階級は、台湾の中央気象局が2000年に制定した、1996年9月30日以前の旧・気象庁震度階級を参考にした0から7の8段階の震度階級であった。 2020年1月1日より従来の5級(強震)と6級(烈震)を、5弱、5強、6弱、6強に細分し、気象庁震度階級を参考にした0から7の10段階の震度階級に変更した。
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