速度論とは? わかりやすく解説

キネティクス

(速度論 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/13 02:33 UTC 版)

キネティクス(Kinetics)とは一般に、日本語では速度論(そくどろん)と訳され、時間による変化に関する研究分野のことをいうが、次のような異なる意味で用いられる。

  • 力学では、物体の運動を扱う分野。Dynamics(動力学)ともいう。
  • 化学では、化学反応を時間変化に重点を置いて研究する分野で、「(化学)反応速度論」(Chemical kinetics)と呼ばれる。
  • 医学薬学などでは、物質の生体内における消長、動態に関する研究分野。薬理学の一分野であるファーマコキネティクス(Pharmacokinetics、薬物動力学あるいは薬物動態学)などがある(Pharmacodynamics[薬力学]とは違う)。
  • 毒物学では、毒物の生体内における消長、動態に関する研究分野として、トキシコキネティックス(Toxicokinetics, 毒物動力学)などがある。

その他

  • キネティクス (競走馬) - 日本の競走馬。

速度論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 17:55 UTC 版)

グルコキナーゼ」の記事における「速度論」の解説

2つ重要な速度論的性質によって、グルコキナーゼは他のヘキソキナーゼ区別されグルコースセンサーとしての特別な機能が可能となっている。 グルコキナーゼは他のヘキソキナーゼよりもグルコース対す親和性が低い。グルコキナーゼは、生理学的に重要な4–10 mM72–180 mg/dL)の範囲で、グルコース濃度の上とともにコンフォメーションまたは機能の変化生じる。約8 mM144 mg/dL)のグルコース濃度で半飽和となる。 グルコキナーゼ反応産物であるグルコース-6-リン酸によって阻害されない。この性質のため、反応産物多く存在する条件下でもシグナル出力インスリン放出誘導など)を継続することができる。 これらの2つ特徴によって、基質供給量によって代謝経路調節することが可能となる。すなわち、最終産物要求ではなくグルコース供給量によってグルコキナーゼ酵素反応速度決定されるグルコキナーゼ他の特徴としては緩やかな協同性挙げられヒル係数nH)は約1.7である。グルコキナーゼにはグルコース結合部位1つしか存在せず基質協同性を示す唯一の単量体酵素である。協同性は、異な反応速度を持つ2つ酵素状態間の「緩やかな転移」を伴う過程よるものであると想定されている。優勢な酵素状態がグルコース濃度依存して変化する場合には、観察されているような見かけ上の協同性作り出される。 この協同性のため、グルコキナーゼグルコースとの速度論的相互作用典型的なミカエリス・メンテン型の速度論には従わない。そのため、グルコース対すKm値よりも、酵素50%飽和して活性態となる濃度である半飽和濃度S0.5を記述する方が正確である。 グルコース濃度関数として酵素活性記述した際、その曲線の「変曲点」の濃度nHを1.7とすると約4 mMである。言い換えればグルコース濃度生理的正常範囲下限付近である約72 mg/dLの濃度において、グルコキナーゼ活性グルコース濃度小さな変動対し最も感度高くなる。 もう一方基質であるMg-ATPとの速度論的関係は典型的なミカエリス・メンテン式によって記述され親和性は約0.3–0.4 mM一般的な細胞内ATP濃度2.5 mMよりも十分に低い。ほぼ常に過剰なATP存在していることは、ATP濃度グルコキナーゼ活性影響与えることはめったにないことを意味している。 双方基質飽和しているときのグルコキナーゼ最大活性値または回転数kcat)は62 s−1である。ヒトグルコキナーゼ至適pH最近になって特定されpH 8.5-8.7と驚くほど高いことが示された。 グルコース結合部位は、複数のシステイン残基スルフヒドリル基囲まれている。これらのシステイン残基はCys230を除いて触媒過程必須であり、酸化伴って複数分子ジスルフィド結合形成されグルコキナーゼ不安定化される。膵臓β細胞では、活性型グルコキナーゼ不活性型との比は、少なくとも部分的には、スルフヒドリル基酸化ジスルフィド結合還元とのバランスによって決定されている。

※この「速度論」の解説は、「グルコキナーゼ」の解説の一部です。
「速度論」を含む「グルコキナーゼ」の記事については、「グルコキナーゼ」の概要を参照ください。

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