速度記録について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/18 10:22 UTC 版)
「マッキ M.C.72」の記事における「速度記録について」の解説
M.C.72の達成した速度記録は5年間破られることがなかった。一方、ほぼ同時期の陸上機による最高速度記録は H-1 が1935年に出した566km/h (352mph) であった。陸上機には滑走距離の制約があるが、水上機は水面を滑走路として利用する以上、無限に近い滑走距離が許された。そのため水上機は主翼面積・幅を最低限に抑える事ができ、空気抵抗低減で速度性能上の利点があったためである。 しかしながら、より距離の長い滑走路を持つ飛行場の建設や、高揚力装置の採用により、陸上機でも従来よりも主翼面積・幅を抑える事ができるようになった。逆に水上機のフロート(あるいは飛行艇として設計する際の、機体の艇体構造)が、陸上機に対するハンディとなった。1939年に初めて2機のドイツ機がM.C.72の記録を抜いている。まず同年3月にHe 100が746km/h(464mph)を記録し、次いで8月(第二次世界大戦が始まる数日前)にMe 209が756km/h (470mph) を記録した。2019年現在、レシプロ機での最高速度記録はF8Fからレーサーに改造された『Rare Bear』が1989年に樹立した850km/h (528mph) である。 しかし、マッキM.C.72の速度記録は陸上機には更新されたものの、レシプロ水上機の速度記録としては2017年現在も破られていない。上記の水上機の速度性能上の不利の問題に加え、現代では最高速度を競うエアレースが行われず、レシプロ水上機は速度を重視しない遊覧機が主流で、挑戦自体が行われない状態であり記録更新は今後も無いという意見もある。
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