艇体構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/25 05:10 UTC 版)
「水陸両用ヘリコプター」の記事における「艇体構造」の解説
シコルスキー S-62は飛行艇の艇体構造で造られた最初の水陸両用ヘリコプターであり、1958年に初飛行を行った。それ以前のS-55の部品を多数利用したS-62はこのアイデアを実証し、シコルスキー社はアメリカ海軍向けに対潜戦を目的としたS-61 シーキングの試作機を1959年に進空させた。S-62とS-61の両機は1961年に納入準備が整い、シコルスキー社は後部ドアとランプを備える長胴の輸送機型で水密構造を持たないモデルを含む1,100機のS-61を製造した。またアグスタ、三菱重工業、ウエストランドといった企業にS-61派生型のライセンス生産権を与えた。 水陸両用ヘリコプターは、1960年代に頑丈な艇体構造の機体が軍用と民間の双方に向けて一定数が生産されるとその地位を確立した。これにより救助隊員達に任務中の大幅な安全性と成功率の向上をもたらした。非水陸両用ヘリコプターを水面上の作業に使用する場合は、高い確率でホイスト、救助バスケット、水難救助隊員に頼っていた。しかしながら開発費の高騰により1970年代の初めには水陸両用ヘリコプターは非水陸両用型に徐々に置き換えられていき、アメリカ沿岸警備隊で使用されていた最後の水陸両用ヘリコプターであるシコルスキー HH-3F ペリカンは、1994年に退役した。 活発な風が吹いている着水面の波の状態でローターを停止して水面上を浮航する場合、胴体両側に安定を図るフロートを取り付けた艇体型ヘリコプターは、汎用ポンツーンを取り付けた非水陸両用ヘリコプターよりも直立姿勢を保ちづらい傾向がある。 離水するにも困難さがあり、特に大きな荷重がかかっている場合や波が高い場合はそれが顕著である。 ミル Mi-14は同じような艇体型の設計であり、アメリカ製シコルスキー S-61Rのライバルである。 カナダ軍は自国のCH-124 シーキングを着水させる「ウォーターバード」と呼ばれる技法を開発した。 湖面に着水して水陸両用能力を披露するアメリカ沿岸警備隊のシコルスキー HH-52A シーガード 着水したアメリカ海軍のシコルスキー SH-3H シーキング 炎上するボートの近くに着水するアメリカ沿岸警備隊のシコルスキー HH-3F ペリカン スポンソンのフロートを展開して着水したポーランド海軍のMi-14
※この「艇体構造」の解説は、「水陸両用ヘリコプター」の解説の一部です。
「艇体構造」を含む「水陸両用ヘリコプター」の記事については、「水陸両用ヘリコプター」の概要を参照ください。
- 艇体構造のページへのリンク