速度計式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 16:20 UTC 版)
車両の運転設備に設置された速度計の表示速度をそのまま照査対象にする方式である。 ATSが普及し始めた頃、電気式の速度計の精度は今ほど高くないとされ、また、主に蒸気機関車には一定時間ごとに作動する機械式速度計が取り付けられていた。このこともあって、速度計とは別に列車の進行速度を検出する前述の方式が開発された。しかしその後、蒸気機関車や戦前型電気機関車が一掃され、電気式速度計の信頼性も向上したことから、電気式速度計を速度照査の手段として使われることが出てきた。 ATS-Pで使用している。ATS-Pでは運転台用の電気式速度計をそのまま使うのではなく、別個により高精度の電気式速度計を搭載している。 速度系式の最大の問題は、通常の鉄輪・鉄製の軌道による鉄道はゴムタイヤ式の自動車と比べても摩擦力が少ないため、加減速時に車輪が滑走(フラット)しやすい点にある。これを抑制する方法としては実際にATS-Pを採用しているJR各車では、先頭車の第1軸を避けて設置する他、空転する可能性の高いモーターや気動車の駆動軸も避けて設置することとしている。ただしこれには異論があり、京浜急行電鉄は「駆動軸であれば空転が発生したとしても、速度計が示す以上の速度は出ていない」として電動台車に速度計を取り付けている(ただし、京急のATSの速度照査は速度計によるものではない)。
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