走行装置・ボイラー・その他
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/09 01:40 UTC 版)
「ヌーシャテル・ブードリー・コルタイヨ地域鉄道HG2形蒸気機関車」の記事における「走行装置・ボイラー・その他」の解説
主台枠は鋼板による内側台枠式の板台枠、ボイラ台とシリンダブロックは鋳鉄製で、動輪を車軸配置Bに配置しており、動輪は790mm径でクラウス製のHG2 1、2号機は軽量穴付のプレート車輪、アーノルト・ユンク製のHG2 5号機はスポーク車輪となっている。ラック方式はラダー式ラックレール1条のリッゲンバッハ式で、軸距1600mmの第1動輪と第2動輪間のほぼ中央の主台枠内側に有効径796mmのラック区間用ピニオン1軸を装備して車軸配置をBzとしている。このピニオン軸は、両端に設けられたクランクを主動輪である第2動輪から、第1動輪とともにサイドロッドで駆動されており、また、ピニオンが併用軌道走行時に路面に接触したり、同じく分岐器通過時にレールに接触しないように動輪の車軸中心よりもピニオンの車軸中心が上方に設置されている。 シリンダは2シリンダ単式で、左右台枠外側にほぼ水平に配置され、弁装置はワルシャート式となっているが、併用軌道における巻込防止のために通常はシリンダ部も含め床下の全面を覆う取外式カバーを装備して運行されている。 ボイラーは全伝熱面積が33.1m2(HG2 1、2号機)もしくは43.4m2(HG2 4号機)の飽和蒸気式であり、ボイラー横部で運転操作を行うため、火室焚口は火室の側面に設けられ、石炭はキャブ後方の炭庫へ、水はボトムタンク式の水タンクへ搭載されているほか、加減弁ハンドルは蒸気溜横部に設置され、計器類や他のハンドル類もその近くに設置されている。 車体はヨーロッパのスチームトラムとしては一般的な切妻式の箱型のものであるが、多くの機体では完全に車体内に設置されるか、車体前面と煙室扉が同一面となるよう設置されているボイラーの煙室部分が、本形式では車体外部に設置され、かつシリンダにつながる煙室下部左右のデザインがクラウス製蒸気機関車の特徴である直線的な裾広がりの形状となっていることが特徴となっており、これらは同じクラウスで製造されたウィーン市電のスチームトラムや、王立バイエルン邦有鉄道のPtL2/2型(通称グラスカステン)と類似のものとなっている。また、同じく、他の多くのヨーロッパのスチームトラムでは、屋台形式で窓ガラスが無かったり、一部にのみ通常の鉄道車両と同様の窓が設置されるが、製造当初は屋台形式であったクラウス製のHG2 1、2号機にはその後車体前後および側面前後隅部に細い鉄枠の格子状のガラス窓が設置され、側面中央部には横引式のカーテンが設置されていることも特徴となっている。なお、このうち前後正面のものは2分割式の横引窓、側面のものは一部のみ横引式に開閉する固定窓となっている。 このほか、煙突は細長い形状のパイプ煙突、機関車正面には煙突前部に1箇所とデッキ上左右、後部は妻面の上部と下部左右の各3箇所に丸型の引掛式オイルランプが前照灯として使用時のみ設置されている。また、連結器は緩衝器を中央、その左右にフックとリングを装備したねじ式連結器となっており、併せて真空ブレーキ用の連結ホースを装備している。ブレーキ装置は手ブレーキ及び真空ブレーキで、基礎ブレーキ装置は粘着動輪は動輪に片押式の踏面ブレーキが設置されてサイドロッド経由でラック用ピニオンにも作用するほか、片側の動輪の車軸に有効径700mmのブレーキ用ピニオンが滑合されており、こちらにもブレーキが作用する。
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