販売開始後の展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 13:59 UTC 版)
1970年代後半から発生した250ccクラス専用フレーム搭載モデルもRZ250と本モデルによりレーサーからのフィードバックという進化によるパワー競争という側面を加えたことにより、それまで前提であった「250ccは400ccのお下がり」というタガがはずれ、250cc市場に本格的なスポーツモデルを各社が投入を始め空前のクォーターブームを興した。このためVTシリーズは、発売後34か月の短期間で軽二輪(125cc超250cc以下)クラスでは、日本で初めて販売累計10万台を達成、56か月では国内登録台数累計144,553台を記録したヒット車両でもある。また1986年にはグッドデザイン賞も受賞した。これには1983年のRZ250がモデルチェンジされたのを受け、1984年にVT250Fもパワーアップや品質向上を目的にしたフルモデルチェンジを実施するなど、過熱するクォーターブームに遂次対応していたことも要因のひとつと言える。 しかし、1985年にヤマハがFZ250フェーザーを投入すると250ccクラスは4ストローク直列4気筒を主流としたブームが到来する。本田技研工業でも直列4気筒モデルのCBR250シリーズの開発が始まり、VT250Fは250ccフラグシップモデルならびにスーパースポーツとしての役目を終える。 また一方でトルク特性が扱いやすいこと、車幅が狭いこと、エンジンの耐久性が非常に高いことなどからバイク便などのプロライダーからも高い支持を得て、事業用緑ナンバーで登録された車両も多く、原型モデルが開発されて30年以上経過した2010年代でも基本設計が同一のエンジンを搭載するVTRが製造販売されていたが、2016年7月1日に施行された欧州Euro4とWMTCを参考とした規制値および区分の平成28年自動車排出ガス規制に対応させず、平成18年規制に基く継続生産車である本モデルは2017年8月31日をもって生産終了となった。
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