表の解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/09 08:34 UTC 版)
シールド表は必要な形を簡単に生成するための視覚的ガイドであり、占いの答は15個または16個の形の中心である「裁判官」または「調停者」を解釈することで得られる。熟練した占い師は表の中のそれぞれの形を、その位置や点の数や加算で得られた形の類似性などに基づいて解釈する。通常、「裁判官」が質問の答を表し、右の「証人」が質問する側の状況、左の「証人」が質問対象の人や物の状況を表し、「調停者」は質問者が得られるものや結果を表す。熟練した占い師は、表を解釈することで、その状況の真の原因、隠れた影響、その結果得られるもの、質問者の人生の全体的な流れやイベントを推論することができる。 シールド表の解釈の一部として、3つの形を一組としてトリプリシティ (triplicity) と呼び、それを解釈する。トリプリシティには2つの「母」または「娘」と、それらから生成された「姪」を含む。解釈の仕方は「証人」と「裁判官」と似ており、右の親が過去、子が現在、左の親が未来を意味する。別の解釈法では、右の親を質問者側、左の親を質問対象側、子を両者の関係と解釈する。 トリプリシティ対応する形解釈第一トリプリシティ 第一「母」、第二「母」、第一「姪」 質問者の健康、気分、見た目、癖など。質問者の人生における現在の流れ。 第二トリプリシティ 第三「母」、第四「母」、第二「姪」 質問者にその時点で影響を与えているもの。質問者の人生を形作る要因と質問を取り巻く状況。 第三トリプリシティ 第一「娘」、第二「娘」、第三「姪」 質問者と関係が深い場所(家や仕事場など)。質問が失せ物や人探しなら、そこで見つかる。質問者の家族、配偶者、同居人。 第四トリプリシティ 第三「娘」、第四「娘」、第四「姪」 友人、同僚、上司など。外部からもたらされる状況や要因。 ジオマンシーの表を解釈するもう1つの方法は、表内の16個の形にある点の数の合計を求める手法である。点の総数は64から128まで考えられ、平均は96となる。ピエトロ・ダバーノは、16個の形の点の総数と96との比較で、質問された状況がどのくらい早く訪れるかを示すとした。点の総数が96なら、その状況は「迅速かつ確実に」訪れる。総数が96未満なら解決はさらに早く、総数が小さいほどその時期は現時点に近い。逆に総数が96より大きければ解決もゆっくりとなる。 ヨーロッパでは、形を解釈する別の方法としてハウス表が考案された。これは占星術のハウスを取り入れたものである。その場合、シールド表のデータをハウス表のハウスに割りあてる。その配置の順番は流派によって異なる。シールド表で答を得るジオマンシーもヨーロッパに根強く存在するが、ハウス表を用いるジオマンシーは西洋占星術も取り入れて強化したものである。質問に基づき、質問者の人生、質問自体を形成している要因、関連する状況についてより深い洞察を得ることができるという。いくつかのハウスが同じ形となる場合、注意が必要である。その場合、同じ状況やイベントがそれらのハウスに影響することを示す。 ピエトロ・ダバーノはジオマンシーに関する論文の中で、表示体 (significator) と共にジオマンシー的解釈に使われる完璧度 (modes of perfection) を論じている。占星術的ジオマンシーでは、表示体は質問者のアイデンティティと質問対象のアイデンティティに基づいて選ばれる。一般に質問者が本人とは全く関係ないことを質問する場合を除いて、質問者の表示体は第一ハウスに置かれる。質問対象の表示体は、質問内容に従って決定される。すなわち、占星術のハウスごとの意味と質問内容を照らし合わせて決める。複数の要素が絡むような質問の場合、表示体が複数になることもある。「はい」か「いいえ」、「できる」か「できない」かなど、単純な答で済む質問の場合、完璧度だけで答を得ることができる。表が完璧であれば、答えは「はい」である。完璧でない場合は「いいえ」となる。ジオマンシーの形の持つ性質も考慮される。否定的な形だが表が完璧な場合、問題は解決するが質問者が納得する結果にはならない。逆に表は完璧ではないが形がよい場合、問題は解決しないが質問者が満足できる結果が得られる。 完璧度関係する形解釈Occupation 質問者の表示体と質問対象の表示体が同じ形である。 質問者と質問対象の間で自然な関係がある。問題は特に努力しなくとも自然に解決する。 Conjunction 表示体の1つが別の表示体と隣接するハウスに移動する。 質問者と質問対象は出会う。表示体の移動は、対応する側がなんらかの行動を起こす必要があることを示す。質問者の表示体が移動するなら、質問者が何らかの行動を起こして解決しようとしなければならない。逆なら相手側が行動を起こすので、質問者は何もする必要がない。 Mutation 2つの表示体が表内の隣接するハウスに現れる。 予期しない形で解決がなされる。普段通らない道を通ってみよう。 Translation それぞれの表示体のハウスの隣に同じ形が現れる。 第三者が解決策をもたらす。仲裁人が質問者と質問対象のギャップを埋める役目を果たす。 Denial 2つの表示体に何の関係もない。 完璧度が低い(存在しない)。問題は解決しない。 完璧度に加えて、占星術的ジオマンシーではアスペクトにも注意を払い、特に表示体のアスペクトに注意する。表の完璧さが低い場合、表示体同士のアスペクトを調べる。ここでいうアスペクトは占星術のものとほぼ同じである。 Christopher Cattan は解決策を決定する際にハウスの占星術的強さを考慮することを提案している。形の性質(質問内容に対して良い・悪いなど)とそれがどういう種類のハウス(カデント、サクシデント、アンギュラー)に入るかを観察し、全体的な解釈を行う。カデントの性質を持つハウスに入った形はほとんど影響を及ぼさない。サクシデントの場合はある程度の影響があり、アンギュラーの場合は大きな影響を及ぼす。 ジオマンシーで使われる占星術的技法としては他に、黄道十二宮とジオマンシーの形を対応付け、惑星の運行などと結びつけて解釈するやり方もある。
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