薬害が疑われている事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 07:00 UTC 版)
オセルタミビル(抗インフルエンザウイルス剤タミフル) 質が良いとは言えない研究[要出典]に基づき、タミフル服用者の異常行動(自殺企図など)や突然死が薬害ではないかとの主張がなされた。2007年11月21日の厚生労働省作業部会において、タミフル服用と睡眠障害の関係について「現時点では因果関係は認められない」との中間報告がまとめられた。睡眠障害以外についても追加検証される予定である。2014年に完全な臨床試験データからの分析が公開され、精神的な事象は服用により1%増加すると報告した。NMDA受容体(PCP結合部位)に対し、未変化体OTは3μM濃度で14%阻害、30μMで23%阻害、活性代謝物OCは3μMで21%阻害と報告され、何れの受容体へも30μM濃度で50%阻害に達しなかった。「Oseltamivir(英語版)」も参照 朝にシンメトレル(50mg)を服用し、同日の昼にタミフルを服用した3時間半後、異常行動の末に死亡した症例では、シンメトレルが原因としてPMDAが救済給付を決定した。 ロフェコキシブ(非ステロイド性抗炎症薬ビオックス) 新世代のCOX-2選択的阻害薬としてメルク(MSD)により開発された。しかし市場発売後に心毒性が指摘され、認可取り消しになるほどの毒性とは認められなかったが、動物実験の段階で既にその毒性が指摘されていたにも関わらず報告されていなかったことが明らかとなった。他にも同社による数々の不正が指摘されている。これは数々の試行錯誤の末に確立された筈の治験制度や、その臨床試験結果を載せた学術雑誌の権威を大きく損なう事となった。日本では開発が中断され販売されなかった。「Rofecoxib(英語版)」も参照 HPVワクチン(子宮頸がんワクチン) 接種後に重篤な副反応が複数報告されたため、厚生労働省は積極的な接種勧奨を一時差し控えるよう、自治体向けに勧告した。原因については不明な点が多く調査が続いている。経過や詳細は項目参照。「HPV vaccines(英語版)」も参照 ベンフルオレクス(糖尿病治療薬、商品名「メディアトール」) フランスの製薬会社セルヴィエ社が欧州で販売していた糖尿病治療薬。食欲を減退させる副作用が着目されて痩身薬としても使用された。後年、別の重篤な副作用(心臓弁障害と肺高血圧症)が指摘されるようになり、2009年に販売が中止された。市中に流通していた約30年間の使用者数は約500万人に達するため、被害者数の把握は困難であり、死亡者数は約500人から2100人と幅のある推計がなされている。2021年3月29日、フランスの裁判所は、セルヴィエの元社長に執行猶予付きの禁錮4年、会社側に270万ユーロの罰金の支払いを命じた。
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