葬制
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葬制(そうせい)とは、人間の死にまつわる習慣や慣習のこと。狭義には遺体処理の儀礼を指すが、広義には死後の宗教的儀礼の方法や墓制度なども含まれる。遺体処理については火葬、土葬、埋葬、鳥葬、風葬、洗骨葬の他に水葬などの遺体放棄などに分けられる。
死の訪れ方、自然死と不慮の死の違いで葬制に変化がみられる場合もある。これは死者及び死者の魂をどのように考えているのかの問題であるとされている。死者の霊が災いをもたらすという恐怖があるのか、思慕の情なのか、守護を与えてくれる存在とみるか、によって葬制は変わる場合もある。伝統社会においてはその傾向が顕著であった。
葬制については、その構造と社会的機能が主な研究対象となっている。伝統的社会において死は個人の人格の消滅をもたらすばかりではなく、時には情緒的な不安定や社会の混乱をもたらすこともあった。こういった混乱を取り除き、再度秩序をもたらすという社会的な意味が、社会制度としての葬制に求められた。
葬制は宗教と密接な関係をもち様々な死生観を生む要因ともなった。伝統社会にあっては権力者が権力の正当性と永続性をもとめ、葬制を管理する例がみられる。
関連項目
葬制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 20:38 UTC 版)
スキタイ王陵はゲッロイの国土内にある。スキタイの王が死ぬと、この土地に四角形の大きい穴を掘り、穴の用意ができると遺骸を取り上げる。遺体は腹を裂いて内臓を取り出し、つぶしたキュペロン(かやつり草)、香料、パセリの種子、アニスなどをいっぱいに詰めて縫い合わせ、全身に蝋が塗られる。取り上げられた遺骸は車で別の国へ運ばれ、その国で耳の一部を切り取り、頭髪を丸く剃り落とし、両腕に切り傷をつけ、額と鼻を掻きむしり、左手を矢で貫くといった作業をする。その後も遺体はスキタイのすべての属国をめぐり、最後に王陵のあるゲッロイの国に到着する。遺体を墓の中の畳の床に安置し、その両側に槍をつき立てて上に木をわたし、むしろをかぶせる。墓中の広く空いている部分には故王の妾を一人絞殺して陪葬し、酌小姓,料理番、馬丁、侍従、取次役、馬も陪葬し、副葬品として万般の品々から選び出した一部と、黄金の盃を一緒に埋める。その後は全員で巨大な塚を盛り上げるが、なるべく大きな塚にしようとわれがちに懸命になって築く。一年後、今度は故王の最も親しく仕えた者50人、最も優良な馬50頭を絞殺して内臓を取り除き、中にもみ殻を詰めて縫い合わせる。その死体たちを杭で固定して騎乗の状態にさせ、王墓の周りに配置する。以上が王の葬式である。一般人の葬式では遺体を車に乗せて知人の家を廻り、馳走を受けながら40日間これを繰り返して埋葬される。
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