米軍機動部隊警戒
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一方、日本本土の連合艦隊は「対米国艦隊第三法」(アメリカ艦隊の機動に対する作戦要領)を発令して、本土東方海面の警戒強化を企図した。2月8日(連合艦隊電令作第64号)をもって五航戦を基幹戦力とする連合艦隊附属航空部隊を編成する。同日夜には、第一艦隊司令長官高須四郎中将を指揮官とする警戒部隊が編成された(連合艦隊電令作第69号)。警戒部隊の戦力は、第二戦隊(伊勢、日向、扶桑、山城)、第九戦隊(北上、大井)、第三航空戦隊(鳳翔、瑞鳳、三日月、夕風)、附属航空部隊(瑞鶴、翔鶴、秋雲、霰、陽炎)、第27駆逐隊第1小隊(時雨、白露)、駆逐艦「矢風」であった。 附属航空部隊のうち2隻(翔鶴、陽炎)は横須賀から三河湾に移動し、3隻(瑞鶴、秋雲、霰)は2月9日にパラオを出発し13日横須賀に到着した。附属航空部隊は内地に揃い、敵機動部隊出現に備えた。日本列島本土東方海面を警戒したが特に異状はなく、対米国艦隊第三法は2月15日に解除された。2月24日、空母エンタープライズ (USS Enterprise, CV-6) を基幹とする第16任務部隊はウェーク島に空襲と艦砲射撃をおこい、つづいて南鳥島にむかった。その後、特に何事もなかったので五航戦(翔鶴、瑞鶴、秋雲、陽炎、霰)は連合艦隊電令作第80号(3月3日1440発令)により3月5日付で機動部隊に復帰することになった。 3月4日、第16任務部隊は南鳥島を空襲する。同日19時30分、連合艦隊はGF電令作第81号を令し、内地在泊の警戒部隊、五航戦、北方部隊、横須賀鎮守府部隊に対処を命じた。3月5日午前7時30分、駆逐艦「時雨」が「横須賀の110度360浬に国籍不明の飛行機13機 西航す」と報告した。連合艦隊の命令により横須賀在泊の3隻(翔鶴、陽炎、秋雲)は出撃したが、味方機の誤報とわかり帰投した。3月7日午前11時、連合艦隊は五航戦(朧欠)と駆逐艦2隻(陽炎、霰)に対する待機を解いた。五航戦のうち翔鶴隊(翔鶴、陽炎、秋雲)は同日のうちに東京湾を出発、瑞鶴隊(瑞鶴、霰)は8日に内海西部出発、洋上で合流しインド洋方面作戦に向かった。3月10日夕刻にはウェーク島北方600浬に敵機動部隊の兆候があり、折しも第11任務部隊の空母レキシントン (USS Lexington, CV-2) と第17任務部隊の空母ヨークタウン (USS Yorktown, CV-5) によるラエ・サラモアへの空襲が起きたばかりだった。五航戦は小笠原諸島方面の警戒を下令される。第一艦隊司令長官が指揮する警戒部隊も桂島泊地を出撃、五航戦との合同を目指した。だが敵機動部隊の情報はなく、連合艦隊は3月18日1800に「対米艦隊作戦第三法」の中止を発令した。
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