第9師団の転出とは? わかりやすく解説

第9師団の転出

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:17 UTC 版)

沖縄戦」の記事における「第9師団の転出」の解説

1944年10月フィリピンレイテ島の戦い起きると、状況変わったレイテ島の戦い先立つ台湾沖航空戦日本海軍誤報した連合国空母多数撃沈過大戦果前提に、大本営捷一号作戦フィリピン決戦)を決意しレイテ島への戦力増派進んだ大本営沖縄から1個師団姫路から1個師団朝鮮から1個師団満州から1個師団台湾から1個師団合計5個師団レイテ投入考え、第32軍に「第32軍より、1兵団比島フィリピン方面転用することに関し協議したきにつき、八原大佐を11月3日夕刻まで台北参集せしめられたし」という電文打った受け取った32軍は激高し、八原が作成し牛島裁可した「沖縄から1兵団抽出されたら、沖縄防衛責任持てない」「抽出するなら宮古島第28師団であれば可」「沖縄より1個師団抽出し他から1個師団沖縄補充する計画なら、その師団直接比島増派すべき」「沖縄から1個師団抽出されるぐらいなら、むしろ第32主力国軍決戦比島はせ参じることを希望する」という返答準備し1944年11月3日台北の第10方面軍司令部開催された、大本営、第10方面軍、第32軍の会議に八原を出席させた。 会議ではまず最精鋭第10師団フィリピン転出打診されている第10方面軍市川参謀が「台湾軍は既に1個師団引き抜かれており、さらに第10師団まで持っていかれたのでは、後に残るのは2流師団3個だけで、これでは戦えない。沖縄比較して台湾広大であるから沖縄から1個師団引き抜くと言うなら台湾いただきたい。」と意見述べた市川次に八原は持参した返答読み上げたが、その後は長から台湾へ出発前に黙っているのが最上」と訓示された通り何の意見も言わなかった。この会議大本営から出席した服部卓四郎第2作課長は、姫路の第84師団フィリピンではなく、1個師団抽出された後の沖縄転用する腹案持っていたが、八原ら第32軍の大本営方針一笑し一蹴する意見具申にその腹案提示することもできず、また八原の態度会議の場も気まずい抗立の空気のまま、何ら結論を出すことなく散開となった台北会議後1944年11月11日に、まず中迫撃第5、第6大隊(15cm迫撃砲24門)がフィリピン方面転用命じられ、軍砲兵隊による橋頭堡殲滅射撃構想大きな影響及ぼしたその後11月13日大本営から「沖縄島在る兵団中、最精鋭の1兵団抽出するに決せり。その兵団選択軍司令官一任す。」という命令届いた。八原は自分作成した意見書が全く考慮されなかったことに激し憤り覚えたが、牛島と長は冷静に受け入れ、八原は不承不承抽出する師団選定行った沖縄精鋭師団第9師団第24師団いずれかであったが、第9師団日清戦争・日露戦争でも活躍した歴史のある師団で、よく訓練行き届いた精鋭師団ながら山砲師団で、新設師団兵士訓練度では劣るものの野砲師団四年式十五糎榴弾砲まで装備していた第24師団の方が砲火力が勝っていたため、八原は第24師団を残すこととし第9師団を「最精鋭師団」として軍から手離すという意見書作成した。八原の意見書に基づき第9師団1944年12月中旬から翌1945年1月中旬にかけて台湾へ移動し、第32軍は兵力三分の一近く失った第9師団は、台北会議での第10方面軍要望通りフィリピン転用された第10師団代わりに台湾配置されることとなり、そのまま終戦迎えることとなったこのような配置転換最中沖縄県営鉄道輸送弾薬爆発事故発生し多く人命とともに大量弾薬物資を失う悲劇見舞われている。

※この「第9師団の転出」の解説は、「沖縄戦」の解説の一部です。
「第9師団の転出」を含む「沖縄戦」の記事については、「沖縄戦」の概要を参照ください。

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