福田ますみ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 02:44 UTC 版)
「福岡市「教師によるいじめ」事件」の記事における「福田ますみ」の解説
福田は2003年11月下旬に福岡に入り取材を開始。学校周辺での聞き込みを行い、保護者や学校の児童らを取材した。さらに、教諭本人、懲戒処分を行った市の担当者、児童らの代理人弁護士、児童らの親族にも取材し、『新潮45』2004年1月号に記事を投稿。 その後も裁判傍聴 などの取材を重ね、『中央公論』2006年1月号でも本事件の記事を発表した。 第1審判決後、2007年1月に、取材の経緯をまとめた書籍『でっちあげ』を刊行。教諭の身の潔白を訴えた。同書は同年、第6回新潮ドキュメント賞を受賞。 同書刊行後も福田は本事件の取材を続け、2010年1月刊行の『でっちあげ』新潮文庫版では、巻末に控訴審のレポートが追加されている。 さらに、2013年1月になされた、教諭に対する懲戒処分の取消裁決についても雑誌に記事を書き、また新潮社のウェブサイトで報じた。 福田によれば、本事件の真相は次のとおりである。報道されたような教諭の「いじめ」や「体罰」は実際には行われていない。裁判所が「相当軽微」ながら教諭の体罰を認めたのも、すでに教諭のいじめを認めて懲戒処分も下していた市側が、裁判において事実関係の一部を争わなかったからである。しかし、市教委が認定した教諭のいじめの事実は、市人事委員会によって否定された。このことは、訴訟において市が前提としていた事実が覆ったことを意味する。したがって、判決の内容も事実上無効となったといえる。 さらに、児童側の言い分を一方的に報じたメディアの問題にも言及。『でっちあげ』では本事件を報じた朝日新聞・西日本新聞・毎日新聞・『週刊文春』の記者らにも取材を行った。 偏向報道の原因として、福田は以下の点を指摘している。本事件が起こった2003年当時、教師らはモンスターペアレントに代表される、学校に対して強圧的な態度をとる保護者に頭を悩ませていたが、マスコミはこういった現状を認識していなかった。そのため、校長や教育委員会が早々に「いじめ」の事実を認めた本事件では、教諭によるいじめがあったものと即断してしまい、十分な裏付け取材を行わなかった。もしも、取材の基本に忠実に聞き取り取材を行って当事者の人となりや評判を把握していれば、当初のような一方的な報道にはならなかったはずである。
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