福岡県警・警察庁の対応
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「大牟田4人殺害事件」の記事における「福岡県警・警察庁の対応」の解説
17時44分「K3逃走」の第一報を受けた久留米署は緊急配備を敷くとともに全署員を招集し、K3の顔写真を捜査員に携帯させ捜索に当たらせた。 また知らせを受けた福岡県警は殿村明大・刑事部長をはじめ、刑事部員全員が緊急招集された。本事件の捜査を担当していた捜査一課は情報収集・捜査員の割り振り・近隣県警との連絡に追われ、時折「検問を強化せよ」という声も飛び交った。 事件の舞台でありK3の逃走を許した巡査部長1人・巡査長2人が所属していた大牟田署は、身柄確保から3時間後の2004年11月14日午前0時前、中村隆一署長が記者会見した。中村は、安堵の表情を見せつつも「凶悪事件の被疑者が逃げたことは大変申し訳ない。再発防止に努めたい」と陳謝した。 事件を受け、福岡県警は翌2004年11月14日、全警察署長に対し被疑者・被告人の逃走防止を徹底するよう文書で通達した。 またK3の逃走時に付き添っていた大牟田署員3人に対し処分を検討した。 福岡県警留置管理課は2004年11月17日、福岡市にある福岡県警察本部にて各所の留置担当者(警察署の留置管理課長ら)を集め緊急会議を開き、留置手順の徹底を指導した。 警察庁は事件後、都道府県警察警察本部に対し「同行室の運用実態の把握」「同行室での管理要領の制定」「被疑者に応じた護送態勢と人員の選定」などを指示した。 2004年12月13日、福岡県議会一般質問で、県議会議員・清田信治(県政クラブ)が、この逃走事件について「今回の失態とも言われている容疑者脱走という事件に対して、警察本部長はどのように受けとめてあるのか」、「周辺に警戒を呼びかける広報をしなかった警察に対して住民からは強い批判の声が上がっている。今回の事件で久留米市民へなぜ外に出ないような待機勧告、逮捕後の広報並びに待機解除などの情報提供をしなかったのか、その根拠となる理由は」、「逃走防止の基本や事件発生時には住民への避難、待機などの勧告、解除などの広報マニュアルがあるのかないのか」と、廣畑史朗・福岡県警本部長に質問した。 これに対し廣畑は「地域住民を初め県民の皆様に多大の不安を与え、警察に対する信頼を大きく損なったものであり、まことに遺憾であります。今後このような事案を二度と引き起こすことがないよう再発防止に努めていく所存であります」と陳謝した。その上で久留米市民に直接の広報をしなかった理由について「逃走直後の早い段階から被疑者は久留米から大牟田方向へタクシーで逃走中であるとの確度の高い情報を入手し、逃走現場付近での潜伏等の可能性が極めて低いと判断したことなどから」と回答した。また「事件が発生した場合の現場広報や防犯情報の提供につきましては一般的なマニュアルはありますが、本事案のような場合は個々の事案の犯行対応や模倣性連続性などを勘案して、情報提供の要否を判断しているところであります」「今後とも犯罪の発生実態を的確に判断し、住民の皆様が防犯行動をとれるようわかりやすい広報に努めてまいりたいと考えております」と、それぞれ回答した。 2005年1月27日、福岡県警はK3の逃走事件を受け、関係者を以下のように処分した。その一方で護送を担当した3人が「K3が嫌がる」などの理由で本来必要だった機動隊員の同行を断っていたことも新たに判明した。 護送を担当した大牟田署員3人を - いずれも減給(10分の1、期間:1か月から3か月) 被告人K3を留置していた久留米署留置管理課長 - 懲戒処分戒告 大牟田署・久留米署の両署長、副署長ら計8人 - 本部長訓戒などの内部処分
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