生物名接頭辞とは? わかりやすく解説

生物名接頭辞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 02:03 UTC 版)

「鬼」の記事における「生物名接頭辞」の解説

種名#和名に形容的に用いられる語の例」も参照 昔の日本人は、身の回り生き物呼び馴らわす当たってオニ(鬼)」の名を巧みに使ってきた。同類思われる生き物同士比較において「大きいとされているものよりひときわ大きい」という特徴具えたものに対して用いた語構成要素が、接頭辞オニ(鬼)」であった。この概念は、近世日本本草学取り入れられたのはもちろんのこと西洋自然科学である分類学でも踏襲されており、新種改名要する種の新しい和名を考案する際に用いられ続けている。具体的には、同類の中で通常の範疇にあって大きめのものは「オオ(大)」を冠して呼ぶのであるが、その大型種凌駕するような大型種は「オニ(鬼)」を冠して呼ぶのであるオニネズミ鬼鼠)、オニオオハシ(鬼大嘴)、オニアジサシ鬼鯵刺)、オニゴジュウカラ鬼五十雀)、オニカマス鬼魳)、オニオコゼ鬼虎魚)、オニアンコウ鬼鮟鱇)、オニイトマキエイ(鬼糸巻鱏)、オニアサリ鬼浅蜊)、オニクワガタ(鬼鍬形)、オニヤンマ鬼蜻蜒)、オニヤドカリ鬼宿借)、オニグモ鬼蜘蛛)、オニユリ鬼百合)などを例として挙げるが、これら以外にも夥しい数の生物に「オニ(鬼)」の名が用いられている。 接頭辞オニ(鬼)」の用法は、上述のような大きさの比較ばかりではない。印象的な突起部を有することで角を有する鬼と紐付けされた結果名付けもある。オニヒトデ鬼海星)とオニナマコ鬼海鼠)の名は、全身(とげ)で埋め尽くされ禍々しい形態を角をもつ恐ろしい鬼と紐付けされた結果なのか、大きさ比較から来ているのか、はっきりしないものの、実際形態前者により説得力持たせるオニバス鬼蓮)の名は、恐ろしげな鋭い具えていることに由来するとされている。ほかにも、シロオニタケ白鬼茸)などオニタケ(鬼)の仲間は、鬼の角のような疣(いぼ)を具えたきのこ(毒きのこ)であることからその名で呼ばれるオニフスベ鬼燻、鬼瘤)は、大きな瘤(ふすべ)に見えることからその名で呼ばれるが、近縁種比較して名付けかどうか不明である。 また、オニカッコウ鬼郭公)の近縁ひときわ大きなものに付けられた「オオオニカッコウ大鬼郭公)」のように、「オニ(鬼)」に「オオ(大)」を重ねる例もある。実際、このカッコウ類世界最大種である。オニバス鬼蓮)の近縁ひときわ大きな別属としてオオオニバス大鬼蓮)があるが、オニバスの「オニ」が大きさ比較に関わっていないため、大きさ比較2段重ねではない。「オオ(大)」とは反対に「コ(小)」を重ねる例もあって、「オニユリ鬼百合)」の近縁種を「コオニユリ小鬼百合)」と命名したのはこれに当たる。 「オニ(鬼)」を上回る大きなに対しては、近代以降加わった慣習名であるが、「トノサマ殿様)」(例:トノサマガエル殿様蛙〉、トノサマバッタ殿様飛蝗〉、トノサマゴカイ〈殿様沙蚕〉)、「オウサマ王様)」(例:オウサマペンギン王様ペンギン〉、オウサマウニ〈王様海栗王様海胆〉)、「ダイオウ大王)」(例:ダイオウイカ大王烏賊〉、ダイオウグソクムシ大王具足虫〉、ダイオウキジンエビ大王鬼神〉)、「コウテイ皇帝)」(例:コウテイペンギン皇帝ペンギン〉、コウテイキホウボウ〈皇帝黄魴鮄〉)が用いられる。 なお、生物学名ギリシア語原則的語構成要素としてラテン語体系造語するよう規定されているが、和名における「オニ(鬼)」とも通じる用られ方をする語として、種小名 "diabolicus(日本語音写例:ディアボリクス)" がある。この語には「魔の、大きく荒々しい」などといった意味があり、「魔の」という意訳はさらに日本語風に直されて「鬼の」と表されることも多い。

※この「生物名接頭辞」の解説は、「鬼」の解説の一部です。
「生物名接頭辞」を含む「鬼」の記事については、「鬼」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「生物名接頭辞」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「生物名接頭辞」の関連用語

1
4% |||||

生物名接頭辞のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



生物名接頭辞のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの鬼 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS