生物圏 - ジュースとベルナドスキー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 08:59 UTC 版)
「生態学」の記事における「生物圏 - ジュースとベルナドスキー」の解説
生物地球化学的循環という考え方は、1789年にラヴォアジエが水循環を認識したことに始まるとされ、テオドール・ド・ソシュールの研究によって進展した。一方窒素循環については19世紀中盤から研究が進められていった。 地球の大気圏・水圏・岩石圏の中で生物が発展しているという事実から、1875年オーストリアの地理学者エドアルト・ジュースは「生命が生息する地球表面の場所」という概念を表す用語として「生物圏」を提案した。 1926年、フランスに亡命したロシアの地質学者ウラジミール・ベルナドスキーは、著書『生物圏』の中で「生態学を生物圏の科学」と再定義した。同書では生物地球化学的循環の基本原理が述べられており、生物圏を生物・非生物の作用を含めた循環系として記述した。 史上初めて報告された生態学的な損傷は、18世紀における植民地の増加による森林破壊である。この森林破壊は学者によって警告され、いくつかの植民地では保護林が設定されるとともに森林保護が法制化された。産業革命に伴い、19世紀に入ってからは、人間の活動が環境に与える影響について差し迫った関心が寄せられた。また、景観保護や動物愛護などの考え方とも結びついて、19世紀にはヨーロッパやアメリカにおいて自然保護の考え方が広まり始めた。生態学者という用語は、19世紀の終わりから使われはじめた。
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