献血の手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 02:14 UTC 版)
問診票に所定の事項を記入する。タッチパネル式の導入事例もある。その後、医師による問診表確認と問診、加えて血圧測定で最高血圧が90mmHg以上の確認と心拍数測定があり、看護師が約2mL採血して血液感染のエイズ、ヤコブ病、A型肝炎などの検査と血液型を確認する。順番はルームや状況により異なるが、医師が献血適否を最終的に判断する。 油脂分や砂糖を多く含む食事は、血糖値や脂肪分の上昇を招き、直前に食した場合は血液検査で申告を指導する事例もある。年始などに飲酒の有無を訪ねることがある。 40代で初めての献血および40代以降の成分献血の場合は、過去1年間に心電図の検査を受けて異常がない人に限られ、検査を受けていない場合は検査する。 採血時間を短くして血液の凝固や血球の損傷を防ぐため、血液検査や点滴より太い17ゲージ (G) の採血針を用い、採血針・採血キット・採血バッグは、滅菌済みディスポーサブルを使い捨てる。 検査採血と献血採血は別々の腕で行われる。採血は、血管が細いなどの理由で片腕だけでは時間がかかる場合にまれに両腕で同時に採血することがあるほか、成分献血の採血機械によって両腕(片方から採血、片方から返血)に穿刺することがある。検査および本採血時に穿刺が失敗した場合(血液が漏れ出すなど)、採血中止となる。 所要時間は血圧や血管の太さなどにより個人差があるが、200mL献血、400mL献血ともに約5 - 15分、成分献血の場合は約30 - 90分かかる。 血液を採取するときのベッドは、上半身に血液が多くなるよう足側が高くなるように作られている。多くの場合、靴を履いたまま上がってよいが、もちろん脱いでもよい。 採血の際、試験管の半分の量を2本に分けて血液パックとは別に採血される(献血のはじめの方で小さなパックの方に血液がたまり、これを検査の採血と同様に試験管に移す)。ここで採取される血液は「初流血」と呼ばれ、採血用の注射針を刺した際に毛穴(毛のう)の中の細菌などが混入するのを防ぐために輸血用血液とは分けて採取するものである。この際に採取された血液は検査用血液として利用される。 採血に先立ち、温かい飲み物を飲んでおくよう指導されることがある。体温が上がると、より短時間で採血が完了し、献血者の負担が軽減できることと、待ち時間が短縮できるメリットがある。採血をする際にも血液は大部分が血漿(液体部分)から構成されるため、採血後にも水分(スポーツドリンクなど)を多く摂取するように説明・指導される。これは事前の問診でも医師に指導されるが、体の負担を減らすとともに、回復を早めるためである。 献血中に失神の症状が出た場合、看護師にその旨を訴えるとただちに献血が中止される。 多くの献血ルームは採血中の退屈を紛らすため、テレビやビデオデッキ、DVDプレーヤー、ゲーム機などが設置されており、テレビ番組や備えつけの映画ソフトなどを見ることができる。ロビーの雑誌や漫画を持ち込むことも可能。飲食物の持ち込みは衛生上、保健所により禁止指示を受けているルームもある。
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