物語の筋の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 02:50 UTC 版)
「ミドロジアンの心臓」の記事における「物語の筋の概要」の解説
小説の表題は、当時スコットランドのミッドロージアン郡の心臓部(中心部)にあったエディンバラのオールド・トールブース(英語版)(旧庁舎)刑務所を指している。その歴史的背景には、ポーティアス暴動と呼ばれる事件があった。1736年、エディンバラでは2人の密輸業者の処刑をめぐって暴動が起きた。市街地警備隊の隊長であったジョン・ポーティアス(英語版)は、兵士に命じて群衆に向けて発砲し、数名を殺害した。ポーティアスはその後、旧庁舎を襲撃した私刑を行おうとする群衆に殺害された。 この小説の2つ目の、そして主たる要素は、スコットが無署名の手紙で受け取ったと主張している話に基づいていた。それは、ヘレン・ウォーカーという人物が、不当に幼児殺しの罪を着せられた妹のために、王室からの恩赦を受けるために、はるばる徒歩でロンドンにやってきたという話であった。スコットは、ウォーカーの代役として、敬虔な長老派の家系に生まれた若い女性、ジーニー・ディーンズ(英語版)を登場させた。ジーニーは、アーガイル公爵の力を借りて王妃に謁見しようと、一部徒歩でロンドンに向かう。 この小説は、ジーニーとエフィーの2人の姉妹の対照的な運命を描いている。第1巻では、ポーティアス隊長が殺人の罪で投獄されるが、土壇場で釈放される。若き貴族ジョージ・ストーントン(ジョーディ・ロバートソンと名乗る)は暴徒を率いて刑務所を襲撃し、ポーティアスを私刑にかける。また、ストーントンは自分が妊娠させた恋人エフィー・ディーンズを解放しようとする。彼女は赤ん坊を殺した容疑で投獄されていたが、脱獄すれば罪を認めることになると拒否する。エフィーが逃げようとしないところを、ジーニーに思いを寄せる若い牧師ルーベン・バトラーが目撃する。この事実は、ジーニーの妹が無実であるという確信を深める。 第2巻では、赤ちゃんを産めず、家族にも妊娠を隠していたため、無実を証明できなかったエフィーの裁判が描かれる。ジーニーは妹を助けるために法廷で嘘をつくことができず、エフィーは死刑を宣告されてしまう。 第3巻では、ジーニーは王室の恩赦を乞うために、歩いてロンドンに行くことを決意する。バトラーは彼女を説得することができず、結局、一族に恩義があるかもしれないアーガイル公爵に連絡して助けを求める。その途中、ジーニーはマッジ・ワイルドファイアとその母親メグ・マードックソンに邪魔される。ジーニーは、彼らがエフィーとストーントンの関係に嫉妬して赤ん坊を盗んだことを知る。メグはジーニーを殺そうとするが、ジーニーは逃げてしまう。ロンドンでは、ジーニーの熱意に感銘を受けたアーガイル公爵が、キャロライン王妃への謁見を手配する。女王はジーニーの雄弁さと優しさに感動し、国王を説得して恩赦を認めさせ、エフィーは解放される。ジーニーはスコットランドに戻り、父親は公爵から管理用の土地を与えられ、バトラーは昇進して収入が大幅に増えた。 その後、ジーニーは第4巻でバトラーと結婚し、アーガイル公爵の屋敷で幸せに暮らしていた。エフィーは、息子は殺されたのではなく、メグによって作業集団に売られたこと、そしてストーントンが実は犯罪者ロバートソンであることを明かす。エフィーはストーントンと結婚する。凶悪犯罪者として育てられた行方不明の息子は、スコットランドに渡りストーントンを殺害した後、アメリカに逃れてネイティブ・アメリカンと暮らしている。エフィーはついにフランスに渡って修道女になることを決意するが、それにはカトリックへの改宗が必要であり、ジーニーを驚かせる。
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