漢字「十」の音読みとは? わかりやすく解説

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漢字「十」の音読み

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 07:00 UTC 版)

10」の記事における「漢字「十」の音読み」の解説

漢字「十」の音読みは、当用漢字音訓表には「ジュウ」と「ジッ」が掲載されている。「ジュウ」は通常の呉音だが、「ジッのような促音で終わる漢字音は本来ならありえず、これはイレギュラー発生した慣用音である。なお漢音はあまり使われないが「シュウ」である。 「ジッ」という漢字音は、「実行ジッコウ)」のような字音での促音化ならありふれている。「ジッも本来は字音での促音化であった。その証拠に、「ジッ」で終わる語はない。「十」の本来の、歴史的仮名遣いでの呉音は「ジフ」だった。この音は「ジク」や「ジツ」のように、熟語音では頻繁に促音化し「ジッになった。 「ジフ」の「フ」は入声表したものであり、「十」という漢字日本導入された頃の中国語中古音)では dzyip(ジプ)のような発音だった。その証拠に、日本語北方語以外の漢字圏多く言語では入声音が存続している。例え現代朝鮮語では십(sipシップ)である。このため、/‐t/(‐ツ) や /‐k/(‐ク)で終わる他の入声音と同様に促音化起こしたのである日本語には本来閉音節子音で終わる音)がないため、語尾母音の u を補うと「ジプ」となるが、拗音濁音表記法未発達時代には、仮名では「シフ」と宛てて表現するほかなかった。後ろにp音、k音、t音などの詰まる音が来る際には、本来の発音想起され「十把(じっぱ)」「十個(じっこ)」「十頭(じっとう)」など、「ジッ」という発音となる。しかし、それ以外の音が来た場合例えば「十」の読み表記は「しふまい」となり、音便化されて「ジューマイ」と発音される。「ジュウ」の読みはこれに由来する中世唇音退化によるハ行子音消失二重母音長母音化が起こり、「ジフ」は「ジュウ」に変化した。「ジュウ」という漢字音促音化起こさないので、「ジッ」はどんな音が促音化したのか分かりにくくなり、音訓表では独立した漢字音として認められた。 さらに江戸時代以降拗音表記法未整備や、人的交流活発化による他地方方言影響から、主に江戸関東地方において「ジッ」の読みが「ジュッ」と発音されることも多くなった。現在では東京方言影響大きさもあって、後者の「ジュッ」の読み多く地方使われており、NHK でも認められている。 同様の現象は /‐p/(つまり歴史的仮名遣いで「‐フ」)入声終わっていた漢字音では他でも起こりえた。「十」の大字として用いられる「拾」は音訓表には「ジュウ」(と「シュウ」)しかないが、歴史的仮名遣いでは「ジフ」で促音化起こしえ、拾得唐代僧侶の名)は「ジットク」と読む。「合」は「ガフ」「カフ」の促音化合併ガッペイ)・合戦カッセン)などに残っており、現在では「ガッ」「カッ」が慣用音として認められている。ただし他の類型もあり、「立」は「リフ」の促音化「リッ」から誤った原音リツ」が逆成され、現在では「リツ」が慣用音として認められている(「リッ」は「リツ」の促音化とされ独立した慣用音としては認められていない)。これらの現象は「フツ相通」と呼ばれ、ほかに「雑」(雑巾雑居)「納」(納入納豆)「入」(入院入唐)などにも見られる

※この「漢字「十」の音読み」の解説は、「10」の解説の一部です。
「漢字「十」の音読み」を含む「10」の記事については、「10」の概要を参照ください。

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