浸透戦術とは? わかりやすく解説

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浸透戦術

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 01:23 UTC 版)

オスカー・フォン・フーチェル」の記事における「浸透戦術」の解説

それまで戦術は、砲兵による入念な準備射撃の後、大勢歩兵戦線全体攻勢に出る方式であり、得るものが少な割には多大な犠牲出ていた。これに対しフーチェルは以下の手順を採用した準備砲撃少なくし、重砲榴弾毒ガス弾による短いものに限り敵前線を沈黙させる。ただし敵陣地を破壊はしない少数精鋭突撃隊移動弾幕射撃支援の下前進し、敵陣弱点探って浸透するその際戦闘極力避け、敵司令部砲兵陣地攻撃指向してこれを確保あるいは破壊する突撃隊任務完了した後、機関銃臼砲火焔放射器重武装した後続部隊前進させ、突撃部隊攻撃避けた敵陣地を沈黙させる。 残る歩兵全力挙げて攻撃し残った敵軍排除する。 浸透戦術に似た戦術採用した将軍はフーチェル以前にもおり、南北戦争の際に1864年スポットシルバニア・コートハウスの戦いエモリー・アプトン大佐同様の戦術行っている。また第一次世界大戦でもフランス軍似たような戦術行っていた。しかしフーチェルはこの戦術大々的採用した最初将軍となった1917年9月、フーチェルの第8軍は新戦術用いて攻めあぐんでいたリガ攻略したリガ攻勢)。続くバルト海の上作戦アルビオン作戦)は第一次世界大戦唯一の成功した上陸戦となった。 フーチェルの戦術中央同盟軍でひろく採用されオーストリア=ハンガリー帝国軍はカポレットの戦いイタリア軍に対して浸透戦術を使い大勝利収めた。またイギリス軍カンブレーの戦いの際に奪われ土地奪還する作戦でも使用され成功収めた。フーチェルはヴィルヘルム2世からプール・ル・メリット勲章授与され1918年西部戦線転属となった1918年3月、フーチェルは浸透戦術を使って英仏連合軍戦線突破しソンム川沿ってアミアン方向に65km前進し連合軍兵士5万捕虜とする成功収め柏葉プール・ル・メリット勲章受章した6月にも浸透戦術を使ってフランス軍に対して勝利を収めたが、連合軍対抗手段編み出した1918年7月攻勢の際、米仏連合軍は縦深をもたせた防御システム突撃部隊攻撃防いだドイツ軍勝機去った

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浸透戦術

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/15 04:52 UTC 版)

塹壕」の記事における「浸透戦術」の解説

浸透戦術は、ドイツ軍カポレットの戦い1918年春季攻勢実施した戦術である。長い塹壕線には、部分的に手薄な地点防御上の死角がどこかにあり、分隊単位編成され軽装備の突撃部隊Stoßtrupp)が、現場判断そうした地点探して突破し防御側との交戦避けつつ第二第三線の塹壕突破する複数地点同時にこの攻撃実施することで防御側を混乱させ、その間司令部砲兵陣地衝く指揮系統との連絡砲兵支援失った防御側の前線部隊無力化されることになる。ドイツ軍は浸透戦術を採用してカポレットの戦い圧勝し西部戦線でも前進成功した。だが突撃歩兵はあくまで軽歩兵であり、限られた装備補給し持たないので、防御側が十分な予備兵力を持ち迅速に戦線の穴を塞ぐと、それ以上突破続けることは困難であった

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