海外仕様車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 10:16 UTC 版)
日本国外で販売されてきたアルトは日本仕様とは異なる部分がある。 日本国外向けの初代はSS80型となる。これはSS40型フロンテをベースに40psを発揮する直列3気筒796ccエンジンを搭載したもので、ヨーロッパでは1981年から1984年まで販売された。インドではマルチ・ウドヨグ(現:マルチ・スズキ・インディア)によってマルチ・800として、パキスタンではパックスズキによってスズキ・FXとして製造が行われた。 日本国外向けの2代目はCA91/92/CB91/92型(SB308型とも)。CA71/72型フロンテをベースに796ccエンジンを搭載した。インドでは2代目マルチ・800として、パキスタンではメヘラン (Mehran) として生産された。また、中華人民共和国では長安汽車、吉林江北機械廠、湖南江南汽車によって生産された。ヨーロッパでは1984年から1993年まで販売されたが、日本市場向けがCL11型にモデルチェンジしてからはインドからの輸入に切り替わった。 CL11型は大宇国民車(現:韓国GM)が大宇・ティコとして大韓民国、ポーランド、ルーマニア、ウズベキスタンで生産した。中国ではティコが安徽安馳汽車によって「安馳 (Anchi)」(MC6330) のネーミングで1994年から2003年まで、および親会社の哈飛汽車によって「百利 (Baili)」(HFJ6330E) のネーミングで1999年から2004年まで生産された(エンジンは直列4気筒870cc)。また、エジプトのスペランザ社でもライセンス生産(1996年-2008年)された。 1994年から2002年にかけてはセルボモードをベースに1Lエンジンを搭載した車種がヨーロッパ向け3代目アルトとしてインドから輸出された。なお、この車種はインドでは「ゼン」の車名で販売された。 インド市場で最初に「アルト」の車名を冠した車種は2000年に登場した。HA12型をベースに直列3気筒 F8D型 796ccエンジンを搭載しており、新興国向けにはこちらが輸出された。ヨーロッパ向け4代目アルトは直列4気筒 F10D型 1061ccエンジンを搭載したモデルがインドから輸出され、2002年から2009年にかけて販売された。1.1L車はインド向けにも上級グレードとして設定されたが、やがてカタログから落とされ、2010年8月に直列3気筒 K10B型 998ccエンジンを搭載した車種が「アルトK10」としてデビューした。アルトK10もまた新興国向けに輸出されている。HA12型はパキスタンでも製造が行われていたほか、コロンビアではゼネラルモーターズによって現地組立が行われてシボレー・アルトとして販売された。 ヨーロッパ向け5代目アルトは2009年から2014年にかけて販売された。インドでマルチ・スズキ・Aスターとして販売された車種の日本国外版であり、ラテンアメリカなど一部地域では「セレリオ」として販売された。なお、同車種の後継は全世界でセレリオの車名に統一される。 2019年6月15日にパキスタン向けアルトが発売された。スズキの海外拠点で初めて、現行の日本における軽自動車規格と同一のボディー・排気量を採用したモデルで、8代目アルトをベースに、ボディーとエンジンは日本仕様と同じだが、バンパー、およびフロントフェンダーの材質をそれぞれ樹脂製から鋼板製に変更し、更に最低地上高を高く(全高は日本での「F」・「L」・「S」よりも15mm高い1,490mm)するなどパキスタンの道路事情に合わせて仕様が変更されている。トランスミッションは5MTとAGSの2種類が設定されている。 1994年型アルト欧州仕様(セルボモードがベース) マルチ・アルト シボレー・アルト 2011年型アルトK10 2013年型アルト欧州仕様(Aスター) 大宇・ティコ(韓国仕様)
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