海外企業のM&Aによる成長戦略(2016年 -)
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「ルネサスエレクトロニクス」の記事における「海外企業のM&Aによる成長戦略(2016年 -)」の解説
2015年4月、構造改革に一定のめどがついたことから作田会長兼CEOは退任し、遠藤隆雄(元オラクル社長)がルネサスCEOとなったが、ルネサス株のロックアップ解除を目前にして、インフィニオンとの提携を進めようとする遠藤CEOの方針に自動車業界が難色を示し、志賀俊之(元日産COO、日産生え抜き)がトップを務める産革との対立もあって半年(遠藤CEOがインフィニオンとの提携を口にした4日後)で退任。ルネサス生え抜きの鶴丸哲哉社長(元・那珂工場長)が暫定的にCEOを兼任した後、2016年6月、カルソニックカンセイ(日産系の自動車部品メーカー。現・マレリ)や日本電産などで長く車載畑を歩んだ呉文精が代表取締役社長兼CEOに就任した。 呉CEOのもと、2016年より成長戦略に舵を切り、同年9月には米アナログ半導体大手インターシルの買収を発表した。また同年11月には、中期成長戦略を発表。2017年2月、インターシルの買収を完了し、完全子会社化する。 インターシルに続き、アナログ半導体強化戦略の一環として、2018年9月には米Integrated Device Technology, Inc. (IDT) の買収を発表する。2019年3月、IDTの買収を完了し、完全子会社化。 2017年にはインドのEV大手のマヒンドラと提携、2020年には中国第一汽車集団の紅旗向けのインテリジェント運転開発プラットフォームを開発するため、一汽集団とともに吉林省長春市にインテリジェント運転開発プラットフォーム共同研究所を設立するなど、CASE(コネクテッド・自動運転。シェアリング・電動化)に対応するためのグローバル化を進めた。 2社を合計して1兆円を超える巨額のM&Aを行ったことに対して「シナジー効果は期待できない」など内外からの批判も多く、2018年より株価が低迷。さらに2019年、ルネサスの業績悪化を受け、産革の方針により呉CEOは退任。後任として、ユニキャリア(日立と日産のフォークリフト事業を統合した企業)を設立するなどフォークリフト業界再編に功績を挙げた産革出身の柴田英利がCEOに就任。 柴田CEO体制においてはさらなる巨額のM&Aに踏み込み、2021年には約49億ユーロ(約6157億円)をかけてダイアログ社を買収。
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