横瀬古墳とは? わかりやすく解説

横瀬古墳

名称: 横瀬古墳
ふりがな よこせこふん
種別 史跡
種別2:
都道府県 鹿児島県
市区町村 曽於郡大崎町
管理団体 大崎町(昭18・1218)
指定年月日 1943.09.08(昭和18.09.08)
指定基準 史1
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 有明湾西方約一粁の平地にあり、封土前方圓型にして略南々西面し長徑四百十尺、後圓部徑約二百十尺、高さ約三十四尺、前方部幅約二百六尺、高さ約二十六尺有す後圓部頂上竪穴式石室遺構ありて現在石の一部露出し周裾に埴輪散布し表面には輕石による葺石あり前方部神社建立せられ少しく毀損せらるる所ありと雖尚よく舊態保ち此の地方に於ける代表的古墳なり。
史跡名勝記念物のほかの用語一覧
史跡:  標津遺跡群  権現山洞窟住居跡  横尾貝塚  横瀬古墳  横田下古墳  横見廃寺跡  横須賀城跡

横瀬古墳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 22:28 UTC 版)

横瀬古墳

墳丘全景(左に前方部、右に後円部)
別名 横瀬大塚山古墳
所在地 鹿児島県曽於郡大崎町横瀬
位置 北緯31度24分47.88秒 東経131度00分53.95秒 / 北緯31.4133000度 東経131.0149861度 / 31.4133000; 131.0149861座標: 北緯31度24分47.88秒 東経131度00分53.95秒 / 北緯31.4133000度 東経131.0149861度 / 31.4133000; 131.0149861
形状 前方後円墳
規模 墳丘長137m
埋葬施設 竪穴式石室
出土品 (伝)鉄器など
築造時期 5世紀中葉-後半
史跡 国の史跡「横瀬古墳」
特記事項 鹿児島県第2位の規模
地図
横瀬古墳
鹿児島県内の位置
テンプレートを表示

横瀬古墳(よこせこふん、横瀬大塚山古墳)は、鹿児島県曽於郡大崎町横瀬にある古墳。形状は前方後円墳。国の史跡に指定されている。

鹿児島県では第2位の規模の古墳で、5世紀中葉-後半(古墳時代中期)頃の築造と推定される。

概要

南九州地方の盟主墳[1]
古墳群 古墳名 形状 墳丘長 築造時期
生目 生目1号墳 前方後円墳 120m以上 4c前半
(4c後半?)
生目3号墳 前方後円墳 137m 4c中葉
生目22号墳 前方後円墳 100m以上 4c後半
唐仁 唐仁大塚古墳 前方後円墳 154m 4c末
西都原 男狭穂塚古墳 帆立貝形古墳 176m 5c前半
女狭穂塚古墳 前方後円墳 176m
(単独) 横瀬古墳 前方後円墳 134m 5c中葉

鹿児島県東部、志布志湾から西方の標高6メートルの水田地帯に築造された大型前方後円墳である[2]江戸時代から知られた古墳で[2]、現在は前方部に祠が祀られている[3]

墳形は前方後円形で、前方部を南西方に向ける[2]。墳丘長は約137メートルを測り、鹿児島県では唐仁大塚古墳東串良町、154メートル)に次ぐ第2位の規模になる。墳丘外表では円筒埴輪形象埴輪(盾形埴輪など)が検出されている(埴輪を伴う古墳としては日本最南端)[2]。墳丘周囲には周濠(盾形か)が巡らされており、濠は幅12-23メートル・深さ1.5メートルを測り、周濠を含めた古墳総長は160メートルに達する[2]。この周濠のさらに外側では、後円部北側・前方部南側で外濠も認められている[4]。埋葬施設は竪穴式石室で、現在は後円部墳頂に露出する[2]。この石室からはかつて鉄器等が持ち出されたといわれる[2]。その他の出土品としては須恵器(加耶系陶質土器・陶邑産須恵器)がある[2]。また、現存はしないが本古墳周囲には古墳群が形成されていたと伝えられ[3]、それら周囲古墳は本古墳の陪塚であった可能性も指摘されている[5]

この横瀬古墳は、墳形・埋葬施設・出土品等より古墳時代中期の5世紀中葉-後半頃の築造と推定される[2]。南九州地方では、西都原古墳群宮崎県西都市)の男狭穂塚古墳女狭穂塚古墳に後続する盟主墳に位置づけられる[1]。また本古墳は沿岸部に築造された「海浜型前方後円墳」になり、ヤマト王権南西諸島朝鮮半島との交流を物語っている[6]

古墳域は1943年昭和18年)に国の史跡に指定されている[7]。なお周辺では、前述の唐仁大塚古墳を含む唐仁古墳群(東串良町)のほか、本古墳に先立つ神領古墳群(大崎町神領・横瀬)の分布が知られる[5]

遺跡歴

墳丘

横から望む墳形
左に前方部、右に後円部。

墳丘の規模は次の通り(2010-2011年度(平成22-23年度)の調査値)[4]

  • 古墳総長:192メートル - 周濠を含めた古墳全長。
  • 墳丘長:137メートル
  • 後円部
    • 直径:80メートル
  • くびれ部
    • 幅:58メートル
  • 前方部
    • 幅:最大88メートル
  • 内濠
    • 後円部側:6-8メートル
    • くびれ部西側:12メートル
    • くびれ部東側:20メートルか
    • 前方部側:7-11メートル
  • 外濠
    • 後円部側:3.5メートル
    • 前方部側:2.5メートル

古墳は傾斜面上に所在するため、墳丘は後円部の方が1メートルほど高く築造されている[2]。後世の削平により後円部墳頂では竪穴式石室が露出することから、元々の後円部は現在よりもさらに高かったとされる[2]

文化財

国の史跡

  • 横瀬古墳 - 1943年(昭和18年)9月8日指定[7]

関連施設

  • 大崎町中央公民館 郷土資料展示室(大崎町假宿) - 横瀬古墳の出土埴輪等を保管・展示。
  • 鹿児島県立博物館鹿児島市城山町) - 横瀬古墳の出土埴輪等を保管・展示[10]
  • 鹿児島県歴史資料センター黎明館(鹿児島市城山町) - 横瀬古墳の出土物等を保管[2]
  • 鹿児島県立埋蔵文化財センター(霧島市国分上野原縄文の森) - 横瀬古墳の出土物等を保管[2]

脚注

  1. ^ a b 東憲章 『古墳時代の南九州の雄 西都原古墳群(シリーズ「遺跡を学ぶ」121)』 新泉社、2017年、pp. 24-26。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 横瀬古墳(上野原縄文の森).
  3. ^ a b 横瀬古墳(鹿児島県).
  4. ^ a b c d 横瀬古墳 2016, pp. 68–72.
  5. ^ a b 横瀬古墳(平凡社) 1998.
  6. ^ 広報おおさき 2015.
  7. ^ a b c 横瀬古墳 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  8. ^ 横瀬古墳 2016, pp. 4–9.
  9. ^ 横瀬古墳 2016, pp. 1–3.
  10. ^ 横瀬古墳(国指定史跡).

参考文献

関連項目

外部リンク


横瀬古墳(よこせこふん)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 10:22 UTC 版)

ソイルマーク」の記事における「横瀬古墳(よこせこふん)」の解説

鹿児島県曽於郡大崎町にある前方後円墳(国の史跡)。現状では平野中に墳丘のみがあり、周溝や周堤帯(堤)を認識できないが、航空写真で見ると、墳丘周囲水田中に墳丘取り囲むような形状の2重の黒色帯が認められた。これは、墳丘裾に埋没した2重周溝その間の削平された周堤帯が、ソイルマーククロップマークとなって現れている事例であり、外周施設含んだ本来の古墳の姿と規模推定する手がかりとなった

※この「横瀬古墳(よこせこふん)」の解説は、「ソイルマーク」の解説の一部です。
「横瀬古墳(よこせこふん)」を含む「ソイルマーク」の記事については、「ソイルマーク」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「横瀬古墳」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「横瀬古墳」の関連用語

横瀬古墳のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



横瀬古墳のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2025 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの横瀬古墳 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのソイルマーク (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS