桜京古墳とは? わかりやすく解説

桜京古墳

名称: 桜京古墳
ふりがな さくらきょうこふん
種別 史跡
種別2:
都道府県 福岡県
市区町村 宗像市玄海町
管理団体
指定年月日 1976.03.31(昭和51.03.31)
指定基準 史1
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: S50-12-043[[京]さくらきょう]古墳.txt: 玄界灘面する80基の桜京古墳群の主墳となる前方後円墳が桜京古墳であり、石室内部装飾有している。古墳丘陵上にあり、前方部を南に向け、全長41メートル後円部径約18メートル、高さ約4メートル前方部幅約10メートル、高さ2.5メートルで西辺は若干変形している。
 石室後円部中央設けられ複室玄室をもち、西に開口している。奥室は長3.7メートル、幅約2.2メートル、高約3.6メートルで奥壁に接して石屋形がある。前室は奥室の半分ほどの大きさである。この古墳江戸時代にすでに開口しており、出土品伝わっていない。
 本古墳石屋形の支柱石及び奥壁には、縦横及び斜めの線刻による三角区画がされ、その各々を赤・黄・青の顔料塗り分けている。上部には赤色彩色がある。この古墳6世紀属するものとみられ、玄界灘面して存在する数少ない装飾古墳一つとして重要なのである
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桜京古墳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 23:12 UTC 版)

桜京古墳

墳丘(左手前に前方部、右奥に後円部)
別名 桜京2号墳[1]
所属 桜京古墳群
所在地 福岡県宗像市牟田尻2019番地(字桜京)
位置 北緯33度50分37.67秒 東経130度29分43.68秒 / 北緯33.8437972度 東経130.4954667度 / 33.8437972; 130.4954667座標: 北緯33度50分37.67秒 東経130度29分43.68秒 / 北緯33.8437972度 東経130.4954667度 / 33.8437972; 130.4954667
形状 前方後円墳
規模 墳丘長39m
高さ6.4m(後円部)
埋葬施設 後円部:横穴式石室
前方部:横穴式石室
出土品 鉄鏃茎・金属器・土器片
築造時期 6世紀後半
史跡 国の史跡「桜京古墳」
特記事項 装飾古墳
地図
桜京古墳
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桜京古墳(さくらきょうこふん)は、福岡県宗像市牟田尻にある古墳。形状は前方後円墳。桜京古墳群を構成する古墳の1つ。国の史跡に指定されている。

宗像地域では唯一となる、石室に装飾が施された装飾古墳として知られる。

概要

福岡県北部、釣川河口部の左岸丘陵頂部に築造された古墳である[2]。丘陵上には本古墳のほかにも多くの古墳(群集墳)が分布して桜京古墳群を形成する。古墳名の「桜京」は地名[2]江戸時代寛文13年(1673年)には既に石室が開口したことが知られるが、1971年昭和46年)に古墳として初めて認知され、その後これまでに数次の調査が実施されている[2]

墳形は左右非対称な前方後円形で、前方部を南方に向ける[2]。墳丘に段築は認められていない[2]。また墳丘表面に葺石埴輪は認められず、墳丘周囲に周溝も認められていない[2]。埋葬施設は2基からなり、後円部・前方部にそれぞれ横穴式石室1基が遺存するが、特に後円部石室は三角文様の壁画を有する[2]。そのほか、本古墳周辺にある円墳5基は本古墳と密接な関係にあるとされる[2]。出土品としては、鉄鏃茎、金属器(弓金具など)、須恵器片、土師器片がある[2]

この桜京古墳は、古墳時代後期の6世紀後半頃の築造と推定される[2]装飾古墳は九州地方の有明海沿岸部を中心に多数が分布するが、本古墳の位置する宗像地域(玄界灘沿岸部)はその分布圏から外れる点で特色を示し、当時の有明海沿岸部との政治的・経済的交流を示唆するとして重要視される古墳になる[2]

古墳域は1976年昭和51年)に国の史跡に指定されている[3]。なお、ユネスコ世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群」において、2009年平成21年)に同遺産がユネスコ世界遺産暫定一覧表に記載された際には本古墳も構成資産候補とされていたが[4]、その後の2017年平成29年)の正式登録の際には構成資産から外されている。

遺跡歴

墳丘

墳丘の規模は次の通り[2]

  • 墳丘長:39メートル
  • 後円部
    • 直径:24.0メートル
    • 高さ:6.4メートル(現況)
  • くびれ部
    • 幅:11.0メートル
  • 前方部
    • 長さ:16.0メートル
    • 幅:13.5メートル(現況)
    • 高さ:4.0メートル

埋葬施設

第1主体部 石室開口部
(2016年3月時点)

埋葬施設として、後円部・前方部にそれぞれ横穴式石室1基が構築されている[2]

第1主体部は後円部に位置し、ほぼ完存する[2]。複室構造の両袖式横穴式石室で、石室主軸は墳丘主軸とほぼ直交し、西方に開口する[2]。石室の規模は次の通り[2]

  • 石室全長:8.86メートル
  • 後室:長さ3.88メートル、幅2.05メートル(奥壁部)・2.29メートル(中央部)、高さ3.63メートル
  • 前室:長さ2.58メートル、幅1.47メートル(中央部)、高さ1.96メートル
  • 羨道:長さ5.09メートル

後室の奥壁には石屋形(石柱間隔1.2メートル、中央石棚高さ1.65メートル)が認められる[2]。また壁画が認められており、奥壁・石屋形石柱に赤色(ベンガラ)・緑色(セラドナイト)・白色(白色粘土)の三角文が描かれる[2]。この三角文については特に、当地の豪族である宗像氏の入れ墨文様との関連を指摘する説がある[2]。なお石室内には寛文13年(1673年)・昭和13年(1938年)の釘書きが認められるほか、昭和20年代には石室内で賭博が行われていたという[2]。この石室は未整備状態のため、現在は非公開で保存されている。

第2主体部は埋没石室で、2003年度(平成15年度)の測量調査の際に発見された[5]。小型の横穴式石室と推定されるが、詳細な調査は未実施のため内容は詳らかでない[5]

文化財

国の史跡

  • 桜京古墳 - 1976年(昭和51年)3月31日指定[3]

現地情報

所在地

交通アクセス

周辺

脚注

  1. ^ 宗像市史 通史編 第1巻 自然・考古 & 1997年, pp. 750–753.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 国史跡桜京古墳整備基本計画 & 2012年, pp. 33–41.
  3. ^ a b c 桜京古墳 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  4. ^ 本遺産がユネスコ世界遺産暫定一覧表に記載されました(世界遺産「「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群」公式ホームページ、2009年1月5日お知らせ)。
  5. ^ a b c d e f 桜京古墳 & 2007年.
  6. ^ 時間旅行ムナカタ第39回 高校生が発見!国指定史跡桜京古墳(宗像市ホームページ、2015年3月18日更新版)。
  7. ^ 桜京古墳(国指定史跡).

参考文献

(記事執筆に使用した文献)

  • 史跡説明板
  • 桜京古墳公式パンフレット(海の道むなかた館発行)
  • 地方自治体発行
    • 『宗像市史 通史編 第1巻 自然・考古』宗像市、1997年、750-753頁。 
    • 『桜京古墳 -福岡県宗像市牟田尻所在国指定史跡(装飾古墳)の史跡内容確認調査報告-(宗像市文化財調査報告書第58集)』宗像市教育委員会、2007年。 
    • 「桜京古墳」『宗像遺産 <文化遺産編>』宗像市、2007年。 
    • 国史跡桜京古墳整備基本計画』宗像市教育委員会、2007年。  - リンクは宗像市ホームページ。
  • 事典類

関連文献

(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 『桜京古墳2 -平成21・22年度確認調査の報告 -(宗像市文化財調査報告書 第65集)』宗像市教育委員会、2012年。 

関連項目

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