桜を見る会前夜祭
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2013 - 2019年の桜を見る会の前日に、安倍晋三後援会の主催で、ホテルニューオータニおよびANAインターコンチネンタルホテル東京で夕食会を開催していた。野党側は1人5000円という会費が安すぎるのではないかと指摘し、公職選挙法や政治資金規正法に違反する可能性を指摘している。安倍総理は、「会場入り口の受付にて安倍事務所職員が1人5000円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に集金した全ての現金をホテル側に渡すという形で支払いがなされた。」と説明している。 2020年2月17日の衆議院予算委員会で、辻元清美はANAインターコンチネンタルホテル東京に質問し、以下の回答を得たと答弁した。(1)見積書を主催者に発行しないケースは無い。(2)宛名は空欄のままで領収書を発行したケースは無い。(3)ホテル主催ではない数百人規模のパーティーで、代金を参加者一人一人からホテルが受け取ることは無い。(4)上記の(1)〜(3)について、主催者が政治家や関連団体であることから対応を変えたということは無い。 以上は首相の従来の答弁と矛盾すると追及した。首相は同日、「ホテルに確認したところ、辻元氏への回答は一般論で、個別の案件については営業の秘密に関わるため、回答に含まれていないとのことだ」と答弁した。しかしANAホテルは、毎日新聞や朝日新聞の取材に対して「『個別の案件については営業の秘密に関わるため、回答に含まれない』と申し上げた事実はない」と首相答弁を一部否定している。刑事確定記録におけるホテル関係者の供述によれば、実際には見積書は主催者に対して発行され、宛名については完全に空欄ではまずいということで宛名について上様と記載されたホテル名義の領収書を安倍事務所に渡し、代金については安倍事務所の関係者が会場で受け取り、ホテルに参加者から受け取った会費を渡したという経緯であることが記載されていた。 2020年11月23日読売新聞が1面にて『安倍前首相秘書ら聴取 「桜」前夜祭 会費補填巡り 東京地検』、翌日24日には『安倍氏側800万円超補填か』、翌々日25日には『安倍氏側 領収書廃棄か』、26日には『安倍氏側、記載方法照会』とスクープした。 2020年12月3日、東京地検特捜部が安倍前首相の任意事情聴取を要請した。一方、前首相は要請について国会内で記者団に「聞いていない」と述べている。 2020年12月23日、安倍晋三後援会は山口県選挙管理委員会に桜の見る会前夜祭についての収支を加えた収支報告の訂正申出を行った。 2020年12月24日、東京地検特捜部は、安倍晋三後援会代表の配川博之・公設第1秘書を、政治資金規正法違反(不記載罪)で略式起訴した。安倍前首相については嫌疑不十分で不起訴処分とした。東京簡裁は秘書に罰金100万円の略式命令を出し、即日納付された。 2020年12月25日、安倍晋三前首相は、衆議院運営委員会で「(前夜祭の)夕食会の開催費用の一部を後援会として支出していたにもかかわらず、それを記載しなかったとの事実」が判明したことから安倍晋三後援会の政治資金収支報告書を修正した旨を報告し、「私が知らない中で行われていたこととはいえ、道義的責任を痛感しております」として謝罪した。これは、「秘書による事実とは異なる報告に基づき、補填の実態を知らないまま答弁してしまったので、これを訂正したい、道義的責任を感じているという内容」(丹羽秀樹委員)であり、「総理、この該当者(を業務上横領罪で告訴を当然するんでしょうね」(黒岩宇洋委員)との指摘もあったが、これに対し前首相は「長年私に仕えてくれたのは事実でございますので、訴えるという考え方はございません」と答弁した。なお、刑事確定記録における議員会館に勤務していた秘書の供述調書には、安倍前総理が議員会館に勤務していた秘書に管理を委ねていたいプライベートな支出や政治団体の支出に帰属させるか不分明な支出に充てるためにプール金から不足分を捻出したとされ、地元事務所を統括する配川に対し不足していたお金の出どころまで詳しくは報告していなかったという趣旨の記載がある。 実際には前夜祭の費用を後援会が補填していたが、安倍は「補填はない」などの事実に反する国会答弁を少なくとも118回繰り返していた。 2022年4月25日、共同通信が配川に対する刑事確定記録について閲覧したとして配川が「収支不記載、最初から」と供述したなどと報道している。。
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