格安SIMとしてのMVNO
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 16:53 UTC 版)
「仮想移動体通信事業者」の記事における「格安SIMとしてのMVNO」の解説
「日本における携帯電話」も参照 国内では2010年代初頭にSIMカードの単体販売が始まった。これはNTTドコモの3G回線を利用するものであり、ここにISP系の事業者のいくつかが参入することで、現在では格安SIMと呼ばれるサービスがスタートした。しかし、この頃SIMフリーの端末はごく少数であったこと、キャリアの端末に対するSIMロック解除が努力目標でしかなく各キャリアで対応が分かれたこと、キャリアとの契約について「携帯電話・スマートフォンの購入と回線契約をセットで行い割引を受ける」方式が主流であったことなどから、一般の消費者が自分の所持する端末に購入したSIMカードを挿入して運用するような場面はほとんどなく、格安SIMが注目されることもあまりなかった。 2010年代中盤に入るとこの状況が変化する。端末(スマートフォン)に関しては国内で圧倒的なシェアを誇るiPhoneを筆頭にSIMフリーの端末が増加したことや、SIMロック解除の義務化によってキャリアの端末をMVNOで利用する機会が増えたことが、サービス(SIMカード)に関してはKDDI・ソフトバンクの回線を利用したMVNOが開始したことや、MNOのサブブランドが登場したことが、それぞれ要因となり格安SIMの注目度が高まった。家電量販店でスマートフォンとSIMカードのセット販売が行われるなど販売方法・経路にも変化が表れたことや、VoLTEやDSDSなどの利便性を高める新技術が登場したことも追い風となる。その結果、利用者の増加とともに多数の事業者が参入しシェア争いが勃発。それぞれ独自のサービスで差別化を図った。 2010年代終盤には、市場での激しい競争の中でMNO・MVNO双方に業界再編の動きが起こる。MVNOにおいては、事業を他社に売却する事例や、MNOの傘下に入る事例が発生。一方で、MNOにおいては、大手のMVNOであった楽天モバイルがMNOに参入。三大キャリアによる寡占状態であった国内の携帯電話市場に一石を投じた。このような流れの中で、菅官房長官(当時)の「4割値下げ」発言 に端を発して、SIMロック解除条件の緩和、端末代金と通信料金を分ける分離プランの義務化、今後の展望となるアクション・プランの公表など、総務省による携帯電話市場への介入が続いた。こうして三大キャリアへの値下げ圧力が強まった結果、2020年には三大キャリアがオンライン申し込み専用などこれまでとは異なる独自の料金プランを発表。サブブランドの新料金プランと合わせて、これらは格安SIMの大きな武器である「安さ」に切り込むものとなっている。
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