未開発水利権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 15:07 UTC 版)
大同電力が保有していたが開発に至らず未完成のまま1939年の会社解散を迎えた水利権許可地点は、三浦貯水池を除くと以下の7地点である。 木曽川本流坂下水力 二股第一水力 二股第二水力 丸山水力 兼山水力 木曽川支流王滝川・西野川御岳(御嶽)水力 常盤水力 未開発地点は大同解散の後、計画を継承した日本発送電や同社の後身関西電力(1951年発足)の手により発電所が建設された。 兼山発電所 木曽電気興業時代の1920年3月に許可を受けた「錦津水力」は、水路式からダム式発電所に計画変更の上1927年(昭和2年)12月に「二股第一・第二水力」「丸山水力」「錦織水力」の3つに分割された。このうち錦織水力に、上記今渡水力を二分したうちの上流側「今渡第一水力」を統合したのが「兼山水力」である。 日本発送電移管後1939年5月に着工、1943年(昭和18年)に8月送電を開始して翌年3月に竣工した。出力は2万4,800kW。 常盤発電所 1925年許可の「王滝川第一水力」は、下流部の一部が寝覚水力に吸収されて開発、残りは「常盤水力」に改称して水路式からダム水路式発電所となった。日本発送電により1939年6月着工、送電開始は1941年(昭和16年)7月、竣工は翌年である。出力は1万4,600kW。 御岳発電所 1925年許可の「王滝川第二水力」と「西野川水力」を統合して生じたのが「御岳(御嶽)水力」である。1943年に工事認可を受け、1945年(昭和20年)6月に送電を開始、1949年(昭和24年)に竣工した。出力は6万6,000kW。 丸山発電所 錦津水力を分割して生じた「二股第一・第二水力」および「丸山水力」は、途中に介在する八百津発電所(東邦電力に帰属)が開発の支障となっており、開発が延期されていた。その後1938年になって八百津発電所を買収した上で丸山・二股3地点を統合して大規模ダム式発電所を建設するという計画を立案。この計画が日本発送電へと継承され、1943年12月丸山発電所の着工に至った。 太平洋戦争終戦前後の工事中断と日本発送電から関西電力へと移行を挟んで、1954年(昭和29年)4月に運転を開始した。出力は12万5,000kW。 山口発電所 賤母水力と落合水力の途中に残った「坂下水力」は関西電力発足後に開発計画が見直され、賤母発電所の再開発を兼ねて1955年(昭和30年)12月に着工、1957年(昭和32年)12月に山口発電所として運転開始に至った。
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