有機質肥料とは? わかりやすく解説

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ゆうきしつ‐ひりょう〔イウキシツヒレウ〕【有機質肥料】

読み方:ゆうきしつひりょう

有機肥料


有機質肥料

油かす魚かす骨粉鶏ふん堆肥など動植物質のものを原材料にした肥料天然肥料ともいう。土壌中の微生物により分解されたものを植物吸収するので、遅効性だが効果が長もちする。独特のにおいはあるが、窒素リン酸カリ以外の微量要素含まれ濃度障害もない。元肥として使われる。→無機質肥料

有機質肥料

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/22 02:10 UTC 版)

有機質肥料(ゆうきしつひりょう、Organic fertilizer)とは、生物(動物、人間、植物あるいは微生物)由来の資源(有機資材)を原料とする肥料である[1][2]。基本的に有機質を成分とするが、動物の糞や草木の灰は無機物でありながら有機質肥料に挙げられる。主要な有機肥料は泥炭、(多くは畜殺場からの)動物性の廃棄物、農業からの植物性廃棄物、および下水汚泥である[2]。対して、鉱物(リン鉱石など)から精製・製造された、あるいは工業的に合成された肥料を無機肥料と呼ぶ。無機肥料は、商業的な農業で使用されている肥料の大部分を占めている。


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有機質肥料(有機肥料)

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肥料」の記事における「有機質肥料(有機肥料)」の解説

詳細は「有機質肥料」を参照 有機物有機資材)を原料とした肥料植物質または動物質原料とした肥料である。有機物時間をかけて分解されその後植物吸収されるため即効性は低いが、そのかわり土壌長期間蓄積されゆっくりと効果持続するまた、有機質肥料には土壌柔らかくする性質がある。 有機物により土壌内の微生物栄養分与えられるため、無機肥料よりも土壌良い考える人もいる。ただし農業肥料だけでおこなうものでないため、一概に有機肥料無機肥料より優れているとはいえない。例えば、発酵十分でないと根に悪影響与える。また、完熟していない有機肥料では、悪臭ガス発生害虫発生問題発生する肥料完全発酵させることによって、養分分解され利用しやすくなり、有害増殖して病害が起こることを防ぐことができる。 有機質肥料でも、従来植物無機物の形で吸収し栄養としていると考えられてきた。ほとんどの栄養分無機物として吸収されるが、一部有機物エンドサイトーシスにより、養分として取り込まれることもある。タンパク質場合細胞内タンパク質取り込んでからタンパク質分解酵素消化して利用するアミノ酸では直接利用されるものがある。 このため有機物肥料としての有効性研究されてきた。2002年には、独立行政法人農業環境技術研究所が、植物根から無機質ではない有機質タンパク質窒素吸収することを証明している。 植物性肥料油粕刈敷 草木灰ただし、草木灰は、植物由来のため有機肥料とする人が多いが、灰であるため無機物中心である。 緑肥特に マメ科植物には窒素体内固定する性質があり、これらをすき込んで有機肥料同様の効果得られる動物性肥料魚粕 干鰯 堆肥 馬糞 牛糞 鶏糞 人糞尿下肥骨粉 肉骨粉 厩肥 ボカシ肥 - ボカシ肥とは、有機肥料発酵させて肥効ボカシた(穏やかにした)ものをいう原料となる有機肥料は、油カス米糠鶏糞魚カス骨粉など多様である。無機肥料加えることもある。ボカシボカシ肥料ともいう。ボカシ肥には大別して、土を混ぜるもの、混ぜないものの2種類ある。前者は、有機肥料に土(粘土質なものがよい)を混ぜ50 - 55以上に温度上がらないようにして発酵させる通常堆肥などを発酵させる場合は、もっと高温70以上になることがある)。一方後者は、有機肥料加えて発酵させたもので市販ボカシ肥はこちらである。

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「有機質肥料(有機肥料)」を含む「肥料」の記事については、「肥料」の概要を参照ください。

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